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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)店員

書店員:「ジュンク堂書店福岡店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

君の色に耳をすまして (メディアワークス文庫)小川 晴央 (著)

君の色に耳をすまして(メディアワークス文庫)

声の色が見える少年は、透明な少女と出会った。

“声の色”で他人の感情を知ることが出来る。芸術大学に通う杉野誠一は、自分の持つ能力に悩まされながらも、先輩の我妻に振り回される大学生活を送っていた。そんなある日、誠一たちの作品作りに加わったのは、『川澄真冬』という一人の女の子。とある事情で声を失った彼女の声の色はどこまでも透明で、誠一は少しずつ彼女に惹かれていくが……。

声の色で感情を“見る”少年と、声を失った“透明”な少女のボーイ・ミーツ・ガールストーリー。電撃小説大賞金賞を受賞した前作、「僕が七不思議になったわけ」でデビューした著者・小川晴央さんの二作品目となります。前作は高校、今作は大学と舞台は異なりますが、ボーイ・ミーツ・ガールに少しファンタジー要素を加えた作風は健在。ただ明るく笑える青春モノではなく、ヒロインである川澄真冬の秘密など、物語中に少しずつ置かれている伏線、そしてその回収にも上手さが光ります。

主人公である誠一が人付き合いが苦手なせいか、この作品の登場人物はあまり多くありません。しかしそんなことを感じさせないほどに“濃い”キャラクターなのが、誠一を振り回す我妻先輩の存在。ひとたび合コンに参加すればギリギリセクハラ(※セクハラギリギリではない)、後輩に授業の代返をさせる、学食では天ぷらをだまし取ろうとするなど、なかなかにダメな面が目立ちます。しかしいつも本気なその性格は、声の色を気にする必要がなく、誠一が気兼ねなく一緒にいられる数少ない“友人”の一人でもあります。

爽やかさと苦さ、青春の二つの要素が上手く混ざり合いながら物語は進み、そして最後に明かされる少女の秘密。ぜひご一読ください。

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