1. hontoトップ
  2. hontoのBL専門フロア すわんぷ
  3. BLニュース
  4. BL倶楽部 Season 16 “種族を超えた愛に震える!人外BL”
ディープな沼にLet's ダイブ!
テーマに沿ってBLを語りつくす!すわんぷ BL倶楽部

Season 16 “種族を超えた愛に震える!人外BL”

こちらが焦れてしまう程のイチャラブっぷりが展開されていて最高です!(部員:森臣)

『食べてもおいしくありません』作:山田2丁目

人外BLがテーマの漫画、本当に増えてますよね!魅力はやはり、愛情が種族の垣根を超えるところだと思います。育った環境も体質も正反対の2人が、相手のことを知ろうとする過程……周りに止められても抑えきれない想い……まさに純愛!しかし、人外BL漫画は敷居が高いと感じる方もいらっしゃるでしょう。今回はそんな方でも安心して読める『食べてもおいしくありません』をご紹介します!

この物語の世界では、鬼と人間が共存しています。人間は1割しかいないレアな存在です。平常時の鬼の見た目は人間とほとんど変わりません。しかし人間はツノが生えていないのに対し、鬼は興奮するとツノが大きくなるという違いがあります。

主人公の日和七生は人間であることを隠して高校に通っていました。ところがある日、クラスメイトの穂高仁に人間だと勘付かれてしまいます。日和が穂高を保健室に運んだ際、間近で日和の匂いを嗅いだのが人間バレの原因です。人間はツノが疼くほど甘い香りがします。日和へのキスや耳舐めで絶品だと気付いた穂高は、周囲に人間だとバラさない代わりに捕食(性的接触)させてほしいと日和に迫り――!?

前述したとおり鬼と人間の容姿はほぼ同じです。そのため、人外BL漫画ビギナーでも拒絶反応が起こりにくいでしょう。しかし、鬼と人間の体質・考え方の違いはしっかり描かれているので、人外BL漫画の醍醐味を存分に味わえますよ!たとえば鬼が頭を悩ませるツノの成長痛は人間には起こり得ません。また、別の種族から美味しそうな匂いがして我慢できなくなるのも鬼特有の感情です。こういったところから生まれるすれ違いが新鮮で、ページを捲る手が止まらなくなります……!

また、作品全体のエロ度が高めなのも魅力的です。人間を捕食したい本能に抗えない鬼と、防衛本能から恐怖を快楽へ変換してしまう人間。初めての感覚に驚きながらも呑まれ溺れていく2人――作中では穂高が日和を呼び出し、人気の無い階段で濃厚なディープキスをする場面がたくさんあります。そのときの日和の蕩け顔が堪らない!瞳を潤ませ頬を染める様子は垂涎モノ。山田2丁目先生、流石です!これは穂高が食べちゃいたくなる気持ちも理解できます。第3話では空き教室で立ちバックするシーンもあり、背徳感に滾ってしまいましたね。

『食べてもおいしくありません』は現在第3巻まで発売中です。こちらが焦れてしまう程のイチャラブっぷりが展開されていて最高なので、ぜひ読んでみてください!

▼作品詳細はこちら!

山あり谷ありの刺激的でドラマティックな人外BLに挑戦してみては?(部員:LUI)

『発情』作:岩本薫

人外BL!やっとこのテーマが回ってきました!!待ってました!!!

人外モノが大好きで、今までいろんなレーベルから出てるいろんな作家さんの作品を読んできました。正直、ご紹介する1冊を絞るのめちゃくちゃ難しかったです(汗)そんな苦渋の決断の末、今回は岩本薫先生の『発情』を取り上げることにしました。

表紙だけだと「ん?人外はどこに??」となるかもしれませんが、実はメガネの男性を押し倒してるナイスバディの色男は人狼と呼ばれる特別な種族なのです。彼の名前は神宮寺峻王(じんぐうじたかお)といい、普段は人間の姿をとって社会に溶け込み、いざというときには狼の姿に変身することができます。

峻王の一族は代々人狼の家系であり、峻王の父や兄弟も同じく人狼です。実家はヤクザをやっているため、彼の粗野で俺様な性格はそんな家庭環境からきているのかもしれません。また、峻王は見た目がかなり大人びていますが、これでもまだ16歳の高校生。現在通っている高校の数学教師が本作の受けになります。

その教師の名前は立花侑希(たちばなゆうき)といい、峻王とは10歳違いの26歳。真面目で大人しいタイプの先生です。授業などの質問にはとても丁寧に答えてくれる人なんですけど、なんとなく生徒からは舐められていそうな印象を受けます(笑)←

ではそんな正反対な2人(しかも先生と生徒!)がどうやって恋人になっていったのでしょうか?

きっかけは、タイトルにもなっている発情です。峻王は、人狼という特別な身体を持つことから、思春期になって訪れる発情期の症状を校内でも持て余していたのです。空き教室で女子生徒を相手に発情を発散させているところを立花先生に見つかり、その日から女子生徒の代わりとして先生を無理矢理抱くようになりました。

真面目な立花先生は、「生徒と関係を持つなんてダメだ!」となんとかやめさせようとしましたが、力では全く峻王に敵わず……。結局ずるずると体の関係が続いていくことになります。そんな中で峻王が普通の人間ではないことを知り、驚きを隠せない立花先生。普通人間がいきなり狼になるとかあり得ないですし、狼が自分を傷つけるのではないかと怖くなってしまうのが通常の反応だと思います。

しかし立花先生は、徐々に狼になった峻王とも逃げずに向き合い、受け入れていくようになります。学校ではナヨナヨしてそうな感じだったけど、本当はすごく強い人なんだなあ……!とちょっと感動しちゃいました。個人的には狼になった峻王を先生が「あったかい!」と言いながら抱きしめたシーンが萌えです♡

やっぱりありのままの自分を受け入れてくれる人が、家族以外で現れるというのは峻王にも嬉しいことだったんでしょうね。今まで先生に対してぶっきらぼうだった言葉や行動が、16歳の高校生なりに、不器用ではあるけど優しさを内包するようになっていきます。俺様タイプの峻王が、立花先生に骨抜きになって誰よりも溺愛するようになっていくこの展開が、萌えに溢れてて超絶癒されます( ´ ▽ ` )♡

このように、お互いの違いを理解しようと歩み寄っていくところが、人外×人間モノの見所だと私は思っています。同じ種族で結ばれるよりも相互理解のための努力がより求められますし、自分たちは納得していても周りの理解が得られないこともあるでしょう。人外モノだからこそ生まれる壁や、それを乗り越えることで得た強固な絆が「良いもの読んだなあ」という読了後の満足感に結びついていきます。

終始平和に終わるほのぼの系作品も大好きですが、たまには山あり谷ありの刺激的でドラマティックな人外BLに挑戦してみるのはいかがでしょうか?

ちなみに『発情』はシリーズものになっていて、他の巻では峻王一家にいる他の人狼のお話も読めちゃいます。峻王と立花先生がメインでない巻でも、ちょこちょこ2人のその後が読めたりするので楽しいです!もしよかったら続編のほうも併せて読んでみてくださいね♪

▼作品詳細はこちら!

読めば読むほど味の出る人外BLですから、ぜひお試しあれ!!(部員:桃子)

『食べないの? おおかみさん。』作:小石川あお

獣人・ケモミミ系から吸血鬼・サキュバス・神様など、属性も組み合わせも多種多様な人外BL。種族を超えた愛だからこそ、よりキュンとしますよね!!

今回は、数多い作品の中から特にお気に入りの作品をご紹介します。
小石川あお先生の『食べないの? おおかみさん。』です。

森の奥に住む狼男・ウルと、彼への生贄にされてしまった子供・太郎のお話。

まるで童話の絵本のような空気感を持ち、ちょっと切なくて泣ける…
だけど、最後はとても幸せなハッピー気分にしてくれる心温まる作品です。

ストーリーは、幸せそうに暮らしているウルと太郎の様子から始まりますね。
そして、幼い太郎がお酒や野菜と一緒に生贄として捨てられて届いたシーンから、いかにウルが愛情こめて育ててきたのか…具体的によくわかるシーンが次々と描かれていきます。

それはもう、ウルは過保護すぎるぐらい太郎を大切に大切に育てているんです。

そして後半に入ってくると、そんな幸せな生活に大きな変化が起こってきます。

太郎は狼男に食べられてしまうのか?
ふたりはどうなってしまうのか?

最後までは、ファンタジー要素もさらに強くなり最高に面白いです。
そして泣ける!!

この作品の見どころって3つあると思うんですよ。

① ウルと太郎のお互いへの想いの大きな違いと共通点
② 太郎を「食べる」という意味の変化
③ 実際の童話を感じるストーリーや描写

<1つ目の見どころについて。>

出だしからお互いがお互いをとても愛していることがわかるわけですが…
その想いには、大きな違いがあるんですよね。

ウルには、太郎と森でずっと一緒に暮らしてはいけないと思う理由があって、自分の元から逃げ出せるように…自分ひとりの力で生きていけるように…と、世話をやいています。

健康面はもちろんのこと、本を読んで勉強させたり・歌や踊りを教えたり・テーブルマナーを覚えさせたり…

最初は単純に、小さな太郎が可愛くて溺愛しているのかって思ってたんですけど、ストーリーが進むにつれて別れの準備をしているのだとわかります。

一方で太郎は、本当に大人になったらウルに食べてもらうつもりでいます。

彼からすれば、大好きなウルの思う通りにしてあげたいっていうのもあるだろうし、食べられることで捨てられた自分も価値のある必要な存在だったと思いたいんです。もう捨てられたくないという気持ちもあるでしょう。

太郎に自分の元から逃げて幸せになってほしいと願うウル。
ウルに美味しく食べてもらおうと努力を惜しまない太郎。

お互いを愛しているからこそ、真逆の想いを持っている彼等ですが、共通の想いも心の奥底に持っていることは間違いありません。

それは、ずっと一緒にいたいという気持ちですね。
毎日の幸せそうな生活の描写の中に、ふたりの様々な深い想いが入っていて、胸をしめつけられます。


<2つ目の見どころについて>

最初の頃はただ単純の意味だった「食べる」という言葉が、太郎の成長とともに違った意味にも変化していきます。

性的な意味での「食べる」って意味ですよね。
ウルも太郎も、家族愛のような愛しいという気持ちから恋愛としての好きという気持ちに変わっていくわけですよ。

生贄から花嫁へ…

この変化の描き方も素敵で、親子のようだったふたりが恋人や夫婦になっていく様子にも違和感はありませんでした。


<最後の3つ目の見どころについて>

ところどころ、実際の童話を感じさせる部分がありますね。

たとえば、ウルが美味しく食べるためだと言いながら太郎にたっぷり食事を食べさせたり、骨付き肉をゴリゴリ食べているシーンを見た時は、「ヘンゼルとグレーテル」みたい!あの作品も口減らしのために親に捨てられましたしね。

後半には、浦島太郎みたいって思ったところもあったし、最後にラブラブするシーンでは、赤ずきんちゃんのワンシーンみたいな描写もありました。

人魚や妖精なども登場して、まるでこの作品自体も童話や絵本のようだと思わせてくれます。

最後に…

この作品には、ウルと太郎の他に、漁師と行商人が登場します。
まったく違う時期に登場したふたりのエピソードが、実は繋がっていることが後々わかります。

サラッと読むとそうなんだ~程度のものですが、深く読み込むと大きな意味があると思えますよ。

ウルと太郎の行動や優しい想いが彼等の知らないところで伝わり、それが直接ではないにしろ、彼等の運命を変えるきっかけになったんだな~って思いました。

最終的にはハッピーで幸せになるふたりを見ることができます。
読めば読むほど味の出る人外BLですから、ぜひお試しあれ!!

▼作品詳細はこちら!

可愛いくて面白い作品なので、もし怖がりの方でも安心して読んでみて!(部員:まみco)

『九尾の狐となまぐさ坊主』作:りんこ+三原しらゆき

愛は人と人との間だけのものにあらず!今回は種族を超えた愛、人外BLについて熱くお話しさせて頂けたらと思います。元々ファンタジー系に疎かった私がBLに出会った頃は、人外BLにはやや抵抗がありました・・・。しかし色んなお話を読んでいくと、種族が違うからこその葛藤や愛に感動や笑いが!ぜひこの気持ちを共有できたら嬉しいです!

人外とひとことに言っても、獣人や悪魔、天使、お化けなど色んな愛があふれているわけですが、私がお勧めする愛は人と九尾の狐の物語。
りんこ+三原しらゆき先生の『九尾の狐となまぐさ坊主』をご紹介させて頂きます!

主人公の坊主・円階はタイトルの通りなまぐさ坊主です(笑)僧侶でありながら夜になるとクラブやスナックに繰り出す日々。そんなことをしていたら金欠になり家賃が払えないだめっぷり!そんな時、孫娘の様子がおかしく呪いをといてほしいとの依頼がきました。円階には呪いをとく力はありませんが、お金に目がくらみ引き受けてしまいます。
女の子は、旅行先から持ってた石を握りしめ苦しんでいました。実はその石は、その昔鳥羽上皇の寵姫・玉藻前が封印されていた殺生石だったのです。なまぐさではあるものの、その石の力を感じ取り無事女の子の呪いを払ったと思いきや、円階の目の前には美しい九尾の狐の青年・玉嵐があらわれたのです。

狐の妖怪が現れたら恐怖でただただ固まってしまいそうなものですが、玉嵐の話を聞くうちに人間ではないということを超えて玉嵐という存在を大切に思っていく、アホで素直で愛情深い円階がとても魅力的です。愛が存在すれば相手が何者かは関係ないんですね(感動)
とはいえ金欠状態は変わらず、お金に目がくらみ色々な相談を引き受ける円階。玉嵐の霊力に助けてもらいながら色々な問題を解決していくストーリーもとても楽しいです。私たちには見えていないだけで、人間の世界以外にも色々なところに愛があふれているんじゃないかなぁなんて思えてきます。

九尾の狐である玉嵐は妖怪ですが霊力で人間の姿になることができます。その人の姿がとにかく美しくてイケメン(狐の姿もかっこいい)。妖怪なので人間から強引に力を奪ったりできそうなものの、そういったことはしない優しくどこまでも深い懐をもった存在なんです。でも円階があまりにもだらしない時は、愛をもって叱るお母さん的な一面も(笑)

ちなみに玉嵐が霊力を保つために必要なのは、人間の快楽によって放つ「気」。玉嵐と円階の甘くて濃密な時間もたっぷり楽しむことができますよ!

個人的にこわい系漫画は苦手でして、妖怪のお話とみて一瞬ひるみましたが、可愛いくて面白い作品なので、もし怖がりの方でも安心して読んでみてくださいね!

人間同士ではなくても本人同士が見つけた愛のかたちを見せてもらえる人外BLは、日常を忘れて楽しませてくれる作品であり、改めて日常を大切にしようと思えるきっかけになるような気がします。色々なジャンルがあるのでなんか興味があるぞという作品を見つけたらぜひ読んでみてくださいね☆

▼作品詳細はこちら!

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。