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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

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ジュンク堂 福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)店員

書店員:「ジュンク堂書店福岡店」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

カタナなでしこ 榊 一郎 (著)

カタナなでしこ

一振りの『カタナ』が少女たちを成長させていく

「刀は刀でそれ自体は何も変わってないと思います。確かに人殺しの道具のままなんでしょう。変わったのは私達のほうです。日本刀という凶器に凶器以外の目的とか理由を見つけた。それは――そんなに許されないことなんでしょうか?」

女子高生の千鶴は、遺品整理に訪れた祖父の家の蔵で、木箱に納められた刀身のみの日本刀を見つける。朝に見たばかりの夢に出てきたものと全く同じに見えるその刀は、祖父の家から自宅に戻ってからも、千鶴の心のどこかになんとなく留まり続けていた。そんな話を、学校の補習で新しくできた友人・鏡美と音々に話したことをきっかけに、その日本刀の拵(こしら)え一式をグループワークとして作ってしまおうという話が持ち上がり……

趣味も嗜好も性格もバラバラな4人の女子高生。彼女たちが始めたのは『日本刀の拵え』を作ること。当然全員が素人であり、まず最初に何から手を付ければいいのか、そもそも一口に『拵え』と言っても、どんなものを指すのかどんなものがあるのかすら分かりません。時には1人で時には4人で、時には周りの大人たちの手を借りつつ。さまざまな問題に直面しつつも、作業は少しずつ少しずつ進んでいきます。そして刀が完成に近づいていくにつれ、家族の過去を知り、将来の夢を再確認し、自分の気持ちに気付き、自分への認識を新たにし。4人の少女たちは精神的にも大きく成長していきます。

ここで冒頭の台詞について。作中でも語られていますが、日本刀というのは元々は『人殺しの道具』であり『凶器』です。しかし、人や時代が変われば、モノやコトバの持つ意味も変わっていきます。現代における日本刀というのは、美術品・芸術品しての側面を持っていますし、昨今では刀を擬人化したゲームが人気を博しており、侍が腰に佩いて闊歩していた時代よりも、ある意味では身近で日常的なものとなっているのかもしれません。

拵え作りの中で、4人の少女たちが刀に見出したのは一体何なのか。よろしければご一読ください。

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