コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2023年12月号
今月の特集は
『ドンキ? DONKI? 鈍器! ――鈍器本精選』
『あの映画を活字で ~映画原作フェア~』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。


今月の特集(一部抜粋)
『ドンキ? DONKI? 鈍器! ――鈍器本精選』
鈍器本=鈍器のように分厚くて重い本。読書猿『独学大全』(2020年9月刊・ダイヤモンド社)七八八頁のヒットなどをきっかけに、2021年ごろからよく使われるようになった言葉。実際にそういう本がよく売れるようになりました。新型コロナで読書の時間ができ、おうちで学ぼうという人が増えたから、などとも言われますが、真相は不明。
そもそもネットや薄い本で読める「知」には限りがあります。本来、たやすくは読めない「分厚さ」は必要なのです。
「重さ」が価値になる時代。最近CDよりも人気があるアナログ・レコードも、材料の塩化ビニルが約120グラムの通常盤より、約180グラムの重量盤が人気。重量盤は通常盤よりも回転が安定し、再生クオリティが向上するというのです。
情報が重量を持たず飛び交う現在、「重力への反動」が起こっているのでしょうか。
重ければいいわけではないですが、それだけの言葉を費やさなければ表現できないことがあります。物質としての言葉、その「重み」を体感できる本。
愛書家流鈍器本セレクションを、とくと御覧あれ。
『〈アメリカ映画史〉再構築――社会派ドキュメンタリーからブロックバスターまで』(作品社・遠山純生著・6,930円)
1010グラム/724頁。
写真・テレビ等隣接分野に目を配り、撮影機材や編集等の技術的変化を踏まえ、記録映画・実験映画・劇映画を同列に置いて人的交流や表現の境界線を論じ、ハリウッド中心主義とは全く違うパースペクティブを創出する。かつて誰も語り得なかったアメリカ映画の真の姿。芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞作!
『ヘンリー・カウ――世界とは問題である』
(月曜社・ベンジャミン・ピケット著・須川宗純訳・6,600円)
770グラム/576頁。
ロックを限界まで押し上げた英国のバンド、ヘンリー・カウ。その結成から解散までを、メンバーやスタッフへの九十本のインタヴュー、手紙、ノート、楽譜、日記、議事録などをもとにたどる決定版バイオグラフィー。世界を変えるアヴァンギャルドの予測不能な潜在力を証明し、美学史や文化研究に再考を迫る労作。訳者も「鈍器本」と自嘲する(うそぶく?)真正鈍器本。
『北米探偵小説論21』(インスクリプト・野崎六助著・9,680円)
1250グラム/1232頁。
…続く
2023/12/01 掲載
