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狩りガールが旅するおいしいのはじまり

狩猟本の増える近頃、女性がハンターとなって狩りに臨む本が目立ってきました。
本書は東京のOLであった著者が鹿肉を食べ、そのおいしさの始まりを知るためハンターとなり、一匹の小鹿をしとめるまでの記録となっています。

やさしいタッチの絵でマンガ形式で展開されていく中で時に食欲を煽り、時に生命を向き合う厳しさを、シンプルにしかしずしりと伝えてくれます。
私がまだ田舎で暮らしていた幼い頃、鹿が捕まると近隣の家で分け合い食べていましたが、それを食べることがこんなにも大変で奥深いものであったとは、露ほども考えていませんでした。ハンターになったわけでもなく、自分で締めたこともない今も、本当の意味での理解には程遠いと感じます。
ですが、おいしい!と言うと、笑って「そうだろう、鹿はうめえんだ」と言っていたおじさんたち。本書を読んだ今思うと、
その言葉も昔とは違う響きをもって聞こえる気がします。

狩り、ジビエ、ハンター、自分でとって食べることに関心のある方にぜひオススメしたい一冊です。