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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 ロフト名古屋店店員

書店員:「ジュンク堂書店ロフト名古屋店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|ロフト名古屋店

イスラーム銀行 金融と国際経済 小杉 泰 (著)

イスラーム銀行 金融と国際経済

いかにして利子を取らない銀行は生まれたのか

 銀行をはじめとする金融活動に利子は不可欠なものである。一方でイスラームは利子(リバー)を取ることを禁止している。1970年代に誕生したイスラーム銀行は当然、利子を取らない。金融の「常識」に反する試みは、当時の経済人からは懐疑的にみられ、すぐに挫折するものだろうと考えられていた。ところが現実は挫折するどころか、金融危機に揺らぐ従来型の金融のスタイルに対する、もうひとつの選択肢として期待する意見もあがるようになった。
 イスラームの教えを理念として展開される金融活動の概説書である。宗教と金儲けは相容れるべきでないものと思われがちだが、イスラームでは教えに反しない限り金儲けはむしろ奨励されている。こうした視点からみたとき、ムスリムの根本義務である五行のうち、信仰告白以外の四つはすべて経済・商業活動に結びついていることがわかる。これはイスラーム成立の過程を改めて見てみれば不思議なことではねい。それではなぜイスラームは利子を禁止しているのか?イスラームの経済思想をも時代を遡りながらみていく。
 こうして生まれたイスラーム銀行が提供する金融商品はシャリーア(イスラーム法)に基づくチェックをうけている。私たちが日本でうける銀行の金融サービスと比べてみるのもまた面白い。
 歴史的にみてイスラームが体系的な金融システムを持ったのはイスラーム銀行が初である。そして利子を取らないという金融システムに挑戦するという二つの点がイスラーム金融の「新しさ」である。現状はまだ発展途上段階であり、その可能性はまだ未知数である。イスラーム金融のイロハをコンパクトにまとめたこの一冊は、今後の国際経済とイスラームの避けては通れない関わりを考える上で読んでおいて損はないであろう。

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