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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 三宮駅前店店員

書店員:「ジュンク堂書店三宮駅前店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|三宮駅前店

リインカーネーションリバイバル 西田 大輔 (著)

リインカーネーションリバイバル

「リンカネ」シリーズ第三弾!

リインカーネーション。通称「リンカネ」シリーズと呼ばれる人気舞台の、第三弾の戯曲本である。

リンカネは三国志をモチーフにした、壮大な物語だ。
曹操、劉備、孫権、関羽や張飛、三国志ファンに馴染み深い英雄たちが出てくるのはもちろん、天の龍の子供「龍生九子」が絡む歴史ファンタジーになっているのが、このシリーズの特色だろう。
龍生九子は、群雄割拠の時代を生きる英雄たちを見出し、「天下の才」を与える代わりに、重い「業」を背負わせる。
天下を目指す英雄たちは、その「業」とどう向き合い戦うのか。
その苦悩や葛藤から生まれるドラマには、自然と胸が熱くなる。

一作目で長坂の戦い。二作目で赤壁の戦いを描いたリンカネシリーズ。
三つ目の本作は、時代が遡り、黄巾の乱が題材だ。
乱の中心人物・張角は、本作ではあたかもジャンヌ・ダルクのような、天の声を聞き民衆を導く少女である。
舞台で張角を演じたのは、佃井皆美さん。
「仮面ライダー鎧武/ガイム」の湊耀子/仮面ライダーマリカ役などが記憶に新しい、細身の身体から繰り出されるキレのあるアクションが魅力的な女優である。

リンカネの英雄たちは、皆それぞれ、原典の三国志に負けないほど個性的で魅力的で、そしていつも誰かのために思いを馳せて戦っている。
著者・西田大輔氏の芝居は、殺陣の多さがひとつの特徴だ。
その点、戯曲本に書かれた文字から、殺陣のアクションの様子はうかがい知れない。
だが、ここに記された登場人物たちの、台詞の強さを見てほしい。
きっと、身体を動かし立ち回るだけが殺陣ではない。
役者が台詞に思いを乗せて発するのもまた、戦うということなのだ。
この戯曲本に書かれている文字のひとつひとつは、劇作家が役者に与えた、台詞という「戦う術」である。
そう思わせてくれるほどに、西田氏の描く世界と言葉は、文句なしにかっこいい。

リンカネは全部で七作になる予定だという。
この2015年末から2016年始にかけて、四作目が上演されたばかり。
ちなみに四作目では官渡の戦いが描かれた。
次作上演はまだ先だ。今までのシリーズを知らない人も、戯曲本を読みつつ過去作の内容を知り、次作に備えるには十分な時間がある。
舞台を見た人は、あの光景を思い出しながら。
見ていない人も、台詞の中に英雄たちの息吹を感じつつ、楽しめる一冊となっている。

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