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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示

ジュンク堂 福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)店員

書店員:「ジュンク堂書店福岡店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

真夏の異邦人 超常現象研究会のフィールドワーク (集英社文庫)喜多 喜久 (著)

真夏の異邦人 超常現象研究会のフィールドワーク(集英社文庫)

不思議な少女との不思議な出会いの物語

大学一年生の星原俊平が〈超常現象研究会〉の先輩たちと訪れた故郷の村で出会ったのは、蒼色の瞳をした不思議な少女・ユーナ。山の中に突然現れた黒い「棺」の中で眠っていたユーナに惹かれる俊平だったが、現代科学では説明できないような現象を起こす彼女は、俊平が頑なに否定する『ある存在』を連想させた。そんな折、彼女と出会った場所の近くで人間の手首が発見され、俊平は否応なく事件に巻き込まれていく……。
 
『化学探偵Mr.キュリー』シリーズ(中公文庫刊)で人気の作者の手による、SF青春ミステリー。故郷の村で起きた動物の不審死、そして発見される人間の手首というミステリーらしい要素に、キャトルミューティレーションに謎の飛行物体と実にSFチックな要素を絡ませ、物語は揺れ動いていきます。そこにさらに超常現象研究会の面々に怪しげなセミナーの主催者、そして不思議な少女が加わることにより、物語は先を読むことも難しい展開に。最後に判明する真相には全ての要素が織り込まれており、SFとミステリーという上手く組み合わせることが難しいジャンルを、しっかりと「SFミステリー」として成立させています。

登場人物も個性の強い面々ばかりですが、やはりこの物語の中心となっているのは星原俊平とユーナの二人。中学時代のある出来事により、オカルトを頑なに否定するようになった俊平。そんな彼の前に現れたユーナという少女は、実に可憐であり、実に不思議な少女です。彼女に惹かれながらも、その彼女の真実に辿り着くことを恐れる姿は、どこか滑稽でありながらも「青春」という物を強く感じさせてくれます。

おそらく一冊で完結と思われる本作ですが、なかなかに物語の先が気になる終わり方。実に良い締め方だったのでこのまま完結というのもありなのですが、個人的にはぜひとも続きが出て欲しい作品でありました。

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