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デヴィッド・グレーバー『官僚制のユートピア——テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』(以文社)刊行記念トーク

2018年4月21日(土) 15:00開演

〜デヴィッド・グレーバー『官僚制のユートピア——テクノロジー、構造的愚かさ、リベラリズムの鉄則』(以文社)刊行記念トーク〜
   酒井隆史(社会思想史/大阪府立大学教授)  

官僚や役人はこのところ評判が悪かった。役所は不効率であり、役人にまかせればろくなことはない。だから民間にまかせたらうまくいく。ところがこうした表面上のかけ声にまどわされずに日常生活をふり返ってみよう。やたらと書類書きは煩雑になり、些末な規則が増殖し、あらゆる手続きは複雑怪奇になっていないか? コンピュータの導入は、こうした動向を緩和するどころか拍車をかけてはいないか? カフカの世界が牧歌的にみえるほど、わたしたちの日常の管理は深まっていないだろうか。要するに、官僚制の支配は緩和するどころかむしろ、完全で全面的なものになりつつはないだろうか? これはどういうことだろう!? 衝撃の『負債論』でユーラシア大陸5000年史を通覧したあと、人類学者のまなざしは一転して現代官僚制にむかう。ブラジルの先住民もアステカの王も影をひそめ、今回、解剖の対象になるのは、かたや役人であり銀行員であり葬儀社社員でありそして研究者自身の灰色の世界であり、かたや『スタートレック』『バットマン』であり『ロード・オブ・ザ・リング』のファンタジー世界である。官僚制分析なのに驚愕のおもしろさで現代世界を深くえぐる『官僚制のユートピア』。本書をこの「官僚制の超絶ユートピア」たるジャパンでどう読めばよいか?

■酒井隆史(さかい・たかし)
1965年生まれ。
現在、大阪府立大学教授。専攻:社会思想史。著書に『自由論』(青土社、2001年)、『暴力の哲学』(河出書房新社、2004年)、『通天閣』(青土社、2011年)。訳書にグレーバー『負債論』(監訳、以文社)、ジジェク『否定的なもののもとへの滞留』(共訳、ちくま学芸文庫)、ネグリ&ハート『帝国』(共訳、以文社)など多数。
■会場・受付 … 3階カウンター横特設会場。入場料無料(定員30名)
3階カウンターにて受付。電話予約可

ジュンク堂書店 難波店
TEL 06-4396-4771 

書評;『官僚制のユートピア』
D・グレーバー著 以文社 3500円
空飛ぶ自動車が、まだどこにもない⁉ある世代以上の人なら、今から4、50年前に描かれた21世紀の予想図を覚えているだろう。そこに描かれたものがすべて実現しないまでも、よもや、今一切存在しないとは、思わなかった筈だ。インターネットがある?そんなものは「超高速でアクセスできる図書館と郵便局とメールオーダーのカタログ」に過ぎない、とグレーバーは切って捨てる。なぜ、こうなってしまったのか?現代が、「全面的官僚制化」の時代だからだ。
超官僚制国家であったソ連が崩壊した後も、官僚制化の勢いは止まらない。コンピュータは、人びとの自由をではなく、官僚制化を促進したのだ。次々に増殖していく規則・規制が、そして警察官の暴力が、人々の想像力を削ぎ取っていく。膨大な書類作成が、創意やイノヴェーションの余地を無くす。情報テクノロジーは労働者を負債の泥沼に引きずり込んだ。
どうすれば、ぼくたちは官僚制の暴力を逃れ、再び「夢の未来」を追うことが出来るのだろうか?想像力を取り戻す、これしかない。典型的な官僚制国家であった古代ローマ帝国を範とした中世世界で生まれたファンタジー文学の伝統は、今なお民衆文化の底を流れ続けている。規則に支配されたゲームではなく、プレイを楽しむこと。それは、規制と暴力に封じ込められた革命への道でもある。
官僚制は、政治や役所の世界だけではなく私企業にもすっかり浸透し、ぼくらの想像力を蝕み続けている。(フ) (『書標』2018年1月号より)

2018/04/02 掲載