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現実を無視した空理空...

現実を無視した空理空論ばかりを唱えた反原発本が多い中、
この本は今の日本を現実を真正面からとらえつつ今後どう
舵取りを進めていけばよいかが書かれている素晴らしい本だ。

特に私が共感したのは、この期に及んで世界一電気料金が高いのは
東電の体質のせいだという鬼の首を取ったような主張に対する
中野氏の反論だ。
今空前の円高であるこの情勢や資源小国である日本がそうであっても
全く不思議ではないし、しかも世界一高くはないという事実が
エネルギー白書にきちんと書かれているそうな。

また脱原発を推し進めると、当面その分のエネルギーを火力発電で
賄うことになる。その結果ＣＯ２排出が増えることが必然。
以前鳩山元首相が国連で２０２０年までにＣＯ２を２５％
削減するという公約はどうなるのかという森本氏のご指摘も正論。

原発は危ないからやめようというのは、包丁で指切ってしまったので
使うのはやめよう、火を起こしたけれどやけどしてしまったから
やめようという思考に似ていると思います。

我々に必要なのは、現実を無視した理想主義ではなく現実を見据えた
理想主義だとこの本で考えさせられた。

藤沢店社会担当