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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂書店・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂書店 池袋本店店員

書店員:「ジュンク堂書店池袋本店」のレビュー

ジュンク堂書店
ジュンク堂書店|池袋本店

社会学ウシジマくん 難波 功士 (著)

社会学ウシジマくん

社会学って…

社会学って、高校の授業で学ぶわけではないし、通過しない人にとってはいつまでたってもなんだかよくわからない学問、ですんでしまっている人も多いのではだろうか。
かくいう私も、社会学がどういう学問なのかきちんとわかってはおらず、今の仕事で社会学の本を棚に並べなくてはならなくなって、あわてて社会学の入門書を読んだりしたが、実社会の様々な現象を扱う学問なのだ、というぐらいのことしかつかめなかった。

著者は、こんななんだか形容しがたい社会学について、人々に興味を失って欲しくない、という気持ちもありつつ、自身も、17年の社会学の学者としての生業を振り返った時に、社会学という学問に対して昔感じていた頃の魅力をあまり感じなくなってきた、と述べる。そんな時思い当たったのが、ビッグコミックスピリッツで連載し、TVドラマ化を経て映画にもなった『闇金ウシジマくん』のこと。「社会学ってこんなことだったんじゃないのかなぁ」という読後感を抱いたという。

この本は、『闇金ウシジマくん』に出てくる様々な社会現象(ご存知の通り闇金融を舞台としたお話しなので、犯罪、暴力、貧困、格差などの、社会学的テーマには事欠かない)から、著者のいう「自分の中の社会学(的なもの)」を掘り起こしていく作業を経て書かれている。

そしてこの書き方が、社会学の多様性と魅力を伝えることに十分に成功しているといえる。書店で行うフェアの書目に、度々難波氏の著作を選ぶことがあり、そういった点でも氏の著作に関して内容の質の高さと普遍性を感じていたが、タイトルの軽さに反して、内容はかなり「本気」だ。現代日本社会の様々な問題点が社会学的にどうとりあげられ、分析されているか、を知るのは自分が抱えている問題についても多くのヒントを与えてくれるはずである。


(評者:ジュンク堂書店 池袋本店 人文書担当 森暁子)

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