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農業、はじめてみませんか。

農業というと、とにかく広大なイメージがある。
広大な土地、高額の器具、多くの人手を割いて、長い時間をかけてゆっくりと野菜を育てて売る。
そんな良くも悪くものんびりとしたイメージが先行しすぎていて、脱サラからの起農を夢見たものの、初期費用で躓いてしまい、結局夢が夢のまま終わる……なんてことも多いだろう。

本書は、そんな夢見るサラリーマンにぴったりな一冊だ。
「自称日本一小さい専業農家」を営む著者が、加工や直売など独自の手法を取り入れることによって、借金をせずとも起農に成功したノウハウを紹介している。
例えば狭い面積で効率よく野菜を作る方法や、地域に密着した売り込み方など、小規模農家だからこそできるコツが満載だ。

「欲張らない」をモットーに掲げる小さい農業とは、すなわち「ミニマム主義」に通じると著者は説く。
農業のイメージを覆すコンパクトな農業の形は、もしかしたら今の世の中で一番幸せに近い場所なのかもしれない。

理工書担当　宮澤