フェア 開催終了 ジュンク堂書店 三宮店
開催日時:2021年03月16日(火)~2021年05月02日(日)
【超話題作】『人新世の資本論』刊行記念「人新世の危機を考える40冊」フェア【斎藤幸平氏厳選】
話題の新書『人新世の資本論』をものされた気鋭の哲学者・経済学者の斎藤幸平さんによる厳選選書フェアを、当店5階エレベーター横フェアコーナーにて絶賛開催中です。温暖化や異常気象などによりこのままでは人が住めない世界になってしまう。。。自覚はあるが一体わたしたちになにができるのか?それを考えるための作品が並びます。『人新世の資本論』を読んで危機感をお持ちの方はぜひとも足をお運びください。
〇『人新世の「資本論」』の刊行にあたって 斎藤幸平
「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像する方が簡単である。」
ソ連が崩壊し、人々は資本主義以外の社会を想像することができなくなった状況を、かつて米国の批評家フレデリック・ジェイムソンはこのように嘆いた。新自由主義が世界を席巻し、資本主義のグローバル化が唯一の選択肢であるかのように見えたのである。そう、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」である。
だが、「歴史」は終わっていなかった。世界を襲った新型コロナウイルスのパンデミックは、小さな政府、緊縮、自己責任をいった政策が、危機の瞬間には破壊的な影響をもたらすことを明らかにした。資本主義は世界を切り開いて、自然を破壊しながら、あらゆるものを商品化していく。だが、その結果として生じる危機に対しては、責任を取らず、人々に「自粛」・「自衛」を迫ることしかしなかった。
実は、資本主義が引き起こしている同様の危機が、もう一つある。それが気候変動だ。グローバル資本主義が世界を覆った結果、かつてないほどの二酸化炭素が排出され、急速な気候変動を引き起こしている。
今後、十年のうちに極めて深刻な影響が世界的に現れてくることは間違いない。その被害はコロナ禍とは比較にならないほど甚大なものになるだろう。ところが、人類の「歴史の終わり」に直面するような破局にむかって突き進んでいることがわかっているにもかかわらず、先延ばし以外の対策は取られていない。
もちろん、そのような無責任なシステムに対する怒りの声が、いま世界中であがるようになっている。グレタ・トゥーンベリがそうだ。バーニー・サンダースやジェレミー・コービンも、若者たちの絶大な支持を獲得した。
そして、大きな文明的危機に直面するなかで、ベーシックインカム、MMT、グリーン・ニューディールなど、これまでは、現実味がない、空想的な対策だと思われていた政策が真剣に検討されるようになっている。
2021/03/17 掲載
