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注目作家や著名人に最新作やおすすめ本などを聞く『honto+インタビュー』。
今回は、『賢者のタイミング 空気は読まずに流れを読む』を上梓した個人投資家700ニキさんが登場。
個人投資家として国内最大級のオンラインサロン「ニキサロン」を運営する700ニキさんが初めての著書を上梓。出版に込めた思いとは?
「早く行動せよ」と煽られ、焦る人に届けたい投資が教えてくれた“待つ”という勝ち方
僕は生まれた家が経済的に厳しく、ひたすらお金持ちになることを夢見て、ビジュアル系バンド、飲食店経営を経て、2年ほど前から個人投資家としてネットで知られる存在になりました。
仮想通貨トレードを始めたことで、僕の人生は激変しました。100万円の資産を1億円に殖やせたかと思えば、僕が目を離した隙に飼いネコがビットコインを700枚誤発注、一瞬にして数千万円を手放すという悪夢も経験しました。その後、なんとか利益を取り戻して、今は夢にまで見たタワーマンション生活ができています。
しかし実際にお金持ちになってみると、「本当の幸せは経済的な豊かさだけでは得られない」という気づきに至り、令和の時代は新たな目標を立てて生きることに決めました。
目標の一つは、毎日を楽しく、健康に生きること。もう一つは、「投資をもっとカジュアルにして社会に貢献すること」。日本ではまだ浸透していない投資文化を若い世代にも広げて、お金だけでなく、投資によって得られる″人生に生かせる学び〞という資産も伝えていきたいと思っています。
投資で学べて人生に役立つのは、合理的な判断力。それは例えば、「着実な利益が見込めるタイミングが来るまで待つ力」であったり、「コツコツと小さな利益を積み上げていくことの大切さ」であったりします。
世の中の同世代を見渡すと、「早く成功しなければ」と生き急いでいる人が多い。「すぐやれ!」と扇動する本が話題になりやすいのも、僕は危険なことだと感じていました。
今回、初めて書いた著書『賢者のタイミング』は、僕なりのアンチテーゼです。大事な人生を棒に振らないため、堅実に″時〞を待つ姿勢や、他人や時代に振り回されない″自分軸〞を保つための習慣について、僕の経験から伝えています。
本には僕の読書歴についても書きました。バンドマンだった23歳の頃、武道館ワンマンライブも達成したにもかかわらず手元にお金がない現実に疑問を感じて手にしたのは、『思考は現実化する』(ナポレオン・ヒル、きこ書房)。当時、成功者としてもてはやされていた人が薦めていた本でしたが、良書に出会う意義を知りました。
以後、1日1冊以上本を読み、『孫子の兵法』(守屋洋、三笠書房)や『ユダヤ人大富豪の教え』(本田健、大和書房)はバイブルに。一時は、1日おきくらいのペースで書店に通っていたと思います。
読んで心に響いた箇所には線を引き、出先でも見直せるようにケータイに写真を保存。特に、ものにしたいと感じた言葉は紙に書き出して、トイレの壁に貼り、何度も読み返していました。自分の行動を変えるためには、潜在意識を変える必要があると思っていたので、かなり真面目に本を読み込んでいたと思います。
ビジネス系や自己啓発系は、若い人はあまり読まないかもしれないですが、「マジで人生変わるんで、絶対に読んだほうがいいよ」と言って回りたいくらいですね。
新刊のご紹介
700ニキ(ななひゃく・にき)
1990年神奈川県生まれ。アニオタ・ネコ好きの個人投資家。国内最大級の有料会員制コミュニティ(オンラインサロン)「ニキサロン」を主宰。
趣味は読書でありトレード以外のすべての時間は本を読んで過ごす。「幸せなお金持ち」を目指すため「必要以上に無理をしたトレードをしない」を信念に、安定して月収8桁維持を目標にトレードを続けている。「超」がつくほど貧乏な家庭に生まれ、幼少期よりお金がなくて困った経験が多く、お金のせいで夢や自己実現をあきらめている人を一人でも減らしたいという考えから、幅広いお金の教育を広める活動を展開。
700ニキさんのオススメ書籍
バックナンバー
- 【vol.30】伊坂幸太郎×朝井リョウ【伊坂幸太郎】『フーガはユーガ』(実業之日本社)【朝井リョウ】『何者』(新潮社)
- 【vol.29】島本理生『あなたの愛人の名前は』(集英社)
- 【vol.28】西村創一朗『複業の教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
- 【vol.27】森見登美彦『熱帯』(文藝春秋)
- 【vol.26】辻村深月『かがみの孤城』(講談社)
- 【vol.25】葵わかな『青夏(講談社コミックス別冊フレンド)』(講談社)
- 【vol.24】鳥居みゆき『やねの上の乳歯ちゃん』(文響社)
- 【vol.23】コシノヒロコ『だんじり母ちゃんとあかんたれヒロコ デザイナー三姉妹と母の物語』(マガジンハウス)
- 【vol.22】阿部和重&伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』(文藝春秋)
- 【vol.21】安藤忠雄『仕事をつくる(私の履歴書)』(日本経済新聞出版社)
- 【vol.20】栗山圭介『フリーランスぶるーす』(講談社)
- 【vol.19】伊坂幸太郎『ロングレンジ』(幻冬舎)
- 【vol.18】真梨幸子『祝言島』(小学館)
- 【vol.17】阿部智里『弥栄の烏』(文藝春秋)
- 【vol.16】深水黎一郎『ストラディヴァリウスを上手に盗む方法』(河出書房新社)
- 【vol.15】小手鞠るい『たべもののおはなし パン ねこの町のリリアのパン』(講談社)
- 【vol.14】上田秀人『竜は動かず 奥羽越列藩同盟顛末』(講談社)
- 【vol.13】浅田次郎『天子蒙塵』(講談社)
- 【vol.12】けらえいこ『あたしンち』(KADOKAWA)
- 【vol.11】伊東潤『天下人の茶』(文藝春秋)
- 【vol.10】真保裕一『遊園地に行こう!』(講談社)
- 【vol.9】伊坂幸太郎『サブマリン』(講談社)
- 【vol.8】松岡圭祐『探偵の鑑定』(講談社)
- 【vol.7】堂場瞬一『誘爆(刑事の挑戦・一之瀬拓真)』(中央公論新社)
- 【vol.6】山崎ナオコーラ『ボーイミーツガールの極端なもの』(イースト・プレス)
- 【vol.5】安藤哲也『崖っぷちで差がつく上司のイクボス式チーム戦略』(日経BPマーケティング)
- 【vol.4】藤原和博『たった一度の人生を変える勉強をしよう』(朝日新聞出版)
- 【vol.3】伊坂幸太郎『キャプテンサンダーボルト』(文藝春秋)
- 【vol.2】阿部和重『キャプテンサンダーボルト』(文藝春秋)
- 【vol.1】川上未映子『きみは赤ちゃん』(文藝春秋)