一話目でコメディだと...

一話目でコメディだと思ったら二話目で絶句した。
（そして三話目でちょっとうるっときた）

ナンダコレ……？
何だこれ！？
なんだこれ！　
……というわけで、発売前からネットや「このマンガがすごい！」などで注目作として名前が挙がっていた作品がついに発売しました。

少年少女の不器用でどうしようもなくてままならないすれ違いや空回りといった人間関係や歪さをコミカルで痛々しく、ポップで毒々しく描いた短編オムニバスなのですが……おそろしい作品ですよ。
読んでいる内に少しずつテンポやリズムが狂わされ、言葉はどんどんズレてゆき、不意打ちのように台詞やコマが飛んでくる中、気付けば心がざわついたまま放置されている。

好き嫌いのある作風だとは思うのですが、心に痛くてこわくて悲しくて仕方ない二話目などは、この著者以外に描ける人はなかなか居ないのではないでしょうか。
間違いなく今年注目しておくべき一冊。ホント、おそろしい作品ですよ。

余談ですが、著者がWeb上で公開している「大好きが虫はタダシくんの」という漫画もお薦めしておきます。

（卯）