サイト内検索

詳細
検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、年齢認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. 電子書籍ストア hontoトップ
  2. 店舗情報
  3. 店舗ニュース一覧
  4. 丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2023年5月号

コラム

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2023年5月号

今月の特集は
『日本の近代を可視化する旅』
『短歌っておもしろい! 31文字の世界』

丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
気になった書籍はネットストアでご注文も可能です。
(※品切れ・絶版の書籍が掲載されている場合もございます。)

すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。





今月の特集(一部抜粋)





 『日本の近代を可視化する旅』

 ユーラシア大陸の西と東、という違いはありますが、ロシアによるウクライナ侵略が始まったとき、ふと脳裏をよぎったのは日本の大陸・南方進出の歴史でした。独善的な大国主義を振りかざすロシアのみならず、一党独裁の下で地域覇権への意欲を隠さない中国や国連決議を無視してミサイル発射を繰り返す北朝鮮を、現代の価値基準に基づいて批判することは容易でしょう。しかし既存の世界秩序への挑戦という位相で眺めたとき、それは十九世紀の最後半に遅れて登場した帝国主義国家・日本の心理とどこかで通底するのではないか、との疑念を想起させたのです。
 政治学者の三谷太一郎さんは『日本の近代とは何であったか』(岩波新書・1,034円)のなかで、「政党政治」「資本主義」「天皇制」と並べて「植民地」に一章を割いています。アジア・太平洋戦争の敗戦によってすべての植民地を失った日本では、その経営が近代化過程における重要な論点だったことも忘却されているだけに印象的な構成です。
 日本の近代化と海外進出には長い前史があり、とりわけ南洋進出の歴史を望見するには矢野暢さんの『「南進」の系譜』(千倉書房・5,500円)を挙げないわけにはいきません。海外雄飛という言葉が、世界に開かれ始めた日本においてどれほど魅力に満ちた輝きを放っていたか想像することは、今や困難ですが、無辜の民から始まった南方関与すなわち「南進」は、経済的次いで政治的理由から急速に拡大します。驚くほど無邪気な進出は時を経て、やがて虚妄に満ちた「大東亜共栄圏」へと変質していくのです。
 中国大陸に眼を向ければ、平山周吉さんの『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社・3,850円)があらわにする混沌こそ、その様子を端的に示したものと言えるでしょう。関係者たちが残した膨大な記録・証言を編み上げた同書は、松岡洋右、石橋湛山などの有名人から小坂正則、難波経一といった無名人まで三十人以上の人物を切り口に、近代日本の「フロンティア」の姿を浮かび上がらせようとしますが、それぞれ独自の視座(言い分?)を持つ軍人、作家、政治家、経済人、学者、俳優、官僚らによる物語は、容易に明瞭な全体像を結ぼうとせず、むしろそれこそが満洲の実態であったことを再認識させます。
 日本の近代化は、植民地の獲得と経営をまったく念頭に置かない大日本帝国憲法の下で進展しました。故に近代化の完成にともなって日本人の間に蔓延した大国意識は、様々な矛盾や葛藤を肥大させてしまいます。なぜ多くの日本人が大陸に雄飛することを望んだのか、そこはなぜ日本の「生命線」となったのか。錯綜する現実を整理し、それらの謎に解を導くには、フィクションの力を借りることも有効そうです。『満州国グランドホテル』の装画を描いたイラストレーター・漫画家の安彦良和さんは、『虹色のトロツキー』全八巻(中公文庫・692~792円)において、日本人と満州人のハーフである主人公ウムボルトが、日本・朝鮮・満洲・蒙古・漢という五族の協和を謳った満洲の建国大学に編入し、両親の死の謎と自身のアイデンティティを求めて謀略の渦巻く彼の地で時代に翻弄される姿を活写しました。

…続く

2023/05/01 掲載

本の通販連携サービス

このページの先頭へ

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。