書店員レビュー一覧

表紙のかわいい巫女を見てのジャ…

表紙のかわいい巫女を見てのジャケ買いは危険です。
内容紹介の「美少女探偵が～」で
｢お嬢様の目は節穴でございますか」的ユーモアや、
古本屋の女主人が事件を解いてみんなが幸せになる
様なミステリーを期待してもいけません。
巷では本書が初の麻耶体験の読者が多かったらしく、書名で検索すれば
痛い目を見た方々のブログなどがたくさん見つかります。
しかし一方では極端に良い評価の方々も多くいます。
麻耶は癖のある作家なのです。
本書は麻耶作品の中でも（これでも）一番読みやすく、入門書的な作品ですが、
いろいろ深読みすれば゛操り゛や゛後期クイーン問題゛に絡む
変態的ロジカル推理を楽しめる奥の深い作品でもあります。
本書を読んで「これは面白い!!」と感じられた
稀有なあなた、あなたは選ばれたのです。
新装版として蘇ったデビュー作「翼ある闇」、それに続く「夏と冬の奏鳴曲」
（現在入手困難ですが・・）、そしてその後の作品もぜひ読んで道を踏み外して欲しいと思います。
おっと、内容を全然紹介していませんが、
書評というのは気持ちが入っていれば内容なんて紹介しなくて良いと思いますがどうでしょう？

サト