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ジュンク堂 書店員レビュー一覧

ジュンク堂 書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|ロフト名古屋店

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 川上和人 (著)

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

さあ行こう、絶海の孤島へ

著者はいろんなところを飛び回っている鳥類学者川上和人先生。
今回の向かった調査場所は小笠原諸島。
島に住むメグロの調査、海鳥の桁外れの飛翔力、島での生活など、調査時の体験談が本書のメインだ。
中には「最近ウグイスが気にくわない」といった小見出しもあったりする。
クマに遭遇したら死んだフリをしろ、とよく言うが、鳥類にもこれ動きが見られる。
光沢のある黒一色のカラスが、ほかの動物から血を吸うという行動をする。
と、上記以外にも数多くの体験談が綴られている。
さらに本書には、体験談の合間にユーモアなコメントが書かれていることだ。
冒頭の5行では、調査に向けての意気込みなどではなく、梅干しを禁止にする、酢豚からパイナップルをなくすなど、フルーツを熱心に語っている。
こういったユーモアがところどころに出てくるので、小さく笑ってしまう1冊かもしれない。

理工書担当 中山

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

人工知能の核心 (生活人新書)羽生 善治 (著)

人工知能の核心(生活人新書)

羽生善治が視る、人工知能の最前線と未来

本書は2016年5月に放送され、第58回科学技術映像祭・文部科学大臣賞を受賞した、NHKスペシャル『天使か悪魔か——羽生善治 人工知能を探る』での取材をもとに、羽生善治が自ら書き下ろたものだ。その内容は単なる番組の文章化ではなく、それをもとにさらに深く踏み込んだものとなっている。取材を通じて羽生が感じたこと、考えたことが細かに描写されており、その語り口は読者の目を意識したものであり、非常に分かりやすい。

第一章は、「アルファ碁」の開発者である、ディープマインド社のデミス・ハサビス氏との対話をもとに、現在の人工知能の能力と開発環境について書かれている。
囲碁界のトップ棋士の一人であるイ・セドルが、「アルファ碁」に1勝4敗で敗れたというニュースは、2016年3月当時の囲碁・将棋界を震撼させたが、本書における羽生・ハサビスの対話が行われたのは、なんとその1か月前である2016年2月のこと。直前に取材していたはずの羽生善治でさえも予想外であった、イ・セドルの敗北。その結果を生み出した要因の一つである「ディープラーニング」についての解説は、非常に興味深いものであった。

第二章・第三章は、人間と人工知能・ロボットの違いをテーマにしている。
第二章では、人間にあって人工知能にないものとして、「美意識」という観念が挙げられている。将棋を例に、経験から「形の良し悪し」を直観的に処理する人間と、計算で「一手の良し悪し」を判断する人工知能。その思考プロセスの違いについて記されている。
第三章に登場するのは、ソフトバンク社が開発している「pepper(ペッパー)」を初めとするロボットだ。これまでは将棋や囲碁の盤面という「二次元での思考」であったものが、「三次元での活動」に切り替わってくると、途端に状況は変わってくる。実際に単独で行動させるとなると、人間の五感に相当するモノに加えて感情や倫理観を理解させなければならないからだ。ロボットには接待が出来るのか、ロボットは人に寄り添うことは出来るのかといったテーマを切り口に、人工知能を搭載したロボットの現状が解説されている。

第四章では、現在の人工知能開発現場での課題である「汎用性」、これまでの章でも度々語られてきたいわゆる「なんでもできる」人工知能についてより踏み込んでいる。
現状の人工知能というのは、おおよそ何かの分野に特化しているモノであり、他の分野に対しての応用をほとんど行えない。つまりここでいう「汎用性」というのは、パソコンのOSのように、一つのプログラム(人工知能)で様々な作業を、自律的に行えるようにするということだ。「フレーム問題」に見る判断力、「チューリングテスト」に見る言語など、現在の人工知能の問題点が深く説明されている。

最終章である第五章は、人類と人工知能の未来の話だ。羽生善治が取材を通じて感じ、考えたことがまとめられている。
私たち人類は、人工知能と共存共栄するために、急速に発達している人工知能をどう活用すればいいのか。また、どのように付き合っていけばいいのか。羽生善治なりの結論を知ることが出来る。

本書で一貫して描かれているのが、人間と人工知能の対比である。人間に出来て人工知能に出来ないこと、その差が少なくなれば人工知能はより人間に近づき、人工知能にしか出来ないことを人間が出来るようになる未来が訪れるかもしれない。ついに現役の名人が人工知能に敗れ、追いつめられた将棋界。そのトップ棋士の一人が感じているのが、失望ではなく希望であるというのは、非常にすばらしいことだと思える。

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

桜疎水 大石直紀 (著)

桜疎水

短編集はお好きですか?

長い話を読む気力はないけれど、なにか読みたい、短い話がいい。
でも読んだ後の満足感は欲しい。
そんな欲張りな気持ちの時におすすめしたい一冊。
京都を舞台に六つの短編が描かれる『桜疎水』

「おばあちゃんは詐欺師だった。」という衝撃的な一文からはじまる「おばあちゃんといっしょ」
いいように作者に翻弄されてしまいます。
詐欺師が登場する物語は、現実世界で被害者がいるような犯罪が描かれているとなかなか楽しめないのですが、読後のなんと爽やかなこと。
おばあちゃんの憎めないずうずうしさとかわいらしさが印象的です。

表題の桜疎水が登場する「二十年目の桜疎水」は二十年という歳月を経て、向き合うかつての恋人たちの物語。
桜舞う疎水道で交わされるふたりの約束は、切なさと優しさがあふれていて胸がいっぱいになります。

どの短編も読み終えた後に、嫌な後味がないものばかり。どれを選ぶも自由です。まずはお一つ読んでみてはいかがですか?

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

突撃ビューティフル (廣済堂文庫)ヒキタ クニオ (著)

突撃ビューティフル(廣済堂文庫)

突撃してしまうその心

受付には人形にしかみえない人工的な美しさを持つ女の子が鎮座し、裸足でホットパンツを履いた短髪の看護師が患者を迎え、診察室には銀髪をきれいに撫で付け、品のあるスーツを着こなした医者が待つ。
こんなに強烈なキャラクターがそろっており、テーマは「美容整形」とくれば、正直なところ、どんなゴシップ的な内容だろうかと身構えていたのに、一話読むたびに、泣きたくなるような、優しい気持ちでいっぱいになった。
綺麗になりたい。とにかく綺麗になりたい。
綺麗になりさえすれば、きっと私の人生はすべて良い方向へと動き出す。
その姿はまさに猪突猛進、突撃ビューティフルだ。
そしてそんな気持ちは、実は大なり小なり、多くの人がひそかに抱えている想いではないだろうか。
どうして綺麗になりたいのか、どうしてそういう気持ちになったのか、前をむいて生きていくにはどうすればよいのか。
自分ですら見えなくなっていた気持ちを個性豊かな彼らはがっしりと受け止める。そこでようやく、突撃ビューティフルは一度、立ち止まることができるのかもしれない。

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|ロフト名古屋店

中動態の世界 意志と責任の考古学 國分 功一郎 (著)

中動態の世界 意志と責任の考古学

自発でも強制でもない、真の「自由」を求めて

「中動態」はどういうものなのか。
そもそも聞きなれない言葉である。
中動態は、能動態と受動態というような形態を表す言葉と定義されているが、著者である國分氏はそう簡単には片づけられない深い概念があるというのである。中動態という形態は、実は、万学の祖といわれる古代ギリシャ哲学者のアリストテレスの時代から、すでに存在していたのいうのである。國分氏は、中動態が存在するラテン語で著されたスピノザ『エチカ』に着目して、その概念を追求していくのである。國分氏の指摘によって、我々の何気ない行為は、能動態でも受動態でもない中動態そのものであることに気づかされるのである。そして、そのことは自分のあり方や、人とのコミュニケーションを見直すきっかけになるはずである。今回この内容について、医学書院から出版されたことは非常に興味深く、中動態という概念を知ることで、精神医学の観点から切り拓いていく可能性を探っているのである。中動態の世界に生きているのならば、我々は、やはり複雑で曖昧で、難しい生き物であると痛感すると同時に、決して失くしてはいけない「自由」を追求すべきだと確信するのである。

医学書担当 辻

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|ロフト名古屋店

精神科病院で人生を終えるということ その死に誰が寄り添うか 東 徹 (著)

精神科病院で人生を終えるということ その死に誰が寄り添うか

死を希望に変えるために

「看取り」に関する本が多く出版されているが、近年よく目にするのは「在宅での看取り」を解説したもの。
しかし、人生を終える最期の場所が精神科病院である、という人が存在することを忘れてはならない。

精神科病院の身体合併症病棟へは、精神疾患を合併した身体治療が必要な患者が入院する。
精神科の中でも少し特殊といわれるこの病棟に従事する若手医師が、本書の語り手だ。
実際に出会った患者の症例をもとにしたエピソードが、柔らかい語り口で紹介される。
表に出ない精神科の実態を明らかにし精神疾患に対する誤解や差別を解消したいという著者の想いが、そこからは感じ取れる。

また、各章の中には医療関係者の治療の参考にもなる記述もみられる。
例えば、患者自身での判断が必要な場面へどのように対応するかという点。
病棟の患者は精神症状があり、癌や胃瘻造設等の延命治療法の選択などが自身で判断し難い。
家族や周囲の人間との関係が複雑である患者も存在するため、治療方針の決定は容易いものではない。
さまざまな精神症状のため一般病棟では治療が困難とされる患者に寄り添い、生死を見つめてきた著者は、「死を希望に変えたい」と話す。
書名にある「その死に誰が寄り添うか」という副題は、私たちが受け止め、考えなければならない問いではないだろうか。

ロフト名古屋店 医学書担当 中村

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

ファースト・エンジン (集英社文庫)未須本有生 (著)

ファースト・エンジン(集英社文庫)

日の丸エンジンは大空に飛び立つのか!?

様々な最先端技術を持っている日本ですが、こと航空機のエンジンに関しては、アメリカを初めとした諸外国の後塵を拝しています。この小説で描かれるのは、そんな現状に異を唱えんとする人々の物語です。

彼らの目標は、アフターバーナーを搭載した超音速エンジンを開発する事。このアフターバーナーというのは主に戦闘機に搭載される装置であり、ジェットエンジンの排気に燃料を吹きつけて燃焼させ、さらなる推力を得るという、仕組みとしては単純な物です。しかしその技術を蓄積していない日本においては、非常に開発の難しい代物でもあります。

本庄直紀をリーダーとする「超音速エンジンプロジェクト」のメンバーたちは、そんなアフターバーナーエンジン開発に挑みます。予算は限られている上に、技術的な困難は数知れず。さらには新たに就任したプロジェクトマネージャーによる妨害の数々。そして実験の失敗による、メンバーの死。様々な困難に直面しながらも、それでもあきらめずに知恵を絞り解決し続けていく姿からは、ものづくりに懸ける情熱と誇りが感じられます。

航空機に強い関心を持っている方や、仕事や勉強に行き詰りを感じている方には特におすすめの作品です。よろしければぜひご一読ください。

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

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ジュンク堂|ロフト名古屋店

地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために (ブルー・バックス)鎌田 浩毅 (著)

地学ノススメ 「日本列島のいま」を知るために(ブルー・バックス)

地球の声を聴け。

忙しい毎日の繰り返しで、つい忘れがちになってしまうが、私たちは地球の上で暮らしている。
私たちの足元の下には地球誕生から積もりに積もった46億年の歴史が眠っており、その積み上げられた地層を読み解けば、生命の進化についてや、宇宙のこと、水や化石燃料などのエネルギーのことまでわかってしまう。
 なんといっても、地球はすべての源であり、私たちは地球の恩恵を受けて暮らしているからだ。46億年間脈々と受け継がれた営みは、地球上にある限り、その本質は今も昔も変わることがない。
 つまり「地を学ぶ」ことは我々の生きる基盤そのものを学ぶことに繋がり、地球の過去を読み解くことは、即ち未来を解く鍵を得ることと同義になるのだ。

 このように地学とはあらゆる分野にまたがっており、非常に有用性が高い学問だが、「地学離れ」が深刻化している昨今、地学を学ぶ学生は驚くほどに少ない。
 そこで筆者は少しでも地学に興味を持ってもらえるよう、テーマを絞り、わかりやすく解説した入門書が本書である。

 地球が丸いことをいかにして証明したのか、化石はどうやってできるのか、など初歩的な話から、日本列島の現在の状態についてなどの身近なテーマを丁寧に解説している。
1000年に一度の「大地変動の時代」が到来した現代の日本にとって、来る巨大地震・巨大噴火は深刻な問題だ。
その観点から言っても、地学は災害から身を守るために知っておくべき知識であり、本書はこれからの日本を生きる私たちにとって必携のサバイバル書になること間違いない。

ロフト名古屋店 理工書担当 宮澤

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

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ジュンク堂|ロフト名古屋店

これからはじめるインスタグラム基本&活用ワザ iPhone & Android対応 完全最新版 (できるポケット)田口 和裕 (著)

これからはじめるインスタグラム基本&活用ワザ iPhone & Android対応 完全最新版(できるポケット)

これからインスタグラム、始めます。

春も近づき何か新しいことがしたい。
スマホも新しく買ったり、買い替えたり…。
新しいスマホで写真や動画を撮ってインスタグラムに載せたい! と、勢いづいたがインスタグラムは初めて、使っているけどもっと活用したいと思いませんか。
本書ではiPhoneとAndroidの両ユーザーに対応したわかりやすい説明が載っています。
全ページオールカラーで、画面のどこをタッチしていいかなど色のついた吹き出しがついています。
1章から7章まであり、基本設定や写真をおしゃれに撮影するコツ、投稿の仕方、動画撮影や編集など使いたいワザがたっぷり含まれています。
持ち運びやすい大きさなので、外出先でも使える一冊です。

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

出版禁止 (新潮文庫)長江俊和 (著)

出版禁止(新潮文庫)

一筋縄ではいかないミステリー

とある理由で掲載禁止となったいわくつきのルポタージュを手に入れた長江俊和は、
ルポタージュの著者である「若橋呉成」がちりばめた仕掛けに戦慄することになる。

カルト的人気を誇った番組「放送禁止」のファンならばこの『出版禁止』の楽しみ方をご存じであろう。
素直に読めば隠された「事実」は見えてこないし、本著には解説はあるものの、隠された仕掛けがすべて明かされているわけではない。
「放送禁止」を観たことがない読者は、「いったいこれはなんなのだ」と困惑することになるかもしれない。
それでも仕掛けを知れば、もう一度ページをめくりなおさずにはいられないのではないだろうか。
はっとする瞬間を、ぜひ楽しんでいただきたい。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

SAGE質的研究キット 2 質的研究のための「インター・ビュー」 ウヴェ・フリック (監修)

SAGE質的研究キット 2 質的研究のための「インター・ビュー」

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

このたび新曜社から刊行が開始された「SAGE質的研究キットシリーズ」第2巻にあたる本書。質的研究の理論家として第一人者である著者による主著の、待望の翻訳である。インタビューの技術とは職人技であり、本を読むだけではなくインタビューの実施により蓄積される技術だと著者は考える。社会調査に関わる人にとって、必携の1冊。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

近代仏教スタディーズ 仏教からみたもうひとつの近代 大谷 栄一 (編)

近代仏教スタディーズ 仏教からみたもうひとつの近代

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

近代仏教史という「ハイカラな」「迷宮都市」の楽しいガイドブック(写真多数)。実は近代仏教は「時にばかばかしく、時には沈痛で、時にはあやまち、時には洞察力にあふれ、大谷光瑞から宮沢賢治までさまざまな「濃い」キャラの絡まりあうダイナミックな歴史」をもっている。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

共にあることの哲学 岩野 卓司 (ほか著)

共にあることの哲学

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

副題は「フランス現代思想が問う〈共同体の危険と希望〉1理論編」。フランス現代思想は「共同体」(または「共にあること」)について根本から問うてきた(バタイユ、ブランショ、ナンシー等々)。本書は資本主義と国家の価値が揺らいでいる現代にあって、共同体の問題を再考する試みである。続く実践・状況編にも期待したい。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

柳田國男と考古学 なぜ柳田は考古資料を収集したのか 設楽 博己 (編著)

柳田國男と考古学 なぜ柳田は考古資料を収集したのか

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

日本民俗学を確立した柳田國男は、性質の違いから考古学とは袂を分かったとみられていたが、実は石器や土器を収集していた。それらの資料を題材に、日本民俗学、考古学、人類学がどのように関わり、どのように分かれていったのかを豊富な画像と共に追究してゆく。知られざる資料を各分野の碩学が追究してゆくさまは、さながら謎解きのよう。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

保育の瞬間 「りんごの木」の保育・子育てエピソード 柴田愛子 (著)

保育の瞬間 「りんごの木」の保育・子育てエピソード

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

保育施設「リンゴの木」代表で、多方面に活躍する著者が、保育者として疑問に思ったり不思議に感じたりした様々なことに、具体的なエピソードを通して答えていく。子ども同士のトラブルも、見守っていると、時間をかけて本人たちが解決していくことがある。子どもの心に寄り添うことを基本とする著者の、子どもを見る目の温かさが印象的である。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

英語のしくみがわかる基本動詞24 新装版 小西 友七 (著)

英語のしくみがわかる基本動詞24 新装版

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

英語に限らず外国語を勉強する際、よく使われる基本動詞ほど習得するのは難しい。例えばgetを「手に入れる」と覚えているだけでは対応できなかった経験がある方もいるのではないか。その動詞自体が持つ曖昧性によって名詞との組み合わせで様々な意味合いを帯びたり、省略や比喩的使われ方により全く異なる意味にもなる。だからこそ基本動詞ほどネイティブの使用頻度が高く、基本動詞の使い方にこそネイティブの考え方が表れやすい。
本書は基本動詞の「中核的意味」から意味が派生していく様子を図解で分かりやすく示しつつ、それぞれの意味に類義語を示すなど様々な視点を取り入れることで、習得の難しい基本動詞を分かりやすく解説している。本書にある24の基本動詞をマスターすれば、いままで曖昧だった基本動詞に対する理解が深まるだけでなく、英語ネイティブの考え方への理解も深まるだろう。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

世界の英語ができるまで 唐澤 一友 (著)

世界の英語ができるまで

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

英語の源となった言語は、北ヨーロッパの片隅、現在のユトランド半島やオランダ・ドイツ北部沿岸地域で細々と使われる言語にすぎなかった。本書ではそれが、どのような道筋をたどり、英語の通用する地域はいつ頃どのようにして拡大していったのか、また広まった先々でどのように変化し発達したか、といった点について語っている。
具体的にはイングランドにおける英語盛衰史からはじまり、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、更にはカリブ海地域やアフリカ、アジアなどその名の通り「世界」という名にふさわしいほどの変貌を遂げる。英語史関連書と比べると、かなり一般向けに書かれており、読みやすい。
新しい英語の形である「ピジン」や「クレオール」にも触れており、英語の多様性や豊かさを知ることができる1冊。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

ハッキヨイ!せきトリくん ひよの山の英会話に待ったなし! Sumo in English リサ・ヴォート (文)

ハッキヨイ!せきトリくん ひよの山の英会話に待ったなし! Sumo in English

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

本書は日本相撲協会公式キャラクター「ハッキヨイ!せきトリくん」のひよの山を中心に、相撲に関する言葉や多くの人が抱きそうな疑問について、可愛いイラストとマンガで楽しく分かりやすく解説している。
日英対訳になっており、ひよの山とライバル赤鷲の成長と戦いを中心に、角界の慣習や決まりごとなどを通して英語のフレーズを覚えられる。相撲についての解説も詳しく、国技である相撲を知るうえでも役に立つ1冊だ。4年後の東京オリンピックに向けて今後さらに外国人観光客増加が予想されるが、日本文化に興味を持つ外国人に、英語で相撲の魅力を語れるようになるだろう。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

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ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

初めてのAnsible Lorin Hochstein (著)

初めてのAnsible

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

Ansibleはサーバの構築や設定の自動化をおこなう、オープンソースの構成管理ツール。競合ソフトのChefは何点か解説書が出ていたが、待望のAnsibleの本が登場。名前の由来は『ゲド戦記』で有名なアーシュラ・K・ル・グィンのSF小説に登場する、超光速通信を意味する造語。本書もまた、高速で快適なサーバ管理を約束してくれるだろう。

書店員:「書標(ほんのしるべ)」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|丸善ジュンク堂書店 書標編集室

シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき エッセンス版 レイ・カーツワイル (著)

シンギュラリティは近い 人類が生命を超越するとき エッセンス版

丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年6月号より

大著『ポスト・ヒューマン誕生』がコンパクトになって再登場。シンギュラリティとは人工知能が人間の能力を超える技術的特異点のこと。原著発行の2005年にはほとんど知られていなかった単語が昨今の第3の人工知能ブームで一躍脚光を浴びて、今回のエッセンス版発行となった。10年前に書かれたとは思えない、いまこそ読むべき予言の書。

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