コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2025年4月号
今月の特集は
『哲学者、この愛すべき人びと』
『読書で味わう学校生活』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページを一部ご紹介致します。
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今月の特集(一部抜粋)
『哲学者、この愛すべき人びと』
書店の棚を見ると、数多くの哲学書が並んでいます。現在にかぎらず、日本が近代化を始めた当初から、翻訳も含め実に多様な書物が刊行されてきました。欧米の哲学書の翻訳によって、抽象的な概念を表わす新たな日本語が生まれ、そのことが追いかけて近代化をめざす中国の学術的な言葉にも影響を与えたのは多くの方々が知るところでしょう。また西田幾多郎の『善の研究』のように、ベストセラーとなって人びとを魅了し、現代に至るまで強い影響力を与えるものも日本では少なくありません。
そんな著作や言葉を生む哲学者はいったいどんな人たちなのでしょうか。私個人は、哲学者とは、私たちがこれまで気がつかなかった、そして当たり前のこととして見過ごしてきたようなもののなかにある重要問題を抉り出し、それを抽象度の高い言葉を高度に駆使することによって、普遍的な課題として昇華させ提示してくれる人たち、だと考えています。ですから、古代ギリシアの「哲人」たちを見るまでもなく、そうした人たちは、必ずしも大学で「哲学」を学び・教えている人とはかぎらない。
そんな哲学者たちについて、古くから人びとは多くの関心を持ってきました。それはなぜなのでしょうか。彼/彼女たちが語った/書き残したことだけでなく、その語り/書いた人そのものに惹かれ、その人たちの行動や人生そのものを描こうとする書物もつくられる。
今月の「愛書家の楽園」では、そうした哲学者たちについて書かれた書物を読んで、いったいどんなことが見えてくるのか、考えてみたいと思います。
まずは、本当に古くから哲学者について多くの人たちが関心をもっていたんだなということを証明してくれる書物からご紹介いたしましょう。ディオゲネス・ラエルティオス著/加来彰俊訳『ギリシア哲学者列伝』(上・中・下、岩波文庫・各1,276円)です。目次をみると、タレスから始まって総勢約90人の哲学者の名前が並びます。ソクラテスやプラトン、アリストテレス、ピュタゴラス……といったお馴染みの人たちが登場します。それぞれの出自や人物像、功績、評価などが、当時のいろんな文献も参照しながらそれぞれ詳しく書かれています。
…続く
2025/04/01 掲載
