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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 仙台ロフト店店員

書店員:「ジュンク堂書店仙台ロフト店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|仙台ロフト店

時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)R.F.ヤング (ほか著)

時を生きる種族 ファンタスティック時間SF傑作選(創元SF文庫)

時間SFの醍醐味

前作『時の娘』に続いて、時間をテーマにしたアンソロジーの今作『時を生きる種族』。
表紙にはお馴染みロバート・F・ヤングの名前が見えるので、前作の様にロマンス寄りの作品が多く読めるのでは?と思うかもしれません。(白状すると自分もそうでした)
ところが今作は割と骨太な作品が多く、かなり温度差の激しい一冊となっております。

時における概念を、我々とは変わった視点でとらえる主人公を描いた表題作「時を生きる種族」(大御所マイケル・ムアコックの作品ですが、物語もさることながら舞台となる世界観の表現が実に素敵です)
周りに流されるまま生きていた内気な女性が、ある日思い切って買った高価な外套。そこから始まる不思議な出会いと、ささやかな時の優しさを感じる結末に、思わず頬がゆるむ「緑のベルベットの外套を買った日」。
そして、とある場末の映画館で流された驚きの歴史映像。それを見た主人公と彼を取り巻く仲間達の平和への葛藤を克明に描いた「努力」(この作品が書かれたのは1947年ですが、インターネットが発達した現在では既に作中に近い出来事が起こりつつあります)

特に最後に収められている「努力」は時間SFと言う名目ですが、国家の大義とその下に埋もれる悲惨な現実を、冷静に淡々と描いた名作ではないでしょうか。(古書でしか読めなかった本作が、再び読めるとは!)

この他にも、本書には様々な形で時間をテーマにした作品が収められています。
昔からこういったアンソロジーは度々刊行されていますが、この様なジャンルに興味のある方には是非御一読をお勧めいたします。



追記
もし、もっとこの様な本が読みたいのであれば、以前新潮社さんから刊行されていました『タイム・トラベラー 時間SFコレクション』も是非に。ただし、残念ながら絶版となって久しいのですが・・・。
こんな時タイムマシンが欲しいと思うのは、きっと自分だけでは無いでしょう。

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