コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2025年1月号
今月の特集は
『2024年に出会った永久保存本』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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今月の特集(一部抜粋)
『2024年に出会った永久保存本』
一年を振り返ったとき、ああ、この本に出会ってよかったなと思える一冊があります。文学作品においても、学術書においても、図鑑やガイドブックにおいても、決定版と言われるものはありますが、そういうものとは別に、個人的な永久保存版の本というものがあるのではないでしょうか。
そこで、愛書家の楽園住人にそれぞれ永久保存とすべき本との出会いを挙げてもらうことにしました。
もちろん、その年に出版された本が多くなるとは思いますが、出版年度は問いませんでした。なぜなら、読書は極めて私的な行為ですから、その人にとっては、出会った時こそ、その本が世に現れた時となるからです。
そういう意味では、ハン・ガンや谷川俊太郎は、誰にとってもこの一年の出来事ととらえることができかもしれません。
また、2023年末に出版された本も、この一年に含めてもいいとすれば、それ以前に出版された本で挙がったのは、四冊だけであり、そのどれもが格別な出会いだったに違いありません。
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辻惟雄『最後に、絵を語る。――奇想の美術史家の特別講義』(集英社・2,530円)
1970年刊の『奇想の系譜』で又兵衛、若冲、蕭白、蘆雪らを取り上げ、日本美術の人気序列を変えてしまった著者が、90歳を過ぎてやまと絵、狩野派、円山応挙(正統の系譜!)について語る。美術に造詣の深い担当編集者の手際のよい聞き役ぶり、100点以上収録された図版もあいまって、わかりやすく、深く理解できる。
三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書・1,100円)
既に評価を受けた本だが、やはり画期的。そもそも明治維新以後『学問のすゝめ』や『西国立志編』が大ベストセラーになったことからも、読書は労働の価値観を流布する機能を担っていた。読書と労働観の変化を追ってゆく記述は実にスリリング。「すぐに答えが書いてない」という批判は、まさにこの本の正しさを証明している。
…続く
2025/01/01 掲載
