この名作にこの名文あり

フェアの名の通り、例えば『梶井基次郎全集　全一巻』の、「そうしたらあの気詰まりな丸善も粉葉みじんだろう」の一文は、多くの人の記憶に刻まれている名文で、『檸檬』という作品それ自体、時代を越えて広く愛読されている作品です。
例えば『尾崎放哉全句集』の、「こんなよい月を一人で見て寝る」の一文は、言葉が作品を離れ、ある夜の情景を想起させ、新たな物語の息吹すら感じさせる名文です。句集が名作であるということは言うまでもありません。
であるとすれば、まだ知らぬ名文を探すということは作品の精読に他ならず、作品の精読とは文を記憶するということで…というようなことを考えながら「名作＝名文」探しの旅へと出られる、ちくま文庫・学芸文庫の当フェアは、当店エスカレーター上がってすぐのフェアコーナーで開催しております。