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コラム

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2019年6月号

今月の特集は
『クリムト、ウィーン、ハプスブルク家』
『幻想世界の扉をノックする』

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
気になった書籍はネットストアでご注文も可能です。
(※品切れ・絶版の書籍が掲載されている場合もございます。)

すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。





今月の特集(一部抜粋)



『幻想世界の扉をノックする』

 今年のゴールデンウィークは例年よりも長かったですね。普段は行けないような遠方へ旅行に行かれた方もあるかと思いますが、そうでなかった方も大勢いらっしゃることでしょう。
 「大型連休なんて関係ない、仕事で終わった」「出かけるにしてもお金がかかるし、そんなお金ないから無理」「どこへ行っても人ばっかり、疲れているし出かけたくない」すごく、わかります。
 しかし長い旅行は無理でも、小説の中を旅することは少しの時間さえあれば可能です。旅行ガイドや海外紀行など、私たちを知らない土地に連れて行ってくれる本は数多くありますが、今回ご紹介したいのはそういった現実の場所ではなく、私たちが暮らす日常から外れた不思議な世界に誘う本たちです。
 幻想文学、ファンタジー、SF、ホラーなどと分類されるジャンルの本には根強いファンがついています。筆者も子どものころから現実とは少し違った世界の描かれたお話が好きでした。学校近くの林の奥には何か正体のわからないモノが棲みついているのではないか、クロゼットの扉を開ければどこか違う世界につながっているのではないか、なんて誰しも少年少女の頃には夢を見たことでしょう。「そんなことはない、自分はファンタジーになんて興味はなかった! 物心ついたころから現実を見据えていたぞ!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、まあここはひとつ、物は試しと思って不思議な世界が描かれた書籍に触れてみてください。

 『春の窓 安房直子ファンタジスタ』
 (講談社X文庫ホワイトハート・安房直子著・六三〇円)
 児童文学作家の安房直子が描く美しい世界。童話集といっても、この『春の窓』は大人の方にこそ読んで欲しい。子どもの頃に同著者の『ハンカチの上の花畑』(あかね書房・一三〇〇円)や『風のローラースケート』(福音館文庫・六〇〇円)という本を読んで、優しい童話の世界とそこに潜む影の恐ろしさにどうしようもなく惹かれたものでした。講談社X文庫というレーベルから出ているため、残念ながら一般文庫の棚ではあまり目にすることがない本ですが、吉祥寺店では講談社文庫の棚に並べたところ、女性だけでなく、男性にも手にとって頂いています。日常に魔法をかけてくれるような優しく幻想的な物語が綴られていて、読んだ後にほわりと心が休まる短編童話集です。

 『人魚の嘆き・魔術師』
 (中公文庫・谷崎潤一郎著・四七六円)
 幻想的で蠱惑的、谷崎ならではのことば選びの秀逸さ……二篇の短編が収められていますが、一〇〇ページほどの小説の中に込められた世界は挿画も含めて芸術作品と言っても差し支えないでしょう。あらすじはそう難しくはありません。多少難解な言葉が並びますが、それもまたこの物語の美しさの一つなのだなあ、と感嘆することしきりです。特に筆者のおすすめは美しき魔術師に魅せられていく男女を描く「魔術師」。妖しく幻想的な世界にぜひ一度触れてみてください。ちなみにこの本、中井英夫が解説を書いていて解説まで楽しめます。

 『一九三四年冬―乱歩』
 (創元推理文庫・久世光彦著・八〇〇円)
 この原稿を書くにあたって谷崎の「魔術師」を読み直したのですが、そうなると乱歩が読みたくなる。乱歩の著作を紹介しようかと思いましたが、ここでは江戸川乱歩を久世光彦が描いた本を紹介させていただきます。一九三四年、「悪霊」の執筆に行き詰った乱歩は通りかかった怪しげなホテルへと身を隠し、乱歩はそこで「梔子姫」という小説の執筆を始めます。ホテルボーイの中国人美青年や推理小説愛好家の美しき夫人、怪しげな声の聞こえる隣室、現実と小説世界が奇妙に入り交る世界はまさに乱歩好みの世界。この作中作の「梔子姫」もエロティシズムと幻想が詰め込まれていて実に面白い。登場する乱歩がどこか愛らしく、久世光彦の乱歩への深い愛を感じます。ぜひとも読んでいただきたい一冊。
吉祥寺店では昨年五月に横溝正史フェアを開催しましたが、今年は五月上旬から六月中旬まで江戸川乱歩フェアを開催予定ですので、ぜひご来店ください。

『肩胛骨は翼のなごり』
 (創元推理文庫・ディヴィッド・アーモンド著・七〇〇円)
 邦題タイトルの美しさに惹かれて手に取ったこの本。その美しさを裏切らない、優しく美しい物語です。
 マイケルが引っ越してきた家のガレージには背中に翼を持つ、瀕死の青年スケリグがいた。人を拒み痩せ衰え、生きることを諦めた埃だらけのスケリグを、隣家の少女ミナと共にマイケルは受け入れ、助けようとする。スケリグの描写はグロテスクと感じることもあるかもしれませんが、それはこの物語の重要な要素でもあります。二人の子どもたちの素直さや優しさ、深い愛情。生きること、死ぬこと、愛すること、愛されること。カーネギー賞を受賞した児童文学ですが、大人が読んでも優しく温かい物語に心震わされます。子どもから大人まで本当にオススメできる本です。
・・・・つづく

2019/06/03 掲載

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