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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 池袋本店店員

書店員:「ジュンク堂書店池袋本店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|池袋本店

KOHEI NAWA|SANDWICH CREATIVE PLATFORM FOR CONTEMPORARY ART 名和 晃平 (著)

KOHEI NAWA|SANDWICH CREATIVE PLATFORM FOR CONTEMPORARY ART

SANDWICHから生まれていった作品やプロジェクトの軌跡

「表皮」「Cell(=細胞)」という概念をコンセプトとして掲げ、様々な素材・マテリアルを駆使して制作を続ける現代美術家、名和晃平。本書は、彼が主催するクリエイティブ・プラットフォームSANDWICHの、約5年に及ぶこれまでの制作活動をまとめた1冊です。

SANDWICHは、京都市伏見区の宇治川沿いにあったサンドイッチ工場跡をリノベーションしたスペースであり、アーティストやデザイナー、建築家など、様々な作家たちが空間をシェアし、その創作活動を共有するスタジオです。オフィスやアーティストレジデンス、ワークショップスペース等の機能に対応し、様々なジャンルの人間が出入りする空間・組織として、SANDWICHは国内でも稀有な存在感を放っています。

本書では、作品の図版も多く使用しながら、このSANDWICHから生まれていった作品やプロジェクトの軌跡が辿られていきます。名和のテキストと共に紹介されるそれらの作品たちは、彫刻からインスタレーション、プロモーションビデオ制作から果ては個人宅のリノベーションまで、驚くほど様々な形態を持っています。「ART」「ARCHITECTURE」「GRAPHIC」など複数の制作チームを擁し、外部のスタッフとも連携・作業共有していくSANDWICHの可変的な制作スタイルが、このような多岐に渡る活動を可能にしている要因のひとつであると言えるでしょう。

名和の創作には、人間の「感覚」の位相の極限を追求し対象化しようとするような志向や、「感覚」に肉薄することで人間の「内面」や「物語」を超越しようとする意志を感じさせるところがあります。その彼が組織する運動体が、自分自身が立て篭もる牙城のようなスタジオではなく、可変性を持ったフリーフォームな集団であるということは、何か彼の作家性を象徴する行動であるようにも思われ、私には非常に興味深く感じられました。


(評者:ジュンク堂書店池袋本店 芸術書担当 下田裕之)

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