コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2022年4月号
今月の特集は
『精神と自然 ──ベイトソンとその射程』
『新人賞受賞作品を読む』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。


今月の特集(一部抜粋)
『精神と自然 ──ベイトソンとその射程』
グレゴリー・ベイトソン『精神と自然』が売れています。お正月明けに発売して、すぐに増刷。なかでもMARUZEN & ジュンク堂グループのお店でよく売れているようですよ。
グレゴリー・ベイトソン/佐藤良明訳『精神と自然──生きた世界の認識論』(岩波文庫・1,243円)
さらにベイトソンの主著と言える論文集『Steps to an Ecology of Mind』(旧訳書タイトル『精神の生態学』)も『精神の生態学へ』として、岩波文庫から近刊とのことです。
ベイトソン(1,904-1,980)は1960年代の終わりにカウンターカルチャーのヒーローとして注目された思想家。『精神と自然』の原著は1979年刊です。この、時ならぬベイトソン・ブームは何なのでしょう?
40年前、筆者は旧訳『精神と自然』(1982)を読みましたが、難しくてよくわかりませんでした。いまや文豪ピンチョンと詩聖ディランの名訳者として知られる佐藤良明さんの初めての翻訳書だったというこの本は、その後改訳版が出て、今回の文庫版でもさらに改訳が施されています。……易しくなった? いやいや。
とはいえ、ベイトソンの問題意識は明快です。
「イントロダクション」で「生物進化と人間集団とを同時に特徴づける単一の知のプロセスが存在する」と宣言。「人間を特別な存在として囲いこんでいる境界線」を超えると「知と思考をつかさどるマインド(精神)に思考する人間の外側にある自然界が映し出されている」と語ります。精神と自然をパラレルに捉える、壮大な構想です。
そして、この本のテーマ(方法論?)は「生きとし生けるものすべてを結び合わせる(つながり合う)パターン」だと、ベイトソンは述べます。……ここからが難しいかも。
ベイトソン入門書がほしいところですが、これが思いのほか少ない。その中で、科学史・文化史家モリス・バーマンの『デカルトからベイトソンへ』はおすすめです。
…続く
2022/04/01 掲載
