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フェア 開催終了 ジュンク堂書店  難波店

開催日時:2020年12月10日(木) 10:00~2021年01月31日(日) 21:00

第42回サントリー学芸賞決定!

公益財団法人サントリー文化財団(理事長 鳥井信吾)は、広く社会と文化を考える独創的で優れた研究、評論活動を、著作を通じて行った個人に対して、「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門に分けて、毎年「サントリー学芸賞」を贈呈しています。1979年の本賞創設以来、第42回(2020年度)までの受賞者は354名を数え、これらの受賞者の業績は、主題への斬新なアプローチ、従来の学問の境界領域での研究、フロンティアの開拓などの点で高く評価されています。従来、評論・研究活動を幅広く顕彰する賞は少なく、既存の枠組にとらわれない自由な評論・研究活動に光を当てることは、本賞の重要な役割となっています。
第42回の選考は、2019年1月以降に出版された日本語の著作を対象に「政治・経済」「芸術・文学」「社会・風俗」「思想・歴史」の4部門において各選考委員より優れた作品が推薦され、2回にわたる選考委員会での審議を経て、受賞者および作品が決定されました。
ジュンク堂書店難波店では、受賞作の著者、出版社に祝意を表するとともに、受賞作を広く読者に紹介したいと考え、カウンター前話題書棚に、受賞作品のコーナーを設けました。

受賞作品
小山 俊樹(こやま としき)(帝京大学文学部教授)
『五・一五事件 ―― 海軍青年将校たちの「昭和維新」』(中央公論新社)
【選評(抄録)】《田中 明彦(政策研究大学院大学学長)評》
 昭和史に関心をもつ人で五・一五事件を知らない人はいない。犬養毅首相が首相官邸で殺害され、軍国主義へと日本が突き進む転機となった大テロ事件であることは常識に属する。さらにまた、この事件を引き起こした海軍将校たちへの刑が軽かったこともよく知られており、これが後の軍部の横暴につながったという説明もよく聞くところである。
 しかし、この事件の全貌についてまとまった著作はそれほど多くない。松本清張の『昭和史発掘』に収められている『週刊文春』連載記事(1966年)や保阪正康『五・一五事件』(1974年)くらいであろうか。本書はその意味で画期的である。なぜなら、本書によってようやくこの事件がまとまった形で歴史分析の対象となったと評価されるからである。
〔思想・歴史部門〕
梅澤 礼(うめざわ あや)(富山大学人文学部准教授)
『囚人と狂気 ―― 一九世紀フランスの監獄・文学・社会』(法政大学出版局)【選評(抄録)】《宇野 重規(東京大学教授)評》
 受賞作の「あとがき」によれば、著者は八歳のとき、商業施設の抽選で特賞のヨーロッパ旅行を引き当てた。代わりに親が行くわけにも行かず、母親が自腹で同行することになったという。各地で楽しい思いをしたが、ブランド店の日本人店員が冷たく、大人たちも疲れて見えたのがフランスであった。にもかかわらず、フランスに最も心ひかれたと著者は書く。なぜなら少女を「まるで自立した一個人であるかのように、敬意を持って、対等に扱ってくれたから」だ、と。著者とフランスの関係を暗示する印象的な逸話である。
 本書は19世紀フランスにおける監獄をめぐる研究である。当然、フーコーの『監獄の誕生』を想起するわけだが、彼の時代に比べ、歴史的資料ははるかに充実している。受賞者は特に、監獄改革をめぐる政治的・社会的言説を渉猟すると同時に、文学作品の分析によって、囚人や監獄の様子が同時代人の眼にいかに表象されたのかを探る。
志村 真幸(しむら まさき)(南方熊楠顕彰会理事、慶應義塾大学非常勤講師)
『南方熊楠のロンドン ―― 国際学術雑誌と近代科学の進歩』(慶應義塾大学出版会)
【選評(抄録)】《奥本 大三郎(埼玉大学名誉教授)評》
 南方熊楠は英雄伝説に包まれていた。曰く、キューバで独立戦争に参加して胸に銃弾を受けた・・・ロンドンの中国公使館に拉致された孫文を救い出した・・・日本人でありながら、請われて大英博物館の館員になった云々。こうした伝説の類には、熊楠自身が広めたものもあるというから、始末が悪い。
 南方熊楠は、英国の雑誌「ネイチャー」に51篇、「ノーツ・アンド・クエリーズ」に324篇の論文を投稿しているのだが、本書は、ヴィクトリア朝のロンドンという、場所と状況の中で書いた熊楠の英語論文の解読である。それまでのように、いわば外部から、だけではなく、内部からも熊楠に迫った研究といえばよいか。その結果未だかつてなかったような、等身大の熊楠像を描くことに成功していると思われる。何よりも、わかりやすく、ふっと腑に落ちる気がする箇所が多い。


〔芸術・文学部門〕
李 賢晙(い ひょんじゅん)(小樽商科大学言語センター准教授)
『「東洋」を踊る崔承喜(チェ・スンヒ)』(勉誠出版)
【選評(抄録)】《沼野 充義(名古屋外国語大学副学長)評》
 崔承喜(1911-69)といっても、いまでは知る人は少なくなったかもしれない。しかし、戦前の日本では帝国日本を代表する朝鮮出身の舞踊家として一世を風靡し、日本語読みされたサイショウキという名前は全国にとどろき渡っただけでなく、世界での公演旅行を通じて国際的にも高く評価された。本書はその崔承喜が日本で活躍した1926年から45年の期間に焦点を当て、膨大な資料を掘り起こしてまとめた労作である。
詫摩 佳代(たくま かよ)(東京都立大学法学部教授)
『人類と病 ―― 国際政治から見る感染症と健康格差』(中央公論新社)
【選評(抄録)】《牧原 出(東京大学教授)評》
新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、現在、人類は感染症の怖さをまざまざと感じている。緊急事態宣言のさなか、おそるおそる開いてみたウェブサイトでは、天然痘、ペスト、ジフテリアに感染すると人間の体はどうなるかという写真を掲載していた。当然のことながら、見たこともない激烈な身体の異変である。現代日本の私たちは、こうした病気といかに縁遠くなったことだろうか。
 だが私たちは、これらの病名を知識として知っている。感染の現実と病気への知識との間を結びつけるものが、医学と公衆衛生の発展であり、さらにそれらを記録する書き手である。
 本書は、現代日本の外交史家が、国際政治史の視座でこの問題に取り組んだ最良の入門書である。そこでは、感染症対策という課題と健康増進という課題とが、重なり合いつつも独自の二つの争点を持つ楕円構造として、描かれる。いずれも人類の歴史に深く根ざした問題である。
〔社会・風俗部門〕
伊藤 亜紗(いとう あさ)(東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター准教授)
『記憶する体』(春秋社)を中心として
【選評(抄録)】《袴田 茂樹(青山学院大学名誉教授、新潟県立大学名誉教授)評。》
 伊藤氏のユニークさは、東大院で美学・芸術を専攻して博士号を取り、専門は美学、現代アートとしながら、「身体論の専門家」を自称し、どもりとか身障者に関するものや、盲人の世界観やアスリートの身体論等を著していることだ。またヴァレリーの芸術哲学とか、近著ではバフチンのラブレー論における「カーニバル的」中世社会論にも言及しているが、それらも身体論からアプローチしている。本賞は、『記憶する体』をはじめとする彼女の一連の著書(『どもる体』『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』等)に対して与えられる。
 『記憶する体』を読んで最も強く感じることは、義肢とか幻肢など障害者の身体論をテーマとしながらも、単なる医学的、身体的な視点ではなく、生の意味やアイデンティティが関心の的になっていることだ。その象徴が、何人かの吃音障害者に、ある薬で吃音が全快する場合、薬を飲むかと尋ねると、全員がNoと答えたとの報告だ。障害者にとって、それとの格闘こそが、生きる意味と不可分なのである。伊藤氏の自信を示しているのが、「本書がいつか考古学的資料として、賢者たちの知恵の書として読まれたい」との言葉だ。著者のどの本にも滲んでいるのは、それぞれの問題について、徹底的に考え抜いたという自信である。それが、どの著書を読んでも読み易い理由だろう。自信のない者ほど、持って回った難解な表現をしたがるものだ。
〔政治・経済部門〕
酒井 正(さかい ただし)(法政大学経済学部教授)
『日本のセーフティーネット格差 ―― 労働市場の変容と社会保険』(慶應義塾大学出版会)
【選評(抄録)】《大竹 文雄(大阪大学教授)評》
 日本は「国民皆保険」の国である。すべての人が公的医療保険や公的年金に加入していることになっている。正確に言うと、加入する義務を負っている。しかし、国民健康保険では2割の人が保険料を未納しているし、国民年金では3割近くの未納月数がある。原因は、非正規雇用の増加である。本来セーフティーネットが必要な雇用が不安定な人のセーフティーネットがなくなっている。一方で、雇用が安定している正規社員で勤続年数が長い人には手厚いセーフティーネットがある。これが本書のタイトルになっている「セーフティーネット格差」である。
 非正規雇用者はなぜ国民皆保険から漏れ出てしまうのだろうか。日本の社会保険が正社員を対象としたものと自営業を対象としたものから成り立ってきたという歴史的背景が原因の一つである。自営業や非正規の人は、国民健康保険と国民年金に加入することが義務付けられている。著者たちの研究結果によれば、非正規の未納率が高いのは、所得が低いことが主要な理由である。国民年金や国民健康保険の保険料が逆進的だからである。国民年金や国民健康保険は定額となっている部分が大きいので、低所得の人ほど社会保険料負担率が高いという逆進性が生じている。
〔芸術・文学部門〕
中嶋 泉(なかじま いずみ)(大阪大学大学院文学研究科准教授)
『アンチ・アクション ―― 日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ)
*品切れにつき、展示しておりません。



2020/12/23 掲載

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