書店員レビュー一覧
丸善・ジュンク堂書店・文教堂書店の書店員レビューを100件掲載しています。1~20件目をご紹介します。
書店員:「担当者」のレビュー
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星星の火 2 福田和代 (著)
通訳捜査官・城正臣と、相棒の上月刑事が帰ってきた!
通訳捜査官・城正臣と、相棒の上月刑事が帰ってきた!
警視庁の通訳センターで、中国語を担当する型破りな通訳捜査官・城正臣は、奥さんに逃げられ、4歳の娘を抱えて育児と仕事に奔走する「イクメン」。
官舎の隣に住むのは、保安課に勤務するカタブツの刑事・上月千里。
前作『星星の火』(双葉社文庫)で、池袋に根づく中国人社会にどっぷりとつかった彼らが、今度は謎の組織「赤い虎」に対峙します。
いちど罪を犯したけれど、なんとか立ち直ろうともがく李学智、彼の更生を支援する運送会社の社長、ふたたび悪の世界に引きずりこもうとする房啓天。
売春組織の摘発や、殺人事件の捜査を通じて、城と上月は少しずつ「赤い虎」の正体に迫るのですが――。
今回のテーマは、「更生」と「コミュニケーション」です。著者は、『バベル』(文藝春秋)、『怪物』(集英社)など、人と人をつなぐ「言葉」と「コミュニケーション」をテーマに取り上げてきましたが、『星星の火』シリーズで登場した「通訳捜査官」の存在にも、ぜひご注目ください。
中国と日本。今後いっそう身近に感じることが予想される「隣人」の存在に、思いを馳せる一冊です。
前作『星星の火』と合わせて、ぜひ。