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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂書店・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂書店 池袋本店店員

書店員:「ジュンク堂書店池袋本店」のレビュー

ジュンク堂書店
ジュンク堂書店|池袋本店

非道に生きる 園 子温 (著)

非道に生きる

芸術には元来、人間が生きる社会の中にある

芸術には元来、人間が生きる社会の中にある病理やタブーを描写し抉り出す機能があります。しかし現代日本において市場に流通する芸術作品のほとんどは、そのような力を発揮することなく、社会性とは切り離された無難で安全なものとして消費されているのが現状です。本書の著者である映画監督園子温は、そんな我が国の現状の中では例外的に、社会と切り結ぶ挑戦的で刺激的な表現活動を続けています。

彼は自らの映画作品において、人間や社会の暗部を描くことを恐れません。自殺・近親相姦・他者への暴力、そして原発問題。目を背けたくなるような「痛い」テーマであっても恐れずにそれに取り組み、人間が抱え込んでいる本質的な問題に到達することを目指す彼の創作は、「言ってはいけないこと」だらけになりつつある日本社会の窮屈さを吹き飛ばそうとするかのような自由さに満ちています。

本書では、園自身の言葉によって彼の半生と思想が語られていますが、「刹那」というフレーズが、あたかもキーワードであるかのように頻繁に登場します。「この刹那を後悔しないために、より人間的であるために」(p.174)。彼にとって、生きるということはその一瞬一瞬を全力で生きる、ということを意味しています。嘘をつくこと、保身に走ること、目の前の社会や現実から目を背けること。「いま、ここ」のこの瞬間を台無しにしてしまうようなそんな態度ではなく、一瞬一瞬の「刹那」を正直に、本気で生きることを、園は強い言葉で主張しています。

本書に冠されたタイトル、「非道に生きる」。あらかじめ他人にセッティングされた「道」にあらざる生き方を絶えず探し求めていく人生観を、このタイトルは指し示しているのでしょう。希有なこの表現者の生き様に、本書を通して是非触れてみてください。


(評者:ジュンク堂 池袋本店 芸術書担当 下田裕之)

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