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フェア ジュンク堂書店  難波店

店長本気の一押し!カトリーヌ・マラブー『明日の前に』

『明日の前に 後成説と合理性』
カトリーヌ・マラブー著 
人文書院 三八〇〇円
「思弁的実在論」と呼ばれる現代哲学の潮流、とりわけメイヤスーの『有限性のあとで』は、世界や実在を人間主観との関わりにおいて把握しようとする西欧近現代哲学の「相関主義」を徹底的に批判、人間主観を外した実在を思考しようとする。メイヤスーの批判の矛先は、根本的には西欧近現代哲学の源であるカントの超越論哲学に向けられる。

だが、哲学の歩みは常に先人の思索への批判の歴史であり、近現代哲学も、自らを担保するカントの「超越論的なもの」への疑念の歴史であった。マラブーは、その歴史を丹念に辿り、メイヤスーの糾弾を「これまでの一連の疑念を先鋭化させた」ものと評価しながら、カントその人の思索の深化にこそ、「一連の疑念」への応答、乗り越えを見出していく。
即ち、第一批判(『純粋理性批判』)から第三批判(『判断力批判』)へとカントの「超越論的なもの」が変容していく中に、メイヤスーよりも「いっそう斬新で、いっそうラディカル/根源的な偶然性の意味」を見出していくのだ。
重要なのは、カントが単に形而上学的伝統の中で思索しているのではなく、同時代の自然科学、とりわけ生物学に周到な目配りをしていたことだ。自身、現代の遺伝学、脳科学などを積極的に参照するマラブーは、カント哲学に今日の〈エピジェネティクス〉の先取りを見て取る。

メイヤスーの「反乱」は、逆説的に、あるいは「後成説」的に、カント哲学の射程の広さと、その後継である近現代哲学の可能性そのものを開くことに、大きく貢献したのである。      (フ)
(『書標』8月号より)

カント=マラブーと新実在論の論者が真正面から退治するフェアは、おのずと緊張感あふれる〈アリーナ〉の様相を呈し、今最も新しい哲学思想の現場を浮かび上がらせています。是非、ご覧下さい。

2018/08/14 掲載