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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 三宮店店員

書店員:「ジュンク堂書店三宮店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|三宮店

ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」 Essays on works and reception of Lassen in Japan 原田 裕規 (編著)

ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」 Essays on works and reception of Lassen in Japan

偉大?な画家への、初めての評論

クリスチャン・ラッセンは、言うまでもなく日本で最も有名な、かつ人気のあるアーティストの一人である。仮に彼の名前を知らずとも、鮮やかなブルーをメインに配色し、リアルなイルカやクジラが躍動するその絵は、美術に興味のない人でも一度は見たことがあるだろう。
 一方で、彼の絵を芸術的に評価する者は殆んどいない。専門家はもちろんのこと、我々のような素人でも、彼の絵を見て「上手い」「綺麗だ」とは思えども、「美しい」「深い」と感じる者はそう多くないように思う。どこかしら「軽さ」が漂うのだ。また、悪徳商法のモチーフにしばしば彼の絵が登場することを見ても、多くの人がラッセンに、芸術性よりも商業性を強く感じているのは間違いないだろう。
 本書は、何故ラッセンがそのような扱いを受けるのかをまとめた、本邦初のラッセン論である。これまで語ることすら恥と見られてきたラッセンを改めて分析し、作家性や人気を得た理由を知ることは、美術史論的に決して小さなことではないと感じる。ラッセンが大好きな人も大嫌いな人も、一読して「ラッセンとは何だったのか?」を改めて考えてみて欲しい。

芸術書担当 小松

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