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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

書店員:「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店

不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話 クロード・シャブロル (著)

不完全さの醍醐味 クロード・シャブロルとの対話

 クロード・シャブロ...

 クロード・シャブロルはヌーヴェル・ヴァーグ三羽烏の一人だが、その早熟ぶりは他と一線を画す。処女作から長編をものにし、青春映画からの脱却が商業映画への堕落と見なされた。一貫して作家性を維持しているのだが。
 尊敬を隠さぬラングの簡潔さ、ヒッチコックの倫理性、そしてルノワールの奔放さをシャブロルが咀嚼すると、精緻なフレーミングに比して歪な人物像や構図、色彩を配し、ブルジョワへの憎悪を滲ませた独特の殺意、狂気が迸る。底知れぬ悪意は中期の《オードラン=エレーヌ》諸作でピークに達する。
 犯罪映画を撮り続けながら評価の毀誉褒貶の激しいシャブロル。撮り続けることが作家の一番の目標と掲げるあたりは押井守の先駆者だが、彼ほど作家性を前面に押し出さない。さりげない演出法を求めた真摯な作家を通俗作家扱いした評論家風情の無知さ加減は今に始まらない。日本でも中条省平の評論くらいしか読むべきシャブロル論は存在しない。蓮實、四方田、加藤幹郎すべて甘い。いまだ全貌の解明されぬ悪意の連鎖はまさに「愛の地獄」のラストのように「SANS FIN」(終わりなし)である。
   MJ梅田店 黒書店員 D

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