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フェア ジュンク堂書店  難波店

店長本気の一押し! 篠原雅武『人新世の哲学』~人間が自然を脅かす〈地質学的〉時代

『人新世の哲学』
篠原雅武著  人文書院  2300円 
 1957年、人工衛星スプートニクの打ち上げに、ハンナ=アーレントは「人間が地球から離れていく」近代的精神の象徴を見た。それは、人間がつくりだす世界が自然な地球に支えられていることへの感覚が衰微し、人間が人間だけで自己完結して生きることが可能であると錯覚する精神である。
 だが現実には人間を支えている自然は、時に災害の野蛮さを以てその存在を顕にし、人間を生活空間から引きずり出す。
 他方、人間もまた、自らの存続と生活空間の確保のために、自然に改変を加えてきた。その営為がもたらしたのが、地球温暖化であり、原発事故である。人間が人間ならざる種を脅かす存在にまで「成長」したこの(地質学的)時代が、「人新世」と名づけられた。

 だが、ティモシー=モートンは、自然を崇高なものとして捉え「無垢な」自然を人間の手から取り戻そうとする類いの「エコロジー」思想を、批判する。彼が提出する課題は、様々な人間ならざるものと相互的に連関し共存しながら、人間はいかにして生きたらよいか、なのだ。
 津波災害、原発事故後の瓦礫の山の風景にこそ、自然と連関し、自然に左右される人間が自分自身を問い直す契機があると、篠原雅武は言う。
「存在するためには、ものは脆弱でなければならない」「ものが感じさせるのは、それが消えていくことへの哀歌である」(モートン)。
かくして「人新世の哲学」は、21世紀の「新しい実在論」と、少なからぬ緊張を伴いながら、相関していくのだ。

ラインナップは、篠原雅武先生に選書をお願いしました。
篠原先生には、丸善ジュンク堂書店PR誌『書標』4月号「著書を語る」の執筆もご依頼しています。

2018/04/02 掲載