短歌をもとにした7つ...

短歌をもとにした7つの掌編小説。
短いお話がそれぞれ繋がっていて、ぐるりと輪になり、
木の根のように入り組んでもいる。
この7つの歌が、どれも良い。
がつんとした強さはないけれど、あとからふわっと漂ってきて、
いつまでも心に残る。
どこにでもありそうだけど、触れるにはなかなか遠い世界のお話。
著者の桝野浩一氏が、新宿二丁目で出会った人々のことや
自身の体験を元に書いたというが、
會本久美子さんの幻想的なイラストもあいまって、
現実的でありながらもお伽噺のような趣きです。

文芸書担当　西村