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2011年はケンタウ...

2011年はケンタウロス漫画年でしたね。

『竜の学校は山の上』収録「現代神話」。
えすとえむさんの『はたらけ、ケンタウロス！』『equus』。
少年マガジン連載の『ゼウスの種』。

そして2011年、単行本を最も待たれていたのが、この『セントールの悩み』なのです。

竜人、角人、翼人……。
私たちとは違う生物進化を経た世界を、ケンタウロスの女子高生・「姫」こと君原姫乃を中心に描いていく「住人はファンタジー、世界は日常」な日常漫画です。
ただし、ただの日常漫画と侮るなかれ。
同じ日常であっても、住人が違えば形態の違いからくる様々な生活様式などが私たちとは違ってきます。
そういった部分が非常に細かく設定されているのです。

また、「姿かたちの大きな違いを持つ世界」を描くことで、私たち（違いの少ない世界）への辛辣なメッセージも見えてくるという、そういった興味深さも持った作品にもなっています。

「ファンタジーは設定が命」とよく言われます。
この作品は、その「命」を強く輝かせることで、様々な角度に光を放つ作品なのではないでしょうか。

（卯）