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コラム

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2020年12月号

今月の特集は
『日本のアナキズム・アナーキスト』
『いま読んでほしい子どもの本』

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
気になった書籍はネットストアでご注文も可能です。
(※品切れ・絶版の書籍が掲載されている場合もございます。)

すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。





今月の特集(一部抜粋)





 『日本のアナキズム・アナーキスト』

グレーバー追悼
 2020年9月、アメリカの人類学者デヴィッド・グレーバーが亡くなった。ウォール街占領運動で一躍有名となり、来日経験もある彼が50代でこの世を去ったことは喪失でしかなく、特に大統領選の結果を見て、彼であれば「民主主義の勝利」だとは言わず、アメリカを二分するほどの分裂に目を向けたのでは無いかとも思われる。
 不勉強で恥ずかしいのだが、彼の死後にようやく『アナーキスト人類学のための断章』(高祖岩三郎訳、以文社・2200円)と『民主主義の非西洋起源について──「あいだ」の空間の民主主義』(片岡大右訳、以文社・2400円)を読んだ。それまで「アナーキスト=政府を否定する人」という単純な(そして間違った)理解を抱いていたため、個人の生き方としてのアナキズム、民主主義の限界を知りつつもそこに期待を寄せる形のアナキズムに衝撃を受け、急遽「アナーキスト」を名乗ることにした。
 私は、ヒトラーの政権掌握翌年に処刑されたドイツのアナーキスト、エーリヒ・ミューザムの顔や彼の作詞した曲が好きで、自分で彼の顔写真が大きくプリントされたTシャツ(もちろん黒色)を作ってしまったほどなのだが、ミューザムはアナキズムについて、次のような定義をしている。それは、支配されないことを指し、強制や暴力、奴隷制や法律、中央集権や国家からの解放を意味する。代わりにアナキズムが重視するのは、自発性、理解、契約、慣習、連帯、そして人々だ、と(1912年)。
 今回は、グレーバーとの「邂逅」をきっかけに新米アナーキストとなった私が実際に手に取り面白いと思った本を中心に選書した。中には、「アナーキストじゃないんじゃ?」と思われる著者・題材もあるかもしれないが、それは以上のように、自分の周囲の(あらゆる形の)権力関係に自覚的となり、自らの考えを口にしたという広義のアナキズムを含むからだ。
伊藤野枝
 日本にはたくさんのアナーキストが存在したが、今一番人気があるのは伊藤野枝なのではないか。今年9月に刊行された村山由佳『風よ あらしよ』(集英社・200円)は、そんな伊藤野枝の実像に迫った600ページ超。恋愛を謳歌し、当時の常識であった良妻賢母像を打ち壊しオムツを窓から投げ捨てる様子は、痛快。享年28歳とは思えない濃度の人生を直木賞作家の筆でぜひ追体験してほしい。
 この本の刊行のきっかけとなったのが、2016年に刊行された栗原康『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』(岩波書店・1800円)だ。関東大震災後の混乱の中、大杉栄と彼の甥とともに惨殺された彼女の墓が、福岡の今宿で今も忌み嫌われているという紹介から始まる。実は私は現在都内で、大杉と伊藤が暮らした地区に住んでいるのだが、かれらの碑などはほとんどない(いきつけの銭湯=殿上湯ぐらい)。アナーキストをめぐる史跡のあり方についても考えさせられる、しかし型破りな1冊だ。
 伊藤野枝をめぐっては、栗原氏の著作が最初ではない。まだ「晴美」名義だった頃に書かれた瀬戸内寂聴『美は乱調にあり――伊藤野枝と大杉栄』(岩波現代文庫・980円)ならびに16年の時を経て書かれた完結編『諧調は偽りなり ――伊藤野枝と大杉栄』(上下巻、岩波現代文庫・各980円)は、周囲の人たちとの交流を含めて2人の愛を描く。伊藤が、大杉の前に内縁関係となり、のちに日本におけるダダイズムの中心人物となった辻潤の著作は、現在は多くが品切れとなっている。玉川信明『放浪のダダイスト辻潤――俺は真性唯一者である』(社会評論社・4300円)は、そんな彼の知られざる波乱万丈の人生を知ることができる一冊だ。

…続く

2020/12/01 掲載

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