お知らせ ジュンク堂書店 近鉄あべのハルカス店/MARUZEN近鉄あべのハルカス店(文具)
尾崎真理子『大江健三郎全小説全解説』(講談社)刊行
1957年に22歳で『奇妙な仕事』『他人の足』『死者の奢り』を書いて作家デビューして以来、およそ60年間に書かれた大江健三郎の長編30作、中・短編66作をすべて解説した『大江健三郎全小説全解説』が刊行。結末を含めたあらすじ、状況設定、当時の時代背景などの解説が可能な限り盛り込まれていて、難解とされている大江作品読解の手がかりとなる書である。「その作品はまだ読んでいないからオチまで知りたくない」などという懸念は、著者による冒頭の解説ですぐに、そんなものは「大江小説にとっては何でもない」と払拭される。そしてそれは、大江作品を一度でも読んだことのあるすべての読者の了解事項でもある。1993年より大江健三郎をインタビューし続け、講談社より刊行された『大江健三郎全小説』(全15巻、2019年に完結)の全巻の解説を担当した文芸評論家・尾崎真理子氏による本書の「全解説」には加えて、平野謙や江藤淳など時代を代表する批評家たちの仕事の援用、さらには『小説の方法』をはじめとする大江自身の言葉をも引用しており、どれほど大江作品に慣れ親しんだ読者であったとしても、読みすすめるにつれて新たな相貌が現れてくることに気付かされる。税込み3,850円、当店文芸書コーナーにて9月16日より販売開始。
2020/09/16 掲載
