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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 新宿店店員

書店員:「ジュンク堂書店新宿店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|新宿店

ジョルジョ・モランディ 静謐の画家と激動の時代 ジャネット・アブラモヴィッチ (著)

ジョルジョ・モランディ 静謐の画家と激動の時代

「詩人でさえ、最終的...

「詩人でさえ、最終的には自然と死の敵意と戦わねばならない…現実の不安、恐怖感、それがモランディのあの甘美な花の絵のすべてです。」──終章の題辞に掲げられている、G・バッサーニの小説からの引用であるこの短い一節には、〈孤高と静謐の画家〉モランディの絵画作品がもつ一般的なイメージからは遠いもう一つの側面が、きわめて端的な形で言い表されているように思われる。息詰まる緊張をはらみ、存在の安寧への渇望と非在=虚無への恐れとのあいだで震えながら屹立しているかに見えるあれら物体たちの肖像。その輪郭を蚕食せんばかりに迫り寄り、蠢く背景の色。
これまでモランディについては、隠遁者めいた孤絶性という〈神話〉が強調されるあまり、特に20~40年代の激動期における同時代の政治的、文化的状況との複雑な関わりが半ば意図的に無視されてきた感がある。そこに著者はメスを入れ、発生当初はより広義の意味合いを持っていた〈ファシズム運動〉との微妙に近しい関係にも触れつつ、あの不幸で混乱した時代の矛盾の渦中を生きた画家の全体像を描き出す。そして、そうした暴虐にみちた世界と彼の〈静謐な〉絵画とを繋ぐ隘路をも浮かび上がらせる。井上

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