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書店員レビュー一覧

丸善・ジュンク堂・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 100 件中 1 件~ 20 件を表示

書店員:「ジュンク堂書店福岡店スタッフ」のレビュー

ジュンク堂
ジュンク堂|福岡店/MARUZEN 福岡店(文具)

あしたはひとりにしてくれ (文春文庫)竹宮ゆゆこ (著)

あしたはひとりにしてくれ(文春文庫)

1人の少年の物語。そしてある家族の物語。

都内の難関高校に通い、仲の良い友だちもいる。父と母の自慢の息子であり、妹にも懐かれている。居候の高野橋さんとの仲も良好だ。……でもこんな生活はまやかしだ。本当は自分のモノではない。心に湧き上がるそんな衝動を、彼は秘密の場所に埋めているくまのぬいぐるみにぶつけることで解消していた。地面の中から伸びてきた手に、自分の手を掴まれた今日までは。

「とらドラ!」などで知られる作家・竹宮ゆゆこの、文春文庫での第一作目。切れ味の鋭いギャグと、心に迫るシリアス。一つの作品に二つの要素を融合させる技術は、今作でも健在。少し変わった家族のアットホームなコメディと、心に闇を抱えた少年の葛藤とを、絶妙なバランスで描写しています。

本作の主人公となるのは月岡瑛人。優等生で家族との仲も良いという、外見にはごく普通の高校生です。しかしある事情から、誰にも言えない衝動を心の中に抱え込んでいました。そんな瑛人の前に突然現れたのが、謎の女性・アイス。彼女との出会いをきっかけに、瑛人は自分と家族について、あらためて考えさせられていきます。

色々と秘密を抱えている人物が出てくる本作ですが、そんな作品に明るさをもたらしてくれるのが、瑛人の家族である月岡家の面々。居候を2人も受け入れる度量の広い両親に、バカだけど底抜けに明るい妹。この3人の存在が、この物語をシリアスなだけでは終わらせません。

竹宮ゆゆこの作品を知らない方には、はじめての一冊として。竹宮ゆゆこのファンには、期待通りの一冊として。どちらの方にもおすすめできる作品ですので、よろしければご一読下さい。

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