コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2024年3月号
今月の特集は
『米国よ、君はいずこへ ――中山俊宏さんを偲びつつ――』
『〇〇を好きになったきっかけの本』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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今月の特集(一部抜粋)
『米国よ、君はいずこへ ――中山俊宏さんを偲びつつ――』
2024年は、近年まれに見る選挙イヤーです。台湾を皮切りにインドネシア、ロシア、メキシコ、米国が総統・大統領選を迎え、韓国、インド、EUでは国や地域の舵取りに影響を与えるであろう国政選挙が行われます。
なかでも国際社会の趨勢を大きく左右する可能性が高いのが、現在予備選まっただ中の米国大統領選挙です。しかし、来年2月、大統領として宣誓をおこなっているのは、おそらくドナルド・トランプ、その人でしょう。メディアでは「もしトラ」が大流行。返り咲きが見えてきた以上、もしトランプ氏が大統領に再選されたら米国は……と考えをめぐらせておくことは、前回の政権に散々振りまわされた同盟国日本として必要不可欠な思考実験と言えます。
まず、そもそも米国という国がなぜ自由民主主義・大統領制を奉じ、合衆国という現在の形に収まったのかという点を、今一度整理してみたいところです。この作業には、西山隆行さんの『アメリカ政治講義』(ちくま新書・902円)と岡山裕さんの『アメリカの政党政治』(中公新書・968円)という素晴らしい道連れがいます。いずれも歴史と制度とその背景にある文化の問題にも筆が及んでおり、とくに日本とはまったく実態が異なる、米国の「政党」についての解説は熟読をお願いしたいところです。政党といっても自民党くらいしか具体的なイメージを持たない日本人が、共和党や民主党のありかたをどれほど誤解しているか。そのことが米国政治の見方をゆがめている可能性に驚くことでしょう。
続いて、米国の大統領には一体何が出来て何が出来ないのか、大統領による統治とはどのように動作するのか、確認しなくてはいけません。久保文明さんたちのまとめた『アメリカ大統領の権限とその限界』(日本評論社・2,970円)は、憲法における規定から実際の大統領の政務にまで注意深く目配りしながら、建国以来、大統領権限がどのような問題に直面し、どのように変化し、どのように行使されてきたのかを、パリ協定離脱といったトランプ氏の所業をはじめとする数々の事例と共に教えてくれる、読み物としても面白い一書です。
…続く
2024/03/01 掲載
