「BL(ボーイズラブ)ジャンル」商品を購入したhonto会員約1,800名に『BL(ボーイズラブ)に関する意識調査』を実施しました。
「honto」での2019年、2020年のBL書籍販売動向と合わせて結果を発表いたします。
【書籍販売動向・調査結果サマリー】
- 巣ごもりの2020年はBL漫画の販売冊数が紙・電子合計で前年比131%、電子のみは154%に増加(※1)
- 8割以上が “リフレッシュ・ストレス発散”したいときにBLを読んでいると回答
- BLを読む頻度は、毎日が4割越え、週1回以上が8割越え
- 人気のBLジャンルは「幼馴染」と「オメガバース(※2)」。何れも約半数のBLファンが選択!
- BLを好きになったきっかけは “書店での出会い”が最多
※1 2019年と2020年の当社販売冊数比。漫画・コミック全体の増減率は紙・電子合計、電子のみ共に122%。
※2 「オメガバース」とは、生物学的な性として男女のほかにα(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)という3つの性があるという特殊設定と、それを題材にした作品群のこと。海外の二次創作から生まれたものと言われているが明確な発案者は定かではなく、作り手によって様々な解釈やアレンジがなされ、BLの人気ジャンルの一つになっている。
(本リリースの調査結果・グラフをご利用いただく際は「ハイブリッド型総合書店honto調べ」と記載願います)
1. 2020年はBLコミックの販売冊数が紙・電子合計で前年比131%、電子のみは154%に増加
2020年は、販売冊数が前年比で紙・電子合計が131%、電子のみが154%に伸長し、巣ごもり期間にBLコミックの需要が大きく増加しました。
更にコミックジャンル全体と比較してもBLコミックの増減率は、紙・電子合計が9%、電子のみでは32%上回り、コミック全体の中でも特に読まれたジャンルとなりました。
2. 8割以上が “リフレッシュ/ストレス発散”したいときにBLを読んでいると回答
巣ごもり期間の2020年に多く買われたBLですが、どんな時に読みたくなるのかと聞いたところ8割以上が『リフレッシュ/ストレス発散したい時』、続いて4割の方が『元気になりたい時』と回答しました。このことから、巣ごもり期間のリフレッシュにBLが一役買ったと言えるのではないでしょうか。
また、その他の回答では、『自分の時間があればいつでも』『息をするように読む』といった声も多く、BLが日常になくてはならない存在となっていることがうかがえました。
その他の回答
- 息をするように読む(20代女性)
- 大好きすぎて毎日小説も漫画も読んでいる(40代女性)
- 寝る前にご褒美として読むのが至福(30代女性)
- 毎日の習慣、もう癖(10代女性)
- 脳や心に甘い糖分がほしいなと思うとき(50代女性)
- 感動を求めているとき。コロナ禍なので、エンターテイメント不足のとき。(40代女性)
- 無性に爆笑したい時(30代女性)
- 追いかけている作家さんの作品が発売されたとき(30代女性)
3. BLを読む頻度は、毎日が4割越え、週1回以上が8割越え
BL読者の4割以上が毎日、8割以上が週1回はBLを読んでいることがわかりました。2のその他の回答を裏付けるように、BLは一度ハマったら毎日でも読みたくなる魅力&中毒性の高いコンテンツと言えそうです。
4. 人気のBLジャンルは「幼馴染」と「オメガバース」
BLと一言にいっても、幅広いジャンルがありますよね。その中でもよく読むジャンルについて聞いたところ、「幼馴染」が半数以上の票を獲得し一番人気となりました!
続いて人気の高かった「オメガバース」は、生物学的な性として男女のほかにα(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ)という3つの性があるという特殊設定を元に、作り手によって様々な解釈やアレンジがなされているのが特徴です。その懐の深さからか多種多様な作品がつくられ、人気が定着したようです。また、最近では9番目にランクインした「人外、獣人」ジャンルも人気を上げているように感じます。
5. BLを好きになったきっかけは“書店での出会い”が最多
『書店で見かけて興味が沸いて』『偶然買ったものがBLだった/勘違い購入した』が約半数(44.1%)と、書店での出会いがきっかけでBLを読み始めた方が最多となりました。書店での棚展開を見て、興味を持つ方が多いようです。
続いて知人友人らの薦めで読み始めた方も2割強と、BL読者が新たな読者を生み出しているようです。その他の回答では、好きな作家・声優の作品きっかけや、二次創作に興味を持ってという意見もありました。
その他の回答
- 電子書籍のレビューが良かったので試しに購入した(50代女性)
- 好きな作家さんがBLも書いていたから(40代女性)
- 同人イベントに参加してから。(30代女性)
- 最初は二次創作作品から(10代女性)
- BLという言葉のまだない時代に一般小説や一般少女漫画に描かれていた男性同士の恋愛から。(50代女性)
- アニメから声優ファンになりBLCDを聞き原作を読んだ(50代女性)
6. BLの一番の魅力は“性別、年齢、立場を超えて楽しめる”
BLの魅力についての質問では、『性別、年齢、立場を超えて楽しめる』が6割と最も多く、次に『現実逃避ができる』が5割強という結果となりました。その他の回答でも『自分(女性)キャラがあまり出てこない』『自分とまったく無関係のファンタジーとして読める』『妄想が形となる』など、自分の性別や現実を忘れて、理想のファンタジーとして楽しめる点が大きな魅力のようです。
さらに、『絵が綺麗』の回答が41.52%あることと、その他の回答で『ストーリーが秀逸』という意見が多いことから、クオリティの高い作品が生み出されていることも想像できます。
その他の回答
- 同性どうしだからこその対等さを感じられるところ。(20代女性)
- 自分にまったく関係ない世界なので良い(40代女性)
- ファンタジー、親子問題、友人問題、等々どんなジャンル設定でもOKなところ(40代女性)
- ストーリーが秀逸(50代女性)
- テーマの選択やストーリーの組み立てが巧みなものが稀にある(40代男性)
- 女性キャラが少ない(イライラしない)(30代女性)
- 男性のかわいい面が見れる(30代女性)
- ありえない世界を気楽に楽しめるし、ハッピーエンドが多いので気持ちが楽になる。(60代女性)
7. 好きなBL作品のトーンは“あまあま”
BL作品のトーンで最も人気だったのは『あまあま』でした。切ないストーリーやシリアスな展開もBLの魅力の一つですが、王道の『あまあま』はなくてはならない要素のようです。その他の回答でも『ハッピーエンド』『溺愛』など、BLカップルの幸せな展開を求めている読者が多い印象でした。
8. BLを買い始めた年齢は10代からが半数
BLを買い始めた年齢は10代という人が約半数で最多となり、10代から読み始めている読者が圧倒的に多く、現在もBLを読んでいる20代以上の読者は若いうちからBLを手に取り、ライフワークとしてBLを楽しんでいるようです。逆に40代、50代でBLを買い始めた読者も一定数いることから、BLは何歳からでもハマることのできるコンテンツと言えるのではないでしょうか。
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