紙の本
意外性、説得力ともに十分の力作
2001/11/24 23:29
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投稿者:本田亮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北川歩実がついにその本領を発揮した。特に構成力という面においての成長ぶりには目を見張るものがある。本作を本格ミステリとは言いがたいが、意外性は十分である。二転三転する解決部分は、この構成力がなければ全く説得力を持たなかったであろう。また、北川作品に共通して言えることだが、最先端科学を取り込んだテーマは実に興味深い。
惜しむらくは冒頭での強烈な謎の提示がないことと、伏線の少ないことだ。しかし、後者は天才を描くことへの代償なのかもしれない。
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面白かった! やっぱこの人の作品はのめりこむ。島田荘司の提唱する本格ミステリーに最も近い人だと思う。「天才」を人工的に作り出すセンターを中心に巻き起こるいくつもの謎謎謎。最後に解かれるのではなく、物語の進行に合わせて次第に解かれていくし、これがさらに物語を盛り上げる要素を作り出している。そして最後に明かされる「真犯人」はかなり意外な人物。いろいろなテーマを取り扱っているけど、本格の骨格を持っていることは間違いない。いやー、面白かった。
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かなり前に買ったのですけど、キャッチコピーからSF的な医療ミステリーと思って(その手の本は好きですが)、少し同じ傾向の方が続くのを避けて読まずにおいておきました。
タクシー運転手の野上雄貴は、かつて、GCS幼児教育センターが発明した「金のゆりかご」という脳を天才脳にするシステムで育てられ、一時は天才少年としてもてはやされたのですが、そのうちに能力の限界にぶつかり、人生に挫折した感じで生きていましたが、そこに、GCS幼児教育センターから入社要請が来ます。
なぜ、自分を好条件で入社させようとするのか?その裏にある、9年前の事件、子供が次々と精神に錯乱をきたしたという事件が浮かび上がります。さらに、ある母親が失踪し殺人が起きるのです、、、が。
というこんな話ですが、これすら導入部分にすぎないほど、後半はどんでん返しが続きます。そのミステリー的な実力は別にして、この手の話にはつきものの「自分」とは何か?自分の子供を愛する基準何か?すごく考えさせられます。子供は兄弟同士でひいきしたとかしないとか比較しますが、子供を愛する親の気持ちの差別はないはずですが、そのあたりをなかなか「いやらしい(笑)」設定で読者に関がさせちゃう場の提供は面白かったです。
ただ、ボリュームの割には登場人物がどの人も(設定の関係もあるけど)心が表に現れない能面のような感じがして。。。天才少年としての人生に挫折した主人公「野上」に唯一、泥臭さを感じて、ホットしたりして(^^)
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天才を作っちゃう幼児英才教育が舞台のミステリ。天才は本当に天才になるのか、とかそんな実験受けて大丈夫か、とか天才になった子の情操面はどうですか、とか…途中まではミステリという感じでもないんですが、ミステリだったようです。ラストで命の重さは将来性に比例するのかという命題が出る訳ですが答えが出たような、結局うまいこと逃げられたよーな。まあでも子供のうちからちやほやするとロクなもんに育たないというのは確かにそうですね。
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途中まではあまりたいした進展がないが、中盤から一気に物語が進みだして、二転三転の大どんでん返しな展開。でもちょっと結論が転がりすぎてすっきり感はイマひとつかな。
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読了。中盤から話が急展開しはじめ、最後のほうは何がどうなったのやら理解するのが大変だった。その分読み応えはあったかな。[2009/07/06]
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面白いと思いますよ〜♪
個人的に読んでいた時期が忙しかったので、お疲れモードで読むと文が難しいです。
じっくり読んでください。
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天才的な子供を作り出す施設という、若干アキラな話です。筋書きは面白いし、巧みなトリックで事件の真相が隠されてるんですが、なんと言うか、、5分の出来事を10分かけて読まされてる感じ。理解しながら読むにはそれなりの気合いが必要。でも、物語は厚いです。
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渡米にあわせて日本から持ち込んだ本のひとつ。といってもお気に入りだからではなく、そのときに本屋さんに平積みになっていたので、という非常に失礼な買い方。
この人は必ず設定に現代の科学や医療への批判が入っていて、ロビン・クックみたいなんだけど、なんだかてんこ盛りすぎて、実際の人間がほとんど描写できていないことが多い。この本もそんな感じで、他の本同様まったく感情移入できないまま終わってしまった。
残念。
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設定は面白いと思う。
“天才”を育てる研究所があって、そこの子供達が注目され始めている。
主人公はしがないタクシー運転手だけど、かつてその研究所で育った“元天才”。
ある時、絶縁していた父――そして研究所の所長――に呼び出され、ある提案を受ける。
謎が謎を呼ぶ展開で、更にどんでん返しに次ぐどんでん返しでかなり盛り上がってる。
でもなんでだろう、どうも読んでる私自身はそこまで盛り上がらなかったなぁ。
こういう話はクライマックスに「爽快感」のようなものがあるといいと思うけど、
この作品にはそれがなかったかな。
意外性を狙いすぎてやや混乱を引きずったままエンディングを迎えてしまうからかも。
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タクシー運転手の野上雄貴は、GCS幼児教育センターから入社要請を受け、不審を抱く。GCSが発明した「金のゆりかご」と呼ばれる機械で育てられ、一時は天才少年ともてはやされたが、能力の限界を露呈し見捨てられた自分。真意を探るうち、子供が次々と精神に錯乱をきたした事件が浮かび上がる。やがて、ある母親が失踪、殺人が…。先端科学に切り込む新感覚ミステリー。
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最後は一気に読んだ。実は中盤まで読み進んだ頃にネタバレ情報をもらってしまって一瞬萎えたのだけど(と言っても、種明かしの初期段階のネタバレ)、それでもなお想像以上のラストだった。ただ、心理描写は、うーん・・・。物語としてはすっきり読み終えたけれど、登場人物たちの今後が激しく気になる・・・。心理を丹念に描くタイプの小説だったら、こういう展開にはならなかったのかも、とも思う。でも、面白かった。
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ラストがどんなだったか覚えてない・・・。
最初はおもしろかったけど、どんどんいまいちになっていったかな。
主人公の奥さんが蚊帳の外すぎて哀れだけど、旦那の過去をあまりに知らなさ過ぎたってことか。なんて本編に関係ないところでももやもやしてしまう。
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複雑な内容ではないのに、なぜか登場人物がごっちゃになってしまい、読むのに時間がかかりました。面白かったけど!
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帯やPOPに騙された感が・・・
結局のところgdgdなまま終わった感が抜けない。
最後のオチもかなり無理があるんじゃなかろうか・・・