これはもはや“入試の...

これはもはや“入試の為ための参考書”を超えているといって過言ではないと思う。
まず、類書の中でこれほどまでに著者の想いが溢れているものはないし、（例えば、現代文がどのような歴史を経て、今私たちに届いているのか等という事は一般入試には必要のない知識ではあるが、しかしそれなくしては現代文が語る本質を見抜くことはできない。そういった参考書に於いて一見無価値のような、あるいは合理的ではない事項も著者が伝える想いとなって、簡単ではあるが書かれている点がよい）また、多くが暗記に陥りやすい中で、読み易く、参考書といえども楽しめる本書は誠に稀有な存在である。
今、現代を生きるものにとって智慧の在り処を探し求め彷徨うとき、本書があればおかしな道に迷うこともあるまい。
大きな光とはならずとも、手元を灯す蝋燭のような一冊といえるだろう。

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