サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

丸善 書店員レビュー一覧

丸善 書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

佐藤初女物語 おむすびに心をこめて あんずゆき (著)

佐藤初女物語 おむすびに心をこめて

苦しみは・・・

この本のお問い合わせをされたお客さまから
初女さんのお話を 聞かせていただきました。

そのお客さまは 初女さんの お話会を何度か催されたのだそうです。
その方が 初女さんに
 
苦しいときは どうしたらいいんでしょうか

と聞かれたら
初女さんは

苦しみはね
すうっと ぬくのよ

と手を 胸からすっとひろげられたのだそうです

その言葉が どんな理論より 響きました

と話してくださいました

わたしたちが 迷いの中にいるとき
初女さんは

焦らないで
じっくり こたえを 待ってください
必ず みつかります

と言われています

わたしたちは いつも
はやく はやく
と思って
自分の心を 
置いてきぼりにしていないでしょうか

そんな子どもにも 大人にも
読んでほしい
初女さんからの 愛のメッセージです

                    (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

どもるどだっく 高山 なおみ (文)

どもるどだっく

そとがわと わたし

いつか
高山なおみさんの お話の会に
参加する機会がありました

その中で
高山なおみさんが

わたしは みんなと ちがっていることを 知っています

と言われて

そのあと 少し間を おいて

そして
わたしは みんなと おんなじだ ということも 知っています

と言われたのが
印象的でした

わたしらしいとは どんなことでしょうか

わたしのままでいいと
思えたら
わたしたちは
ずいぶん 息がしやすいかもしれません

誰かに 好かれる自分

今いる場所に受け入れてもらえる自分

みんなが あなたってこうよね
と決めている自分

そういう自分は みんな
そとがわの自分かもしれません

今そのまま
自分自身が感じている自分を
誰に 好かれなくとも

わたしは いいと思うよ

と言ってあげてほしい

そんな声がきこえる 一冊です

       (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

よかったねネッドくん 英文つき 改訂版 レミー・シャーリップ (さく)

よかったねネッドくん 英文つき 改訂版

一見 悪いことも・・・

一見悪いことも よいことのはじまりかもしれません

という言葉が 好きです

娘が 学校がキライと言い出して
それにまつわる様々なことが起こったとき
わたしは
娘に対して どう在るかを 深く考えました

そのとき 自分自身の経験から 大切な言葉を
わたしに 投げかけてくれた友だちがいました

そんな いろんな人に支えられて
わたしは 娘と向き合うことができました

その友だちと 久しぶりに会ったとき

その頃の話になりました

あのときね
娘さんの 話をきいて
あなたは 変わるだろうなって
思ったんだよ

と 友だちは言いました

そうなのです

それまでの わたしは 周りの人の期待に応えることに
気をとられて
自分自身を 生きていなかったのです

それが
娘の出来事で 
自分を 試されたというのか

自分自身を生きる扉を 娘が 教えてくれたのでした


ネッドくんは ピンチの連続ですが
その度に ステキなことが起こります

最後にどうなったか
ということも
もちろん 気になりますが

その道のり そのものも
ステキな気がする 

そんな一冊です


      (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

世界を変えた100人の女の子の物語 エレナ・ファヴィッリ (文)

世界を変えた100人の女の子の物語

こころの声に耳をすます

あるとき ならんで歩いていた友だちが

わたし 誰にも言ったことがないんだけれど
翻訳学校に行って
翻訳の勉強をしたいとずっとおもってるの・・・

と言うので

わあ すてきだね
絶対できるよ

とわたしが 言ったら

そうかな
そうだといいな

と 友だちは にっこりしました

それから 友だちは引っ越して
めったに会わなくなりましたが

その数年あとに
翻訳学校に通いはじめた

と 知らせてくれました

そのあと 何年も
翻訳の勉強を続けて
翻訳家の先生について 下訳をしてる
と言っていて

うれしいなあと おもっていたら

今度 ステキな本の下訳をしたんだよ
それで 本のなかに自分の名前も載せてもらえるの
夢みたいだよ

と 友だちは言いました

それが この本だったのです

この本に載っている女の子たちは
周りとちがっても
自分のなかの 声を ちゃんときいて
その声を無視したりしないで
生きた/生きている のだとおもいます

わたしの友だちは それが翻訳を学ぶ ということでした

世界を変える
というのは
あなたが今生きている世界をかえる
ということで

それは
あなた自身の中にある
望みや願いをかなえてあげる
かなえようとしてあげることからでは ないでしょうか

そうすればきっと
世界は変わるし
あなたも
あなたのまわりの人も
しあわせに なれる気がします


    (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

「絶望」に声を与えよう。 Release Emotions,Find Your Real Life ジョン・キム (著)

「絶望」に声を与えよう。 Release Emotions,Find Your Real Life

いまは みえない 光

有名な病気の手術を終えて
だんだん気持ちが落ち着いてきたころ

ちいさなカフェで 知り合いの淹れた珈琲をのんでいたとき
カウンターごしに

わたしね
こんど 生まれ変わったら こんな生き方をしたいんです

と ふと 言ったら

すごく 不思議そうな顔で

どうして
今じゃ ダメなんですか?

と言われて  返す言葉がありませんでした

どうしてだろう?

そう自分に問うたとき

その答えは

今の人生に 絶望しているから・・・

でした

そしてわたしは そのときはじめて
自分が 絶望しているのだ

と知りました

そのときに
この本に 出逢っていたら
もう少し 希望まで 近道ができたでしょうか

絶望の中に 希望のタネがある

不満は 未来へのリクエスト

と著者は いいます

絶望していることに 気づかなかったり

不安から 知らず知らずに 逃げて ないことにしたり

勝手に 誰かに期待をして

勝手にがっかりしたり

そういう自分をまた 責めていたり

わたしたちのなかには 
ネガティブなエネルギーがあふれています

だけれど きっと 大丈夫

この本が あなたに 寄り添って

どんなときにも 光があると

おしえてくれます

       (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

ほんとにほんとにほしいもの ベラ B.ウィリアムズ (作絵)

ほんとにほんとにほしいもの

ほんとうの のぞみ

あるとき
わたしが 

すごくいいことがあったの!

と言ったら  

いいなあ うらやましい

と それを聞いた人が言うので

えーと、
あなたは どんなことがしたいんですか?

と言ったら

たぶん わくわくしたいんだと 思います
このまえ わくわくしたのが いつなのか 思い出せないから・・・

と言われて

じゃあ なんでも すきなものあげるよ
と言われたら なにがほしいいんですか?

と聞くと

時間とお金

という答えだったので

その時間とお金を使って どんなことをしたいんですか?

と言うと

家族でゆっくり旅行したい ということでした

わあ それが かなうといいね

と 話しました

あとから
その人は 家族と旅行に行く

ということを通して

家族とゆったりした時間をおくりたい

という願いがあるのかなあ

と おもいました


わたしたちは
ときに

ほんとに ほんとに ほしいもの
がわかっているようで
わかっていないのかもしれません

あなたも ローザのように

ほんとに ほんとに ほしいもの
 
がみつかりますように・・・


     (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

ロッタちゃんとじてんしゃ リンドグレーン (さく)

ロッタちゃんとじてんしゃ

子どものそばにいる 大人

わたしは母のそばで
気持ちがやすらぐことなく
こどもから大人になりました

おとなになってから
家族を持ちたくなかったし
母親とか 考えられないなあ
と感じていました

だけれど
どういうわけか 娘の母になりました

娘が小さかったときは
絵本やお話しを 楽しむ日々でした

ただただ そうしていた気がします

娘が高校生になって
いろんなはなしを聞かせてくれます

もう絵本は一緒にみないけれど、
楽しい時間です

あるとき ふと
母とわたしの関係と
わたしと娘の関係の色合いが
ずいぶんちがうなあ

それは
たくさんの 絵本や物語を
二人で来る日も 来る日も その世界で遊んで
なかでも
リンドグレーンの描く子どもと大人の
しあわせな関係を 知らずに
マネできたのではないかな・・・

そんなふうにうかびました

そのときは
全然気づかなかったけれど
リンドグレーンのあたたかな世界から
大きなしあわせをもらって

いまのわたしと 娘があるのだなあ

とうれしくなりました

もし
子どもとの関係にやすらぎが感じられないと
おもっていたら

この絵本で しあわせな子どもと大人を
モデリングしてみてください

        (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

くんちゃんのだいりょこう ドロシー・マリノ (文 絵)

くんちゃんのだいりょこう

子どもの言うこと

児童書コーナーで

子どもの質問に答えられない

とおっしゃるお客さまがいらっしゃいました

日々 子どもが

どうして太陽は 冷えないの?

とか

どうして地球はへらないの?

と聞いてきて 困ってしまうから なにか本を与えて
読ませたい

ということでした

そんな質問をするなんて
すばらしいお子さんですね

と言ったら

そうですか
なんか オタクになりそうで・・・
学校でいじめられて 死んじゃったらどうしよう・・・
っておもうんです

と言われるので

じゃあ
どんなふうになってほしいいんですか

と言ったら

めだたない
普通の子でいてほしいんです

わたしが ずっと どこでも浮いているように感じて
友だちができなかったから・・・

と言われました

そうなんです
子どもを見ているようで
実は 自分自身の悩みや
心の重みを 子どもを通して
大人は 見ることになって

しばしば それは 子どもの心配
ということにしてしまいます

 くんちゃんを見守る
おかあさんは
くんちゃんに 好きなようにさせてあげるステキなおかあさんです

こんな大人がそばにいてくれたら
どんなに安心して いきていけるでしょう

それは子どもに限らないように感じます

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

きょうはなんのひ? 瀬田 貞二 (作)

きょうはなんのひ?

えほんと子ども

娘がちいさかったとき
林明子さんの絵本をたくさん一緒によみました

このえほんのなかで
娘がとくに好きだったのは
おうちの断面図?の見開きの絵でした

その絵をくりかえし見て

そのうちに
スケッチブックに

わたしのすきなへやかいてん!
みて!

ともってきて 見せてくれました

それは 
よく住宅広告にのっているような
部屋の間取り図のような絵というか図のようなものでした

ふーん すごいね

と関心して見ていたら

もっと かくわ!

とそれから何枚も
理想の?間取りを描いていました

それからずいぶん時間がたって
娘は16歳の今も
なぜだか 建物の図解や
部屋の写真なんかが好きで

いつか世界の建築物をみてまわりたい

と言っています

この絵本がその原点なのかどうかは
わかりませんが

えほんがもっているものが
子どもにどんなふうに作用するのかは
大人には計り知れないものがあるなあ

としみじみおもいました


      (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

いつもだれかが… ユッタ・バウアー (作・絵)

いつもだれかが…

いつも みていてくれる・・・

あるとき 
お客さまが

おじいさんが亡くなって 孫を見守るみたいな絵本があるかしら?

ときかれて
すぐにうかばなかったので

ちょっとちがいますけれど
こういう絵本も あります

とお出ししたのがこの絵本でした

お探しの絵本はあとからわかって
それも お渡ししました

しばらくしてから

やっぱりこの絵本が気に入ったから
これにするわ

と選んでゆかれました

わたしたちが

 
ついてるなあ

とか

ついてないなあ

とおもうとき

それは おもっているのとは
ちがうことなのかもしれません

そして
いつも
どんなときも
うまくいっているのだ

とおもってもよいかもしれない・・・

そんなふうに おもわせてくれる
あたたかい一冊です


    (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

花のように生きれば、ひとりも美しい。 楠目 ちづ (著)

花のように生きれば、ひとりも美しい。

やさしい気持ちを手渡す場所

ある時 この美しい本を
プレゼント包装ご希望されたお客さまがいらっしゃいました。

包装を終えて
お客さまに
お渡しのとき

すてきな本だから
きっと 喜ばれますね

と言ったら

実は 
お友だちのお母さまが 顔面神経痛になられて
外出されなくなったときいたので
少しでも 
気持ちがはれるようにと思って
この本を選びました

とお話ししてくださいました

またあるときに 来られたお客さまが
高齢のお友だちのお見舞いになにか本を持っていきたいのだけど
思い浮かぶ本があるかしら

と言われたので

先のお客さまの
お話しをさせていただいて
ご案内をすると

そうね
この本 いいわね
これにするわ

と言って 選んでゆかれました

お客さまのやさしい気持ちを
また別のお客さまのお気持ちに
お伝えする場所に
なれた気がして
しあわせになりました

そんな美しい花にまつわる一冊です


         (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です ママたちとの対話から生まれた子育ての知恵ツイート41 陰山 英男 (著)

だから、子ども時代に一番学習しなければいけないのは、幸福です ママたちとの対話から生まれた子育ての知恵ツイート41

安心するのは・・・

小学生の男の子が元気になる本はどれかしら・・・

というお問合せのお客さまが いらっしゃいました。

わたしは 日本語が読めないのだけど、
おすすめの本はあるかしら・・・

ということでした。

お話を 伺うと

お家のお向かいのお母さんが、いつも元気がないので、
どうしたの?声を掛けてみたら、
息子さんが不登校で、お母さんが悩んでいるってことだったから、
なにか元気がでる本を プレゼントしようとおもって・・・

そのお母さんはね、
お友達も少ないみたいだから、
お茶に行きましょうって 誘ったりしてるのよ

英語圏の方でしょうか
そう話してくださいました

そのお話しを聞いて

もしかしたら
元気になったらよいのは
お母さんのほうかもしれませんね

この本はいかがでしょうか

と内容を説明させてもらったら

あら、ほんとうね
すごく いいと思うわ
これにするわね

と言ってくださいました

わたしが

でもそのお母さんの
そばに お客さまのような方がいらして
どんなに心強いかわかりませんね
すばらしいです

と言ったら

まあ ありがとう
そうだと うれしいわ

とちょっと 涙ぐまれて 
本をレジにもってゆかれました

お母さんも
子どもも
幸福につつまれて すごせますように・・・
と思わずにはいられない ほっとする一冊です。

                          (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

ねえ、どれがいい? 新版 ジョン・バーニンガム (さく)

ねえ、どれがいい? 新版

どれを選んだら 正しいのか

わたしたちは なにかを選ぶとき
どれが 正しいのだろう
つまり どれを選んだら
自分の(いろんな意味で)得になるのだろう
と考えがちではないでしょうか

だけどそのときの選択が
自分にとっての正解かどうかは
しばしばあとになってみて
はじめて わかる
ということが 多いような気がします。

結局 なにを選んだって 正解なんだ
そんなふうにおもってみても
いいのでは ないでしょうか

愉快な質問がいっぱいで
選んでいくうちに
その人の人となりみたいなものが
自然にでてくる
一冊です

        (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

ありがとうのえほん フランソワーズ (さく)

ありがとうのえほん

日々のしあわせを感じるということ

今やっていることに ていねいに集中すると、
たとえば 
洗濯物をたたんでいるときは 洗濯物のことを考える
ということを意識してすると
(意識しないでいると アタマは晩ごはんのしたくのことを 考えはじめます)
心が落ち着いて だんだんしあわせな気持ちであふれてくるのだそうです

わたしたちは 何かを得たらしあわせになると思っています
それでも 日々の目の前のことに 心をちゃんとむければ

あるいは それは ちいさなことに ありがとうということかましれませんが

かみさまを信じていても いなくても
ありがとうと
この 女の子のように いうことができたなら
わたしたちの 毎日は 喜びにあふれていくのかもしれません

フランソワーズのちいさな宝石のような 愛らしい一冊です    
   

         (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

いつかはきっと シャーロット・ゾロトフ (ぶん)

いつかはきっと

いつかという未来

娘の小学校の卒業文集の将来の夢という欄に
「正社員」と書いている子どもがいて、なんだかせつなくなったりした。

 子どもも大人も いつかこんな風になりたいな・・・とおもうのは、自由のはずなのに、
自分で制限してしまったりする。
 
 娘が 学校にいきたくないと言い出したとき、
みんな そんなことでは いつか困るよ
と言って、心配と称して、ある意味おどしをかけた。

 ある日はっとして、
「あのさ、そのままでいいから、学校きらいならきらいなまま、どうやったらしあわせになれるか考えてみて」
と言ったら、三日後に 娘が、
「あのな、わたしな、こんなんできたらかっこええなと思ってやてみるねんけど、全然続かへんねん。ほんまは、こんなんやったら楽しいなあってこと探そう、おもうねんけど
なかなかみつかれへんねん」
とこたえた。

いつかこうなりたいというのは
今から逃げたいということではなく、
楽しく生きたいという願いなんだなあ
としみじみした出来事だった。

ゾロトフのあたたかい文に
ローベルの愛らしい絵が
よりそうすてきな一冊です。

                                        
(き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

とべバッタ 田島 征三 (作)

とべバッタ

ぶかっこうに 自分の羽で飛ぶということ

今まで、田島征三さんの絵本は遠目に見ていたわたしですが、
あるとき、読み聞かせの会でこの作品を読まれていて、なんてすてきなんだろう・・・と
胸がじんわりしました。

 いつ食べられちゃうかとびくびくしていたバッタ。
そういう自分がイヤになって、決心したバッタ。
ぶかっこうな飛びかたを ばかにされるバッタ。
自分の羽で飛ぶ喜びに生きるバッタ。

 だれもがこんなバッタの生き方に
はげまされる気がします。

 笑われたっていいじゃないか。
自分のもってるもので生きていくって、ほんとうにすてきなことなんだ。
力強い絵から、やさしい気持ちを受け取ることができる一冊です。

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

最初の質問 (講談社の創作絵本)長田 弘 (詩)

最初の質問(講談社の創作絵本)

質問を持ち続けること

お休みの昼下がり、お店のカウンターでコーヒーを飲みながら、カウンターごしに、
もし、生まれ変わったら、こんな風に生きたいんです。
そう言うと、それを聞いたお店の人が、不思議そうに、
どうして、今じゃだめなんですか。
と言いました。

 わたしは、その問いに答えられませんでした。
それから、どうしてだろう、どうしてだろう・・・
と自分に問い続けました。
そこから、わたしの日々が、ぎゅん!と回転したようにおもいます。

 たとえ、答えがでなくても、自分に問うことが、生きていくうえで、大切なことのひとつかもしれません。

 長田さんの言葉といせさんの絵がよりそう一冊です。

                               (き)

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)アストリッド・リンドグレーン (作)

やかまし村の春・夏・秋・冬(岩波少年文庫)

だれかを幸せに・・・

大切に思う人が疲れていたら、その人が元気になるといいなと思います。
そして、自分になにかできることはないかなあと思います。
それが自分に何ができるかばかりにフォーカスしてしまうと、なんだかちょっと最初の気持ち、その人を思う気持ちからずれてしまうような気がします。
 人が人にできることって、だいたいのところそんなになくて、でもそれとは思わずにしたことが、良い影響を与えたりするように思います。
 
 やかまし村のリーサとアンナは、だれかを幸せにしたくて、いろいろ試してみるのですが、
お母さんに、
あなたたちの顔を見ただけで幸せよ、
とか
アグダに、
そうじのじゃまにならないように、この部屋から出ていってくれたら幸せだよ、
などと言われてがっかりの連続です。
その二人のうまくいかないさまがユーモアと愛情たっぷりに描かれていて、読むたびに笑ってしまいます。
 さて、二人はだれかを幸せにできたでしょうか・・・
 そして、わたしやあなたはどうでしょう・・・

 こころのふるさとのようなリンドグレーンの物語です。

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

作家 M.B.ゴフスタイン (作)

作家

言葉の種

前に読んだ翻訳本に
(原作者が)すばらしいのは、そのうまさやなんかではなく、小説に対する作家としての誠実な姿勢であり、そこが読者を惹きつけるのだ
というような訳者のあとがきがありました。
 作家でなくてもわたしたちは言葉をやりとりして、なにかを伝えあっています。
 でも言葉はあくまで共通の記号みたいなもので、そこにこめられているものは、その発した人のエネルギーなのだとよく感じます。
 気が合うとか、合わないとかいうことも、そういうことなのでしょう。
 いつか落ち込んでいるときに、
「ボロ勝ちだから。大丈夫だから。もういつまでも、うじうじしなくていい!」
と友だちがきっぱり言ってくれて、ボロ勝ちってなにに勝つのかな・・・とちょっとおかしくて、そしてあたたかいもので胸がいっぱいになりました。
 時間がたって、そのときわたしは友だちから、やさしい気持ちを受けとって、そしてほんの少し前に進むことができたのだなあと思いました。
 わたしたちは意識しないで言葉という種をまき、作家は祈りをこめて言葉の種をまいているのだ・・・
そのことを静かにそっと語るゴフスタインの世界です。

書店員:「丸善京都本店」のレビュー

丸善
丸善|京都本店

カボチャありがとう 木葉井 悦子 (作)

カボチャありがとう

愛と喜びにつつまれる・・・

「無償の愛」というすてきな響きの言葉があります。
 ときに「わたし」がだれかを愛しいと感じます。
でもそれが、「無償の愛」と思えることは、まれではないでしょうか。
 しばしば例えられる親から子への愛というのも、期待やパワーゲームに陥りがちな気がします。

 かぼちゃはみんなに食べてもらえてうれしい。
みんなはかぼちゃをおなかいっぱい食べてうれしい。
そしてそのあとかぼちゃは種として眠りにつく。
そこには、してあげるとか余分なものがなにもない。
これは愛だろうか、
無償の愛だろうか、
利用してることにならないだろうか・・・
などとだれも思いません。
でもみんなが愛に包まれていて、喜びにあふれています。

 木葉井悦子さんの力強く、美しい世界です。

100 件中 1 件~ 20 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。