書店員レビュー一覧
丸善・ジュンク堂書店・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。1~20件目をご紹介します。
書店員:「丸善札幌北一条店」のレビュー
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- 丸善|札幌北一条店
ゴーン・ガール 上 (小学館文庫)ギリアン・フリン (著)
ロザムンド・パイクも当たり役かと思います
私ごとですが最近結婚しまして、家に変えれば奥さんがいる生活を送っております。
結婚歴の長い諸先輩方には鼻で笑われそうですが、一緒に居るからといって
お互いのことが何でも分かり合えるわけではなく、そこを埋めていくのが
結婚生活の醍醐味なのかも・・・と最近思います。あっ、幸せにやってます大丈夫です。
さて、本書は実話をもとにしているそうで、結婚5年目の若い夫婦、結婚記念日に奥さんが失踪しちゃって旦那が探し回る、出も意外と奥さんのことを知らなくてガクゼン・・というのが大筋っちゃあ大筋なんですが、「じつは○○が××で」という紹介をしちゃうとネタばれになってしまう困ったサスペンスです。
全編コンゲームというか心理戦というか・・これでも若干ばらしちゃってます。
まぁ、ドロッとしてますわ。手放しで面白い!!といえる作品では無いですが、
男性でも女性でもドロッとした小説が好きな方は楽しめるのではないでしょうか。
<以下若干ネタばれ>
レビューを見ると「女はこわい」、「結婚したくなくなる」等々、エイミーをヘイトするものが多い気がしますが、僕はこの小説は「旦那の間抜けぶりを愉しむ」サスペンスとして大いに楽しく読みました。
まだ観てませんが、デビット・フィンチャーの映画が原作に忠実で評判が良いらしいでが、確かにベン・アフレックの隠そうとしてもにじみ出るまぬけ感はナイスキャスティングだと思います。本人も分かってて演じてる、と思いたい。
いやね、女性は復讐する生き物ですから。これはやりすぎかもしれませんがこのくらいやられる覚悟をしなきゃ悪いことしちゃダメですよ、旦那は。
上で男女とも楽しめると書きましたが、是非、世の若い旦那さんは読むべきです。
読んで「キュッ」っとなる感じ(どこが?)を愉しむ「M読」が本書の正しい読み方かと考えます。僕はいまだに背中がなんだかサワサワしてます。