コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2023年10月号
今月の特集は
『古くて実は新しい、不滅の女子パワー! 《魔女》』
『中公文庫で読む時代の証言 当事者たちのアジア太平洋戦争』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。


今月の特集(一部抜粋)
『古くて実は新しい、不滅の女子パワー! 《魔女》』
トリック・オア・トリート(お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ)!
日本で「十月といえばハロウィン」という理解が広がった理由には諸説があるけれども、1997年にディズニーランドがハロウィンイベントを開始し、2000年代後半に大手企業がハロウィン用のお菓子を作り出してからという説が有力であるらしい。30代後半の私からすると、つい最新の出来事だ。そんないっときの流行にも思えるハロウィンは、実際には紀元前のケルト文化に端を発している長い伝統でもあり、現在においても宗教的な意味合いからくる神妙さをどこかに残しつつも、老若男女に楽しまれている。
そのように一般的に楽しまれているハロウィンで、代表的な仮装の一つが「魔女」であることに疑いはない。しかし実際には、数百年にわたって何万人もの主に女性たちが、魔女と名指されて殺害されてきたという暗い歴史も存在する。つまり、人々が無邪気に魔女の仮装を楽しめるようになるまでには、大きな社会の変化があったのだ。
さらに2010年代後半からは、「魔女は超フェミニストだった?」(2017年、ガーディアン紙)、「いかにして魔女は民話からフェミニストアイコンになったか」(2022年、FOX)など、魔女の今日性を問う議論が多数登場し、学術論文や小説などのテーマとされてきた。来年には、「オズの魔法使い」を大胆に再解釈したミュージカル「ウィキッド」の映画版も公開される予定だ。
現在、魔女は、上記のようにフェミニズムの観点から、さらに独自のライフスタイルのエシカル性からも注目を集めている。魔女について知りたい方向けの入門書から、最新の文学まで。大人もこどもも、魔女の本に囲まれたハロウィン月間をお過ごしください。
魔女についての入門書
魔女文化に興味を持った方が、初めて手にとるのに適した、美しい本を紹介したい。
『ちいさな手のひら事典 魔女』(グラフィック社・ドミニク・フゥフェル著・いぶきけい訳・1,650円)は、魔女と魔法や悪魔との関わり、歴史を動かした魔女のエピソードを網羅して掲載している。最初の一冊におすすめだ。
さらに魔女に欠かせないのは黒猫だ。『月夜の黒猫事典 知られざる歴史とエピソード』(グラフィック社・ナタリー・セメニーク著・柴田里芽訳・1,980円)は、あるときは不幸の前兆と畏れられ、あるときは幸運のマスコットとして愛されてきた、黒猫にまつわる謎と迷信を解き明かす。
『魔女図鑑 魔女になるための11のレッスン』(金の星社・マルカム・バード作/絵・岡部史訳・2,486円)は、児童書とあなどるなかれ。魔女のファッションから、空とぶほうきのつくり方、魔女のレシピやおまじないまでがユニークなイラストとともに紹介されている。
…続く
2023/10/02 掲載
