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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂  店員

書店員:「ジュンク堂」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|

神の代理人 (新潮文庫)塩野 七生 (著)

神の代理人(新潮文庫)

告白するが黒書店員はシオニストではない。

告白するが黒書店員はシオニストではない。ローマ人もチェーザレも読むには読んだが、どこか違和感を隠せない。一度原稿もオチた。しかし、本書は塩野七生しか描けない真のイタリアものである。ようやく新潮文庫版が出た。
 十字軍が失敗に終わりレコンキスタが終焉する15世紀後半ローマの教会の権威もまた失墜しつつあった。そんな中新たな十字軍派遣を目論んだピオ二世、悪徳を尽くしたとされるロドリーゴ・ボルジアことアレッサンドロ六世、彼の宿敵でありその死後法王になるも、前任者同様大国を利用して教会の権威を高めようとしてイタリア戦争を招く貧民上がりのジュリオ二世、そしてフィレンツェ・メディチ家出身で最年少で法王になるもルネサンスに散財しルターの宗教改革の槍玉に上がる浪費家レオーネ(レオ)十世。半世紀間のこれら4人の法王を描くことでイタリアの現在につながる政治を垣間見る。
 文体はなるほど初期の小説仕立て交じりで作者も若書きと認めている。しかし大所高所から達観した視点で俯瞰するのでない動乱のイタリアの生々しさは歴史家でない作家・塩野七生の透徹した視点があってこそである。
   黒書店員 D

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