サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

文教堂 書店員レビュー一覧2ページ目

文教堂 書店員レビューを60件掲載しています。2140件目をご紹介します。

検索結果 60 件中 21 件~ 40 件を表示

文教堂 三軒茶屋店店員

書店員:「文教堂 三軒茶屋店」のレビュー

文教堂
文教堂|三軒茶屋店

事件記者コルチャック (ハヤカワ文庫 NV)ジェフ・ライス (著)

事件記者コルチャック(ハヤカワ文庫 NV)

子供の頃…

子供の頃「事件記者コルチャック」というドラマが大好きだった。
コルチャックという名の、飄々とした中にも、どこかユーモラスな雰囲気のあるオジサン記者が、怪奇な事件に挑むシリーズだ。
その原作が先日早川文庫で出た。今になって、なんでまた? と思ったが、読んでみて、その理由がわかった。タイトルに込められた心意気のようなものも掴み取れた。

僕は子供の頃、コルチャックのドラマが大好きだったと書いたが、実は「事件記者~」というタイトルは、あまり好きではなかった。
コルチャックは日本で言うなら、怪奇大作戦のような話だから、タイトルもホラー色を強く押し出すべきだと、僕は思っていた。それをしないのは、視聴者に対しておもねっているからだと、そう感じられて、それが凄く嫌だった。
「ホラーの要素を含んだ話だとわかると馬鹿にされて見てもらえないから、社会派ドラマみたいなタイトルにしよう」
そんなふうに考えて「事件記者~」と付けたんじゃないかと、そう思っていた。

今回、原作を読んで、考えが180度変わった。この話は確かに「事件記者コルチャック」というタイトルでいいのだと。いや、そうでなくてはならないとすら思うようになった。「魔界記者~」といったタイトルでは逆にだめなのだ。なぜなら、これはあくまで、コルチャックという『事件記者』の物語だからだ。立ち向かっていく相手がヴァンパイアだったりするのは、言ってみれば「たまたま」なのであって、この話の主題はそんなところにはない。この話の肝は「真実を伝えようと、ただそのことのみを、がむしゃらにやり通す男のかっこよさ」だ。
権力にたて突き、ボコボコに打ちのめされても立ち上がる。酒に逃げ、友に逃げられても立っている。やめろと忠告されても立ち向かっていく。

コルチャックは言う。「だからといって、生きかたを変えたりはしない」
世渡り上手がかっこいいと思うひともいるだろう。でも僕は、情けなくても、だらしなくても、みっともなくても、歩みを止めないというのも、かっこいいと思うのだ。
時にはオロオロ歩き、時には逃げたりもしつつ、しかし概ねベクトルが前に向かっている(その先は真っ暗闇なのに)、そんな生き様に憧れるのだ。

ジャーナリストが凶悪な事件に出会って、心身ともにズタボロになりながらも真実を追い求める様を、リアルに描ききったこの作品。敵こそ、ヴァンパイアという、わかりやすい悪に置き換えられてはいるが、実際に世に蔓延る様々な悪を当てはめて読むと、骨太な社会派ドラマとしての「事件記者コルチャック」が浮かび上がってくる。
上から叩かれ、下から突かれ、それでも歩みを止めることが出来ないビジネスマン諸氏よ、今こそ「事件記者コルチャック」を読むべきだ。


(評者:文教堂書店三軒茶屋店 中川浩成)

書店員:「文教堂 市ヶ谷店」のレビュー

文教堂
文教堂|市ヶ谷店

オードリー・ヘップバーン 上 バリー・パリス (著)

オードリー・ヘップバーン 上

米国映画協会 (AFI) の…

米国映画協会 (AFI) の「最も偉大な女優50選」では第3位に選ばれ、日本でも広く愛されているオードリー・ヘップバーン。
彼女の幼少期から、銀幕の妖精といわれた最も輝かしい時代、そして後年国際連合児童基金(ユニセフ)において世界の恵まれない子供たちのために従事する姿。病...死までを、綿密な調査をもとに克明に描いた書である。
映画スターとしての華々しい活躍の裏で、一人の女性として葛藤し苦しむ姿が垣間見られ、彼女をとても身近に感じることができる。
一方で、生涯を通じて見せる慈しみの心は、彼女が銀幕のみならず現実社会においても妖精だったのだということを実感できるであろう。
ファンの方々はもちろんのこと、その他の方々もぜひ手にとっていただきたい1冊である。

『年をとれば、きみは二本の手を持っていることに気づくだろう。自分自身を助ける手と、他人を助ける手と』(本編下巻より抜粋)


(評者:文教堂書店市ヶ谷店 関根秀樹)

書店員:「文教堂 浜松町店」のレビュー

文教堂
文教堂|浜松町店

もしもし、還る。 (集英社文庫)白河 三兎 (著)

もしもし、還る。(集英社文庫)

『私を知らないで』で…

『私を知らないで』でオリジナル文庫大賞第1位を獲得した今注目の作家白河三兎さんの最新刊です。
いきなり文庫化作品ということでかなり売れていますが、内容がとても良いです。
ある人は「カフカのようだ」といい、またある人は「SFミステリの傑作だ」と絶賛し、当店では「究極の恋愛小説、読後感が最高です!!」というポップをつけて販売しています。

主人公の「僕」と大学時代の先輩「遠藤桐子」を中心に物語は展開していきます。過去と現在が交互に語られ、最後は絶妙としかいいようのないはまり方をしてクライマックスをむかえます。ハッピーエンドか悲しい物語かは読む人それぞれの判断に委ねられるところもお気に入りです。感動すること間違いなしのお勧め本です。
もう白河三兎から目が離せません。


(評者:文教堂書店浜松町店 文庫担当 前田直希)

書店員:「文教堂 赤坂店」のレビュー

文教堂
文教堂|赤坂店

凶悪―ある死刑囚の告発― 「新潮45」編集部 (編)

凶悪―ある死刑囚の告発―

9月公開の同名タイトル映画の原作で…

9月公開の同名タイトル映画の原作で、著者自身の当事者手記ノンフィクション。

死刑判決を受け、上告中の被告が、自分の犯した凶悪事件の数々を、雑誌記者である著者に、告発を依頼するところから話は始まります。上告中の自身に、さらに追い討ちをかけることになるであろう、告発を依頼する目的とは何か?
拘留されている、この話の主役のひとりへの接見を通じ、その目的を察した著者が、自らの取材で判明していく凶悪事件の数々。映像化するに当たって、残虐なシーンをどう表現したのかという、不謹慎な興味も湧いてきました。

最後に著者は、昨今の出版業界の雑誌ジャーナリズムの衰退について述べています。
この告発が雑誌からの発信だったからこそ警察が動き、立件出来たと。雑誌には、まだまだ存在意義があり、社会に果たす役割は今後一層、大きくなると確信していると。
なぜ、そう思うのか?
ぜひ、読んでみて確認してください。
そして、映画との対比により、雑誌、書籍の存在意義を見つけていただけると、書店員としてこんなに嬉しいことはありません。


(評者:文教堂書店赤坂店 文庫担当 迫新一)

文教堂 カレッタ汐留店店員

書店員:「文教堂 カレッタ汐留店」のレビュー

文教堂
文教堂|カレッタ汐留店

5年後、メディアは稼げるか? 佐々木紀彦 (著)

5年後、メディアは稼げるか?

メデイアの5年後を展望する本である…

メデイアの5年後を展望する本である。
著者は自らをガラケーを愛用するアナログ人間と言っているが、実は「東洋経済オンライン」を短期間で成功させた編集長である。
元々は紙雑誌出身の著者が、今後5年で日本のメディア界は激変すると言っている。激変するメディア界はどのように自己変革すれば「稼げる」ようになるのか。個人としてメディア人はどうしたら「稼げる」ようになるのか。

編集権の独立を中心にジャーナリズムはどうなるかという硬派の意見だけをいくら語っても、「稼ぎ」がなければメディアの独立も自立もありえない。
紙とWEBの特性の違い、あるいは流通の事情により新聞・雑誌・本の電子化はそれぞれそのスピードと限界値が異なることを、既に大きく変わっているアメリカメディア界との比較で詳細に説明している。日本の場合、過去5年で20%程落ち込んだ紙雑誌は今後5年が正念場であると著者は言う。速報性を競う内容の雑誌は消えて電子版に移行するが、デザイン・編集力の優れた「ブルータス」のような特集雑誌は残ってゆくと言う。新聞は電子との相性が良いメディアではあるが、優れた宅配制度や経営母体の強い財務体質に支えられながら、まだ直には消えることはないだろうともいう。

はた目には儲かっていそうなウェッブメディアも本当はあまり儲かってはいないそうだが、そこで「稼ぎ」を出すにはどのような方法に可能性があるのか。「広告」を面白くするということが必須の条件ではあるが、「広告」のみに収益を頼るのは限界もありリスクが伴う。あの世界最大級のPVを誇るといわれるハフィントン・ポストでも広告収入は年間40億円程度だという。また広告に頼れば当然、編集権の独立の問題も出てくる。そこで有料化の方向が出てくるがどんなメディアでもというわけにはいかないという。課金に成功したメディアとしては、フィナンシャル・タイムズ、ウオール・ストリート・ジャーナル、ニューヨークタイムズ、USニュースなど、経済系かエリート系、データ系のいずれかだという。その他課金の条件としてはブランド力と無料サイトとしての実績を上げている。これからの有料化では「メーター制」が有望だが、プレミアム会員制をとっているニコニコ動画をヒントにあげている。

また著者はウェッブのメディア人になれば成る程、「教養」が大切であることを説き、古典の読書を薦めている。嬉しい発言である。書店はエンタメ系と知識系とにゆるく分化してゆくと思われるが、書店が街場の「知」の集積場であることは変わらないと思う。


(評者:文教堂書店カレッタ汐留店 ビジネス書担当 森静男)

書店員:「文教堂 市ヶ谷店」のレビュー

文教堂
文教堂|市ヶ谷店

聖なる怠け者の冒険 森見 登美彦 (著)

聖なる怠け者の冒険

舞台は京都…

舞台は京都。物語はとある宵山の一日に起きた、狸のお面をつけた正義の味方「ぽんぽこ仮面」をめぐる出来事を描いている。ただし主人公はぽんぽこ仮面ではない。某化学企業の研究所に勤める青年である。

本書の帯にはこう書かれている。
「いまだかつて、これほどまで動かない主人公がいただろうか」
そのキャッチコピー通り、とにかく主人公の小和田君は動かない。それどころか他の登場人物が駆け回っている陰で座布団に埋もれて眠ってさえいる。そして彼は平然と「僕は人間である前に怠け者です」とまで言う。自分の周りで様々なことが起きるが怠け者であるせいかあまり動じない。怠ける為には全力を尽くす単なる怠け者でしかないように見えるが、人が良く、場の雰囲気を和ませる呑気さを持ち合わせているため、周りの人々に愛される。そしてそれを自覚している青年だ。しょうがない奴だなぁもう!とにやにやしながら読み進めてしまう愛すべきキャラクターは森見氏の作品ならでは。これは主人公だけではなく他の登場人物も然りで、小和田君の先輩とその彼女や、探偵とその助手、アルパカ似の謎の男などみな個性的で読んでいて飽きない。

本書は、賑やかな宵山に癖のある登場人物たちに加え、狸の神様や無間そば、天狗ブランなどの不思議な小ネタをごちゃ混ぜにぎゅっと詰め込んだおもちゃ箱のような作品だ。それでも根底にあるのは誰もが持っている怠け者の精神。怠けてもいいよね、人間である前に怠け者なんだもの。と思わせてくれる小説である。


(評者:文教堂書店 市ヶ谷店 吉永文)

書店員:「文教堂書店」のレビュー

文教堂
文教堂|溝ノ口本店

神武 古事記巻之二 1 (中公文庫コミック版)安彦 良和 (著)

神武 古事記巻之二 1(中公文庫コミック版)

話の謎!『大國主』こと…

今年2013年は伊勢神宮、出雲大社の遷宮が重なるミレニアムイヤーということもあり、近年稀に見る神社ブーム。
その神社ブームを象徴するかのようにひっそりと動き始めていたこの作品。
その動きに気付いた某担当者がこの商品を発掘。文教堂全店で仕掛けることとなり、今まさに爆発的な売上を築きあげている途中である。
その売上がどのくらいすごいのかと言うと、1997年初版の作品が文教堂チェーンの漫画文庫部門の売上ランキングで随時30位以内をキープ。それも仕掛けから2ヶ月間に渡り2作品合計8巻が全て30位以内に入る勢い。
当然日々出ている最新刊を押しのけてということで、これはもう驚異的としか言いようがない。

内容は機動戦士ガンダムオリジンでお馴染みの大御所、安彦良和先生が描く日本神話の謎!『大國主』ことナムジや初代天皇神武を主人公とした超大作。
スサノオと大國主との関係、そして出雲大社の成り立ちの秘密。卑弥呼や邪馬台国の謎まで安彦先生ならではの斬新的な視点で描かれている。

今まで古代史に興味がなかった方も安彦先生の作品だからこそアッサリと読めるはず。
こんな今だからこそ読んで欲しい古代史ロマン!自信のオススメ作品です。


(評者:文教堂書店 営業企画部 広報担当 會田正臣)

文教堂 三軒茶屋店店員

書店員:「文教堂 三軒茶屋店」のレビュー

文教堂
文教堂|三軒茶屋店

アラだらけ君 1 市橋 俊介 (著)

アラだらけ君 1

妙に癖になる漫画を読んだ…

妙に癖になる漫画を読んだ。
扶桑社から出ている、市橋俊介著「アラだらけ君 1」。
『「非モテ男子」大・図・鑑!』と大きく銘打たれたこの漫画は、非モテ男子を中心に、思わず笑ってしまうような男の生態を赤裸々に描いている。

「アラだらけ君」と、名前として呼称するとわかりにくいかも知れないが、要は読んで字の如く、いろんな面で粗(アラ)が異様に目立つ男性のこと。
真面目に生きているつもりなので、共感出来る部分などないはずなのだが、意外にも(そう思っているのは自分だけ?)共感してしまって「あるある」と笑ってしまった場面が結構あった。自分はなぜ女性にモテないんだろう?と毎分毎秒常に考えているような人はぜひ読んでほしい。
読んだからといってモテるようには絶対にならないが、ひとりぼっちなのは自分だけじゃないんだと、寂しさを埋めてくれる漫画ではある。
枕の下にそっと忍ばせて眠りにつけば、普通の人なら悪夢を見るとしても、非モテの人なら自分はこの世にひとりぼっちじゃないんだと安心して眠りにつくことが出来るだろう。

自分はいつでもモテ期絶好調だという人や、女性の方にももちろん読んでもらいたい。非モテの人間ってウザかったり、イタかったりするけど、実は見方を変えると可愛い存在なんだなということがわかるはず。
そして、それがわかったら、明日からと言わず今から非モテの人に優しく接してほしい。具体的には、例えば僕なら、パーティ会場で僕がひとりで孤高を気取っているように見えたら、それは話し相手がいないだけなので。どうかちょっとでいいので声をかけていただければ幸いです。

そんなわけで、モテのひとも、非モテの人も、学校の休憩時間や、職場の飲みの席などで「ウザい・イタい男達」の話をしてゲラゲラと盛り上がる感覚で読めるこの1冊。オススメです!


(評者:文教堂書店 三軒茶屋店 中川浩成)

文教堂 カレッタ汐留店店員

書店員:「文教堂 カレッタ汐留店」のレビュー

文教堂
文教堂|カレッタ汐留店

パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術 アンドリュー・ソーベル (共著)

パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術

― 「問題は何ですか?」 ―

― 「問題は何ですか?」 ―
訊く力は大切である。「何を」「如何に」質問するかによってあなたの置かれた情況が大きく変わることがある。この本にはビジネスの色々な場面での質問の成功と失敗が具体例で書かれている。

多くの人が会議や商談やプレゼンでの苦い経験を持っているだろう。複数の専門家に囲まれ、立て板に水の如きプレゼンを受けながら、結局何が言いたいのか良く分からなかった時 ― 勇気を出してプリミティブで・ラディカルな質問を発し、流れを変えることの重要さetc。
究極、「訊く」ことはソクラテスが駆使した方法論の産婆術である。

この本を読んだらあなたのビジネスはきっと進歩する。読めば得です。より上質な会議・より上質な商談が出来るようになる筈である。わかり易く、すぐに実践出来る質問例がたくさん出てくる。しかしこの本が優れているところは単なるハウツー本ではなく、コミュニケーションについて深く考えさせてくれる内容を持っている点にある。又、キャリア・ガイダンスのセミナーで出された「自分の死亡記事」を書くという意表をつく課題の話など、ビジネスだけでなくきっと人生の質も高めてくれるおすすめの1冊です。


(評者:文教堂書店カレッタ汐留店 ビジネス書担当 森静男)

書店員:「文教堂 赤坂店」のレビュー

文教堂
文教堂|赤坂店

今、話したい「学校」のこと 15歳からの複眼思考 藤原 和博 (著)

今、話したい「学校」のこと 15歳からの複眼思考

この本の著者は…

この本の著者は、東京都初の民間企業出身で校長に就任された「よのな科」でおなじみの藤原和博氏です。クリティカル・シンキングについて、判りやすくタイトル通り中学生向けに書かれていますが、大人でも充分に読み応えがあります。

前半は藤原氏が校長に就任した中学でのエピソードを中心に、クリティカル・シンキングが読み進める内に自然と理解できます。後半は学生生活や社会、経済というテーマを問題提起してあり、自分で考えるということを促しています。

頭でロールプレイをして、他にいい方法はないかブレーンストーミングをし、グループでディベートして意見を主張します。またテーマによっては、付箋を使ってマインドマップを作成もします。私たちが、ビジネススクールや研修会などお金を支払って学ぶスキルではないですか?
就任先だった杉並区立和田中学校では、授業として実施されていました。驚きですよね。

この「よのな科」という授業は、全国的に普及し始めていて、ネット上でも公開しています。興味のある方は是非そちらもご覧になってください。


(評者:文教堂書店赤坂店 小柴)

書店員:「文教堂 浜松町店」のレビュー

文教堂
文教堂|浜松町店

ひなた弁当 (中公文庫)山本 甲士 (著)

ひなた弁当(中公文庫)

ビジネス街で…

ビジネス街で売れ始めて現在では全国で静かなブームになっています。
当店でも7月のベスト10に入っています。

最初は切ない話が続きます。会社の常務に草野球でデッドボールを当てて怒られたり、上司にひどい形でリストラされたり、家族に愛想を尽かされ口をきいてもらえなかったり・・・。読んでいて自分と重ね合わせて涙を浮かべてしまうのは私だけではないでしょう。(泣)そんな主人公が生き抜く術を思いつきます。それはお金をかけずにお弁当を作って売ること・・・。公園に落ちているどんぐりを煮たり、山に生えている野草を天ぷらにしたり、極めつけは川でうなぎをとって蒲焼きに!

お弁当の味の良さと彼の人の好さがお客さんをどんどん増やしていきます。彼のお弁当がお客さんを幸せにするだけでなく、昔の意地悪な上司、冷たかった家族、そして彼自身をも幸せにしていきます。会社勤めでは気付かない大切なことを教えてくれるのがこの『ひなた弁当』!!会社を辞めたくなったら是非読んでみて下さい。背中を押してくれますよ。心がじんわり熱くなるとてもよい本だと思います。


(評者:文教堂書店浜松町店 文庫担当 前田直希)

書店員:「文教堂 二子玉川店」のレビュー

文教堂
文教堂|二子玉川店

野心のすすめ (講談社現代新書)林 真理子 (著)

野心のすすめ(講談社現代新書)

一生、低め安定でいいの?…

一生、低め安定でいいの? と問いかける本書は直木賞作家の林真理子さんが常に自分の将来を見据えて挑戦し続けることの大切さを自身の半生を交えて説いた面白く可笑しくも結構深い人生論です。

華やかに人生を謳歌していると思われがちな著者が、学生時代いじめにあっていたことや、就職活動で40社以上の会社に落とされた話など決して平たんではない過去があったからこそ語れる野心をもつとはどういうことかが書かれています。

・やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの後悔は日々大きくなる。
・自分が何も努力せずに誰かが引き上げてくれるなんてことはありえない。
・人に否定されたら悔しい気持ちをパワーに変えていきましょう。

など、心に響く言葉ばかり・・・

女性に圧倒的支持のある林真理子さんですが、本書は今まで著者のエッセイや小説を読んだことがない、男性や若い方にも是非、読んで頂きたい1冊です。
著者の熱いメッセージに色々と考えさせられました・・・


(評者:文教堂書店二子玉川店 文庫、新書担当 秋庭千保)

書店員:「文教堂 市ヶ谷店」のレビュー

文教堂
文教堂|市ヶ谷店

奇跡 ジミー・ペイジ自伝 ジミー・ペイジ (述)

奇跡 ジミー・ペイジ自伝

「レッド・ツェッペリン」、私は…

「レッド・ツェッペリン」、私はこの名前を聞くと心踊らずにはいられないくらい好きな、ロック界における最高峰のモンスターバンドで、その中心人物であり、ギタリスト&プロデューサーであるのが、この本に書かれている「ジミー・ペイジ」です。

この本が決定的であると言えるのは、マスコミ嫌いで長年メディアとの距離を置いてきた彼が、デビュー前の若かりし頃から、解散後30年以上経つ最近の話まで、50時間以上にもおよぶインタビューが記載されており、私自身も初めて耳にするような内容、伝説的なロックバンドの当時の破天荒な偉業の数々や、数多の名曲のレコーディングに関する事柄まで詳細に語られているからです。

「奇跡 ジミー・ペイジ自伝」を読めば、ファンなら新しい発見があると思うし、ファンでなくても、この不世出の天才が創り上げた名曲の数々を必ず聞きたくなるでしょう。


(評者:文教堂書店市ヶ谷店 実用書担当 藤澤雅樹)

文教堂 三軒茶屋店店員

書店員:「文教堂 三軒茶屋店」のレビュー

文教堂
文教堂|三軒茶屋店

失恋探偵ももせ 1 (電撃文庫)岬 鷺宮 (著)

失恋探偵ももせ 1(電撃文庫)

“電撃文庫から出たから”というわけではないが…

“電撃文庫から出たから”というわけではないが、恋愛小説の傑作がひとつ、電撃のごとく登場した。岬鷺宮の「失恋探偵ももせ」がそれだ。

北海道の高校を舞台に、「恋に破れた人のために失恋の真実を解き明かす」という活動を続けている『失恋探偵』こと千代田百瀬と野々村九十九。
彼らは幾つもの恋の悩みを解き明かしてきたが、やがて避けては通れない事実と向き合うことになってしまい……。

当初、知人に薦められて軽い気持ちで読んだのだが、たちまちにして本作ならびに著者のファンになってしまった。天才作家がコメントを寄せているのも、超人気イラストレーターがイラストを担当しているのもうなずける。
情感に溢れ、綺麗で読みやすい文章で綴られたこの作品は、驚くほどの浸透性をもって読者の中に入り込み、そして胸を打つ。まるで恋を歌った歌みたいだ。

僕はこの作品を、誰かを好きになったことのあるひとにすすめたい。
(まあ、つまり、すべてのひとに薦めたい)
読み終えた後もずっと余韻が続く、切なくも素敵な青春探偵物語。
恋したいひと、恋しているひと、恋を忘れたひと。
あなたの恋はミステリーですか?


(評者:アニメガ文教堂三軒茶屋店 アニメガ部門・文庫部門担当 中川浩成)


●書店からのお知らせ●

文教堂三軒茶屋店は5月1日より、アニメガ文教堂三軒茶屋店としてリニューアルオープン。
コミックから人気アニメグッズまで豊富に取り揃え、地域一番店としてお客様のご来店を心よりお待ちいたしております。

書店員:「文教堂 赤坂店」のレビュー

文教堂
文教堂|赤坂店

僕は明日もお客さまに会いに行く。 川田修

僕は明日もお客さまに会いに行く。

新卒社員向けに思われがち…

新卒社員向けに思われがちな、ストーリー仕立てのビジネス書ではありますが、社会人25年目の私でも、ハッとさせられ基本を見直す良いきっかけになった一冊です。

著者は、外資系企業の現役トップセールスでもある、ベストセラー『かばんはハンカチの上に置きなさい』を書かれた川田修氏。自身の経験に基づいた物語になっているのでわかりやすく、読みやすい文体です。

物語をかいつまんで解説させてもらうと、主人公は、口だけの20代サラリーマン。ある日、会社から派遣されたメンター山野井と出会い、営業の仕事において大切なことを、1つずつ教えてもらうことになる。すぐに結果を出したい主人公と、結果までのプロセスを大切に考えるメンター。

若手社員だけでなく、コーチングをしなければならない立場の30・40代のリーダーに是非読んでもらいたいです。


(評者:文教堂書店 赤坂店 須藤)

書店員:「文教堂 浜松町店」のレビュー

文教堂
文教堂|浜松町店

「糖質オフ!」健康法 (PHP文庫)江部康二

「糖質オフ!」健康法(PHP文庫)

もともと糖質制限をして…

もともと糖質制限をして健康になる本として糖尿病予備軍の方に売れていましたが、ここにきて夏までに痩せたい方、健康診断前に少しでも数値を良くしたい方にも支持をされ始め、当店のロングセラーになっています。

実際、私の知り合いで始めた人間がいるのですが、効果がすぐに表れたそうです。例えば血糖値は143から86といったように。その他にも、脂肪肝も、中性脂肪も、コレステロール値も正常範囲内になり、2ヵ月後には体重が17キロ減ってスーツをすべて作り直したと嘆いていました。本人にとってはうれしい悲鳴なのでしょうが・・・。

こうした成功体験をきくとさぞかしつらい健康法ではないの?と思うかもしれませんが本書を読むとこんなに楽でいいの?とびっくりするほど簡単なことばかり。肉や魚はたっぷり食べてOKだし、お酒は焼酎とウイスキーだったら問題なし、マヨネーズもバターも気にせず使ってよいのです。いけないことは糖質をとること、つまりお米やパン、ビールなど糖質を多く含むものを制限しなくてはならないのです。

それって難しいんじゃないの?といって諦めないでください。徐々に体質もかわってくる!と著者も私の知り合いも断言しています。詳しいことは本書に書かれていますのでぜひ読んでみてください。薄毛にもいいそうですよ。お腹がぽっこりでて、禿げてきた私もすぐに始めようと思います。


(評者:文教堂書店 浜松町店 文庫担当 前田直希)

文教堂 カレッタ汐留店店員

書店員:「文教堂 カレッタ汐留店」のレビュー

文教堂
文教堂|カレッタ汐留店

価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか? リー・コールドウェル (著)

価格の心理学 なぜ、カフェのコーヒーは「高い」と思わないのか?

― 980円は1000円よりたくさん売れるか? YES!でも何故? ―

モノの値段とは原価に利潤を加えたものだと単純に思っていたが実はナカナカ複雑である。価格設定は他社製品との競合によるポジショニング、消費者の価値意識(ベネフィット)等々の関数的要素により需要曲線は変化してゆく。この本には「チョコレートポット」という架空商品の販売計画を立てる上での価格戦略がセールスプロモーションと共に実践的に書かれている。鰻重の値段が(この本に鰻は出てこないが)特上・松・竹・梅、の4段階とすると顧客は一番上と一番下を対象から外し、残った松と竹の中から上を選択するのが一般的。つまり売る側はこの「松」をメインの商品として販売戦略を立てることになり、この戦略は容易である。

しかし消費者にとって、難しい選択もある。例えば、携帯電話の料金。自分の行動基準を考えて会社とプランを選択するが、実際にどの会社のどのプランが自分にとってお得なのかを正確に判断することはとても困難である。なぜなら、このセット料金には自分の行動上実際に使うものと結局は使わない「保険的」意味の料金がセットになっているからである。「セット料金」には実に様々なものがあるが、(フリーもこの中に含まれる)、このセット料金戦略こそ、売手と買手のバトルであり現在の販売戦略・価格戦略の最前線であるといえる。

社会学の宮台真司的に言えば消費に関しても我々は「任せて文句をたれる作法」ではなく「引き受けて考える作法」を身につけなければいけないのだ。消費者も賢さが求められる時代なのである。


(評者:文教堂書店 カレッタ汐留店 ビジネス書担当 森静男)

文教堂 三軒茶屋店店員

書店員:「文教堂 三軒茶屋店」のレビュー

文教堂
文教堂|三軒茶屋店

スクールセイバー (小学館文庫)須藤 靖貴 (著)

スクールセイバー(小学館文庫)

先日、出身高校の先輩と…

先日、出身高校の先輩と偶然知り合う機会があった。
個性的な教師達の思い話に花が咲き、酒も美味しく飲めた。
ところで、個性的な教師達といえば、思わず胸が熱くなるような
教師達を主人公にした痛快で爽快な小説が出た。
須藤靖貴「スクールセイバー」だ。

学内で起きた事件を人知れず速やかに解決に導く。
そんな教師の集まりが、ひと呼んでスクールセイバー。
お呼びとあらば即参上!とばかりにアクティブだが、
もつ焼き屋に集って、謎を解いて事件を解決するというのが味があって実に面白い。

読めば飲みたくなる。
飲めば読みたくなる。
胸がすき、腹も空く。
そんな小説だ。

旨い酒と旨い肴と「スクールセイバー」
(なんだかCMの謳い文句みたいになってしまった)

読むときはぜひもつ焼き屋で読んでほしい。
「どこかにいそう」いや、「どこかにいてほしい」
そんな教師達の活躍に涙したとき、「煙が目にしみた」と誤魔化せる。
ついでにもつを喰って酒を飲めば、
明日への活力が沸いてくること間違いなしの逸品だ。


(評者:文教堂書店 三軒茶屋店 文庫担当 中川浩成)

書店員:「文教堂 市ヶ谷店」のレビュー

文教堂
文教堂|市ヶ谷店

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯 フランク・ブレイディー (著)

完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯

冷戦下、長きにわたり…

冷戦下、長きにわたりチェス界のトップに君臨し続けたソ連を破り、国家の威信をかけて世界の頂点に立ったチェスプレイヤーがいた。

その名は『ボビー・フィッシャー』。

伝説的な名を刻むクイーンを捨て駒とする大胆華麗な「世紀の一局」を13歳で達成し、14歳で全米チャンピオンになったフィッシャー。
アメリカの神童と呼ばれた彼はいかにしてチェスと出会い、その後どのようにして世界チャンピオンになったのか。そして世界チャンピオン以後の彼の激しい奇行、その生涯とは。本書は、天才チェスプレイヤー『ボビー・フィッシャー』の生涯とその評伝である。

チェスに対するフィッシャーの強い探求心、情熱はチェスが解らない者でもチェスを、そしてフィッシャーを魅力あるものに変えていく。
「神童」「天才」と彼が言われ続けた所以は天賦の才だけではなく自分への決して揺るがない自信と強い信念、そして並はずれた努力の賜物ではないかと感じる。

その反面、彼の自信と強い信念はフィッシャーの人生においては彼を取り巻く人達、環境を、そして彼自身をも生涯苦しめるものとなる。
フィッシャーの人生は常に光と影が織りなす万華鏡のようであり、それはまさしく白と黒の盤からなるチェスそのもののように感じる。

チェスでも人生でも生涯フィッシャーは戦い挑み続けた。
『ボビー・フィッシャー』の中には妥協という言葉が一切存在しない。
その生き様は私達に『挑む』という信念を教えてくれる。


(評者:文教堂書店 市ヶ谷店 中村彩乃)

書店員:「文教堂 二子玉川店」のレビュー

文教堂
文教堂|二子玉川店

いつやるか?今でしょ! 今すぐできる45の自分改造術! 林 修 (著)

いつやるか?今でしょ! 今すぐできる45の自分改造術!

授業を受講したことがある人なら…

授業を受講したことがある人ならわかりますが、筆者の話す内容はいつだって多岐に渡っています。
予備校の先生ですから、文豪のエピソードや大学のことは勿論ですが、凡そ自分の専門とは関係の無い理系の最先端の研究内容や、地理・歴史から派生しての名物・グルメ、はたまたOA中のドラマ、お笑い芸人のネタ、時にはギャンブルまで。
授業をあれだけやりながら、どこにこれだけのことをする時間があるんだろうかと不思議に思いますが、どれも筆者のバイタリティと時間遣いの上手さ、周りの素晴らしき人々を感じさせてくれるエピソードたちばかりです。
授業ではいつも『上の世界』を体現させてくれて、「自分であそこまで行かなきゃ。」と思うように、無言で叱咤してくれるのが先生のスタイルでしたが、本書を読んでいると、以前に受けたあの授業をまた受けているかのような感覚が蘇ります。筆者の経験(お金も時間も途方も無く使ったであろう…)が、凝縮された一冊だと思います。


(評者:文教堂書店 二子玉川店 学参担当 佐藤牧夫)

60 件中 21 件~ 40 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。