ジュンク堂書店 郡山店/MARUZEN 郡山店(文具)書店員レビュー一覧
ジュンク堂書店 郡山店/MARUZEN 郡山店(文具)書店員レビューを100件掲載しています。1~20件目をご紹介します。
| 検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示 |
書店員:「ジュンク堂書店 郡山店」のレビュー
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指鬘物語 田口ランディ (著)
掌編24作品!
著者初の掌編小説。著者がなぜ指をめぐる掌編を書こうと思ったのか、あとがきに書いているのだが理由(視点)がすごい。
生と死、いじめや介護、悪徳商法や信仰、放射線など日常の中にある問題もテーマにしつつ、その中で生きる凄さや愛情がぎゅっと書かれている。
一日一編ずつじっくり読み、その日のとっておきの一文(ことば)を見つけるのも良いのではないだろうか。そして何よりこの著者が書く女性は、これでもかというくらい「女の性」をさらすのに、清々しくてカッコいいのが不思議で堪らない。加えて、不器用だったり、子どもっぽい男性を愛をもって書いているのが伝わってくるのが、またおもしろい。
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ゴースト≠ノイズ〈リダクション〉 (創元推理文庫) 十市社 (著)
よくある青春小説ではありません。
繊細な高校生の心の動きが美しい表現で描かれていて、切ない気持ちと愛おしい気持ちがこみあげてきました。物語の中で目まぐるしく変わる展開にどんどん引き込まれてしまいました。

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ワンダー R.J.パラシオ (作)
年代問わず、すべての人に読んでほしい!
児童書なので、やさしい文章が素直に心に響きます。大きなハンデを抱えた少年の健気な強さに、途中何度も涙をこらえました。

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現実入門 ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫) 穂村 弘 (著)
あとがき、しびれます!
穂村さんが出版社の美人担当者サクマさんと、初めての〇〇を体験していく面白エッセイなんですが、最後の展開にちょっとびっくりしてしまいました。そしてあとがきを読んだとき一瞬頭が真っ白になった後、心を鷲づかみにされました。

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絶叫 葉真中 顕 (著)
絶望から抜け出せない一人の女性は
目を背けたくなるような無惨な姿で発見された女性、その人生はとても幸せとは呼べないものでした。母親から愛されることなく大人になりちょっとした心の弱さで一気に転落していくのですが、もしかしたら誰にでも起こりえるのではないかと感じてしまう恐ろしさが、最後まで離れませんでした。

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闇に香る噓 下村 敦史 (著)
読み始めたら止められない
こんな感覚で本を読んだのは初めてかもしれません。実家の母親と暮らしている「兄」は本当の兄なのか?その真相を追うミステリーなのですが、大きく異なるのは主人公が全盲の男性だということです。目が見えない人たちの苦労を、私はどれだけ理解できていたのでしょうか。車が行き交う交差点や駅のホームでは、一歩足を踏み出すのさえ死の恐怖が襲います。その細かい描写に引き込まれ、読んでいて息苦しくなってきます。そこへ多くの謎と正体不明の人々、いったい何を信じていいのか分からなくなります。すべてが明らかになるまで本を閉じることはできません。

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夜の床屋 (創元推理文庫) 沢村 浩輔 (著)
最後まで読み終えた時、物語が一変する
深夜山奥の無人駅で大学生が目にしたのは、一軒だけ明かりのついた理髪店。また別の話では、朝目が覚めると、寝室の絨毯が無くなっていたなど、大学生が謎を解く爽やかな連作短編集だと思いながら読んでいると、中盤から全く予想もつかない展開にあ然となりました。これまでの物語の世界観が一変するんです。とまどいながらも読み続け最後のページを終えた時、整理したいことがありすぎて改めて物語を思い返すことになるはずです。これがデビュー作とは・・・。

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リバース 相場 英雄 (著)
福島の現実
三知シリーズが大好きで第3弾を楽しみにしていたら舞台がここ福島、読む前から興奮しました。
原発事故のせいで全く人気の無くなった街並み、人に見てもらうために咲くはずなのに誰も見ることのない桜、そして詐欺などたくさんの犯罪が起きてしまっています。登場する警察官のみなさんは、そんな辛い現実に本気で怒り、必死に犯人を追い詰めます。その熱い想いと、福島の人たちの心に寄り添ってくれていることが本当にうれしかったです。

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太宰治の辞書 北村 薫 (著)
太宰が好きなら
読み終わった後に溢れ出たものは、本が好きでよかった、太宰が好きでよかったという想いでした。本を読むことでその作家の人となりを知ることもいいですが、太宰治が使った辞書を探す、なんて魅力的な旅でしょうか!
人間太宰治が少しだけ身近に感じた、うれしい体験でした。

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火花 又吉 直樹 (著)
芸人とは
いくら努力してもそしていくら笑いを愛していても、見る人がおもしろいと思わなければ消えてしまうそんな厳しい世界で、悲しいほど笑いに生きた二人の芸人神谷とその後輩徳永。芸人とは職業ではなく、生き様なんだと分かりました。

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小野寺の弟・小野寺の姉 (幻冬舎文庫) 西田 征史 (著)
これは映画もおもしろいはず!!
33歳の弟と40歳の姉、二人きりの生活がこんなにも羨ましいなんて。毎日の何気ない会話の中から、普段は素っ気ない弟の姉を思いやる気持ちが伝わってきて、日常が暖かくて素敵なんです。特に姉のより子大好きです。真面目で一生懸命で弟のことを心配して支え続けているのに、いざ自分のことになると不器用になってしまう、そんな姿がいじらしくて・・・。誰よりも幸せになってほしいと思うのですが、弟と二人で生活している今がとても幸せにも思えるのです。

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我慢ならない女 桂 望実 (著)
作家の苦しみ
一人の女性作家とその作家に尽くす姪。その関係は一般的な叔母と姪とはかけ離れたものでした。口が悪く相手を気遣うなんて少しも考えない女性を、どうしてそこまで献身的に支えるのか疑問でした。しかし強い信念と大きな才能を持つ一人の作家に惹かれ、自分だけに心を開いてくれたと気づいた時、お互いかけがえのない存在になったのだと思います。物語を生み出すことがどんなに大変なことか分かってると思っていましたが、身を削るようにして執筆するその姿は鬼気迫るものがありました。

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アリス殺し (創元クライム・クラブ) 小林 泰三 (著)
完璧なファンタジーとミステリーの融合!
あの有名な不思議の国のアリスの世界と現実の世界、それぞれで起こる殺人事件の解明に乗り出すアリスと、大学院生の栗栖川亜理。最初はファンタジーの世界を楽しんでいたのですが、実は様々なトリックが隠されていて気を抜くことができません。そして次々に起こるまさかの展開にいつの間にかページが進み、この不思議な世界に入り込んでしまいました。

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それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫) 吉田 篤弘 (著)
やさしい時間
印象的なタイトルに惹かれて読み始めたら、この小説好きだってすぐ分かりました。昔の映画をこよなく愛する青年とませた少年、そしてマダムことアパートの大家さんと小さな映画館で出会う緑色の帽子をかぶった初老の女性。その静かに流れる日常はまるでおしゃれな映画のようでした。その中でも一番の魅力は登場する食べ物です。映画館の温かいポップコーン、人生を変えてしまうほどのサンドイッチ、名前はつけられないけれど、とにかくおいしく作るという思いを込めて作ったスープ。実際に口にすることはできないのに想像がどんどんふくらんで、まるで自分が味わっているかのようでした。最後に登場する名なしのスープの作り方、これだけでも読んでほしいです。

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雪月花黙示録 恩田 陸 (著)
こんなかっこいい日本もいいかも
恩田陸作品は、読むたびに全く違う世界を見せてくれます。
刀を操るミヤコの民と近未来の文明持つ帝国主義が共存する世界です。始めのうちは現代との違いに戸惑うのですが、読み進めたら何の違和感もなくただ、登場人物の紫風、蘇芳、萌黄の三人に釘づけでした。

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きみはいい子 (ポプラ文庫) 中脇 初枝 (著)
みんないい子
「きみはいい子だよ」って言ってあげること、そして抱きしめてあげることが、苦しんでる子供達を助ける唯一の手段かもしれません。虐待は100%大人が悪いのに、子供が悩み苦しみ命を落してしまうこともある。こんなこと絶対にあってはいけないと誰もが思うはずなのに・・・。
自分の子供じゃなくても周りにいる大人が見守り助けることが、人間としての大きな責任だと思いました。

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フォルトゥナの瞳 百田 尚樹 (著)
なぜよりによって
肉親を亡くし友人も恋人も作らず心を閉ざしていた青年が、ある日突然人の死が見えるようになります。普通超能力と呼ばれるものは一度手に入れてみたいと思うのですが、こんな悲しい力…。しかも真面目で人の気持ちを思いやることができる彼にとって、その力は辛いものでしかないはずです。誰にも打ち明けずひとりそんな運命に苦しむ姿に、私はただ普通の幸せを手に入れてほしいと願うだけでした。

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ふるさと銀河線 (双葉文庫) 高田 郁 (著)
あなたの大切な人は?
高田さんの時代小説も大好きですが、初の現代の家族を描いた短編集たまらなく心に響きました。それぞれが大きな壁にぶつかってどんなに絶望したとしても、支えてくれる家族や友人の愛情と優しさに触れたとき、暗闇の先にある小さな光を見つけることができるかもしれません。一つの短編でまるで一冊の小説を読んだような感動と余韻を味わうことができる、上質な短編集です。

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乱反射 (朝日文庫) 貫井 徳郎 (著)
他人事だと思いますか?
読んだのはだいぶ前なのにずっと心に引っかかっている本です。
たとえば家庭ごみをコンビニのごみ箱に捨てたり、犬の散歩中にフンの始末をしなかったなどのマナー違反や迷惑な行為を、ちょっとぐらいとか自分だけならと軽い気持ちでしてしまったことはありませんか?そういう行為が重なることで、取り返しがつかない事が起きてしまうかもしれない。
これは決してありえない話ではありません。

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にょっ記 穂村 弘 (著)
にょっ!!
日記形式で綴られた、ふわふわしてゆる~いエッセイです。
勉強や仕事で疲れた時に、頭の中を空っぽにして1日ずつの短い文章を眺めてみれば、ほんの少し不思議な日常を覗くことができますよ。
度々出てくる何か分からない動物のキャラクターがシュールで気になります。このちょっとズレた世界観にもっと浸りたい方は、続編のにょにょっ記もぜひ。
