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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示

ジュンク堂 福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)店員

書店員:「ジュンク堂書店福岡店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

ヒート (実業之日本社文庫)堂場 瞬一 (著)

ヒート(実業之日本社文庫)

ペースメーカーは世界記録の夢を見るか?

頑張っていいのか?俺はまだ走れるのか?走っていいのか?

ハーフマラソンの元日本記録保持者・甲本の元に、神奈川県の職員である音無が訪ねてくる。何かのイベントへのお誘いかと期待した甲本だったが、音無の口から告げられたのは新しく開かれる大会、天才ランナー・山城に世界記録を出させる、ただそれだけのために開催される東海道マラソンでのペースメーカーの依頼であった。まだ現役のランナーである甲本は反発し、依頼を断るのだが……。

堂場瞬一の手によるマラソン小説。警察小説でかなりの人気を誇る作家ですが、デビュー作は実はスポーツ小説であり今でも結構な頻度で発表されています。この小説はそんな作品の中の一つであり、大学駅伝を描いた作品・「チーム」の続編となります。とはいっても前作を読まなくても全く問題ない作りになっていますので、「チーム」未読の方でも十分に楽しむことが出来ます。

前半部分は、主にマラソン大会を成立させるために奔走する音無の視点で描かれます。知事からのとんでもない無茶ぶりに悪戦苦闘する公僕ぶりにはなんだか同情の念を覚えてしまいますが、結構ノリノリでマラソンのコース選びをしていたりするあたり、この男なかなかタフである。後半部分は、いよいよ東海道マラソンがスタート。音無、甲本、山城。三者三様の思いが渦巻くレースは、誰もが予想し得なかった展開へと突き進んでいきます。

これは本当に面白かった!ただのスポーツ小説ではなく良質の人間ドラマに仕上がっており、音無、甲本、山城とそれぞれの視点から丹念に描写される物語は、レースの盛り上がりに合わせて読者をぐいぐいと引き込んでいきます。個人的には特に甲本の視点がお気に入りで、非常に人間臭くありながら結局は陸上馬鹿である彼の姿は、応援せずにはいられません。

冒頭の一文は、最終盤の甲本の心理描写より。物語とレースは、ここから一気にラストスパート!が、最後にある意味驚愕の展開が……。続編は、続編はまだかーーー!!

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