コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2025年3月号
今月の特集は
『「もやもや」から考える』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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今月の特集(一部抜粋)
『「もやもや」から考える』
「もやもや」を扱った本を集めてみた。きっかけは、たまたま私が担当しているPR誌の連載で『アイヌもやもや』(北原モコットゥナシ著/田房永子漫画・303 BOOKS・1,760円)という本を取り上げことだった。絶妙なタイトルだ、と思い、読んでますます、その思いを強くした。でも、あらためて考えてみると、「もやもや」って何? ともやもやが広がる。
こういうときは辞書だ、と思って、広辞苑(第三版)を引いてみた。
①(疑問・推量の助詞モ・ヤを重ねた語から)分明でないさま。不確実なさま。朦朧。②思いわずらって心のむすぼれるさま。以下、③色情、④草などの茂り、⑤湯気や煙、と続き、⑥わだかまり。ごたごた。もめごと。
『アイヌもやもや』は、アイヌ民族の血を引く主人公が、結婚相手の家族から投げかけられた言葉に端を発するコミック・エッセイだ。アイヌを貶めるのではなくむしろ好意を示そうとした言動に「もやもや」。アイヌ差別が「分明ではない」ために、「思いわずらって」、「わだかまり」すら感じる、そんな内容だった。なるほど。
はっきりしない、でも気になってしょうがない、それが「もやもや」。だとすると、すべて「考える」ことのもとは、こうした「もやもや」ではないか。「もやもや」としか言えない何か。それが何なのか、どうして気になるのか、どうしたらいいのか、を扱った本。
探してみると結構あった。
まずは、いろんな個別のもやもや本。
栗田隆子著『ぼそぼそ声のフェミニズム』(作品社・1,980円)は、「分明でない」ために、なかったことにされがちなフェミまわりのさまざまな課題を、まずはつぶやいてみよう、というもの。もやもやは、ぼそぼそ語られるものなのだ。
…続く
2025/03/01 掲載
